6月下旬の特選映画をアップロードします。今回4本を映画館で観賞、今月6月は、自殺映画★『ちょっと今から仕事やめてくる』、映像詩のような味を醸している作品、『光』は、河瀬直美監督しか撮れない映像だなーと想わせました。期待を裏切らない山田洋次監督の喜劇映画『家族はつらいよ2』、能狂言のような『花戦さ』、韓国映画のリメイク版『22年目の告白-私が殺人犯です-』、シリーズの最終章ともいえる『LOGAN/ローガン』、人妻の不倫を流行語にまでした『昼顔』、タップダンスとショービジネスの光と影を映像にした★『TAP THE LAST SHOW』…通算で8本を観賞しました。その中で、下旬に選んだ特選映画1本は、水谷豊監督&主演の『TAP THE LAST SHOW』でした。映画のラスト場面でのタップショーは、迫力のある舞台でした。あの数分間のタップショ―だけでも見る価値は有ります。
今日6月23日は戦後72年、「沖縄慰霊の日」だった。この日には沖縄戦最後の激戦地となった糸満市摩文仁の平和祈念公園で沖縄全戦没者追悼式が行なわれました。私も先ごろ観光旅行でしたが、「平和記念公園」に立ち寄りましたよ。沖縄県の翁長雄志知事は、辺野古阻止「不退転」の平和の誓いを読み上げました。それにしても、追悼式には、安倍晋三首相や衆参両院議長ら約4900人が出席して、犠牲になった約20万人の戦死者の冥福を祈り、1分間の黙とうを捧げました。どうせならば、沖縄だけの特別な休日「慰霊の日」にせずに、日本全国の「慰霊の日」の休日にすればいいのにーナ!!! でもね、安倍晋三の米軍基地の「負担軽減」に関する演説の中の、「確実に結果を出す決意だ」という言葉は、沖縄県民の心情と民意を蹂躪する白々しく厚顔無恥な言葉でしたーネ。
ニュース番組は、海老蔵の妻、小林麻央さん(享年34)が、がん闘病の末に亡くなった訃報を繰り返し報じ、特番キュメントとしても放送していますが、24万人の沖縄の戦死者の一人一人の「死」もまた忘れられてはいけないですーネ。米軍基地問題に取り組んだ沖縄県元知事大田 昌秀の意図も、沖縄戦で亡くなられた米軍兵士も含めて、全ての氏名を刻んだ「平和の礎」も、そんな平和への希望があったのではないのかーナ。
1995年、5件の連続殺人事件が起こったが、犯人は逮捕されることなく時効を迎え、手がかりもなく迷宮入りとなった。がある日、曾根崎雅人(藤原竜也)と名乗る男が、犯人しか知り得ない事件の真相を綴った手記「私が殺人犯です」を出版する。、時効が撤廃された日本の司法制度の邦画では、時効成立の「時間」と事件の発生した「時間」をめぐり…、残虐な殺人という罪が消える時効制度のからくりの理不尽さと矛盾に世間は非難を浴びせ、連続殺人犯を許せない事件被害者の神経を逆なぜし、尚更に犯人への憎悪と嘆きを募らせた。妹がその事件の被害者であり、事件捜査の途中で先輩刑事をむざむざ殺された担当刑事の牧村航(伊藤英明)と、警察関係者と、その殺人事件の記憶を共有する世間を巻き込んで、社会が騒然とすればするほど、本はベストセラーとなって売り上げを延ばしていった。事件はセンセ―ショナで奇妙な「空騒ぎ」となった。1本目の作品は、謎の先に意外などんでん返しの真犯人を暴くサスペンス映画『22年目の告白-私が殺人犯です-』 (2017年、入江悠監督 )でした。
入江悠監督の作品の中で、私は『日々ロック』(2014年公開)しか観賞してませんが、面白いと認める作品もこれしかありませんでした。それにしても、この「22年目の告白」は、ストーリも謎解きも伏線とドンデン返しもよく練れているので拍手したいくらいの傑作でした。ただ、映画そのものが韓国映画『殺人の告白 (2012年、チョン・ビョンギル監督&脚本)のリメイクだそうなので、私は韓国映画をレンタルショップで借りて見ました。確かに初めの画面は暗くカメラワークが巧くないです。また、連続殺人事件の犯人だと告白するイ・ドゥソク(パク・シフ)と、犯人をずっと追いかけているチェ刑事(チョン・ジェヨン)と、事件に絡む周辺の人間関係がストーリの進展を見てても、すっきりしないです…ね。白い仮面を被った真犯人の仮面をはいで、逃走する殺人犯を車で追いかけるカーチェイスは、やや漫画チックで幼稚でした。これを見ている日本人監督ならば、「私ならばもっとスリリングにサスペンス映画らしく、より傑作に制作できる」…と思うだろうーネ。ただ、韓国映画の特色は、やはり殺人や犯罪映画を撮らせたら韓国の監督の着想は非常に面白い、発想は超一流ですね。でも映画製作のスキルそのものがまだ未熟のような気がしました。リクメイク版とは言え、日本映画が勝っていました。でもねでも、こんな映画を原作脚本監督に至るまで、日本人スタッフでオリジナル制作であったらな…と残念に思いました…!!!
2本目は、数々の続編シリーズで映画化された米コミックのヒーロー「X-MEN」(2000年、ブライアン・シンガー監督)のその後の近未来のミュータントの最終章ともいえる『LOGAN/ローガン』 (2017年、ジェームズ・マンゴールド監督) でした。この作品では、遺伝子の突然変異により超人的パワーを持つミュータントの中でも肉体派の戦闘員ローガン「ウルヴァリン」(ヒュー・ジャックマン)は、人工的に実験室で製造されたミュータント「X-24」との戦いによって息の根を止められ、肉体組織の治癒能力も衰えて死亡する結末で終わった…。初めはよれよれの老いた酔っぱらいの姿で登場、メキシコの車泥棒を相手に殴られ倒され銃弾を受ける…。最早、ローガンは送迎ドライバーとしてミュータントが絶滅の危機に直面しする時代に、メキシコ国境近くの工場跡で生き残ったチャールズ・エグゼビア(パトリック・スチュワート)とキャリバンたちと隠れてひっそりと暮らしていた。
25年が経った2029年に、ローガンと瓜二つの両手に爪を持つ実験室で遺伝子操作と人工授精によって誕生したローラ(ダフネ・キーン)という11歳の少女が、ノースダコタ州にある「エデン」まで送り届けて欲しいという、その研究室の看護師だった女性と共に助けを求めて現れる。チャールズはミュータントが生き残るための唯一の希望であると、ローラと研究室によっての誕生したミュータントの子どもたちの運命を托した。最後の力をふり絞ってローガンは、人間兵器として人工的にミュータントを製造する企業のザンダー・ライス博士 たちと戦う…。
ローラは、特殊な弾丸でX-24を射殺してローガンを窮地に追い込まれた戦いを終わらせた。が、致命傷を負ったローガンはその場で亡くなる。石を積み上げた墓標の前でローラは『シェーン』の一節を引用して弔辞を述べ、墓標の十字架を「X」の形に置き直して国境の山を超えてゆく…。「X-MEN」シリーズの中で一番見応えのある名作でした。
夫がいる身でありながら妻のいる東京理科大の講師・北野裕一郎(斎藤工)と惹(ひ)かれ合い、不倫関係に陥った笹本紗和(上戸彩)が主人公。不倫の結末は、二度と会わないという誓約書を交わして、佐和は北野と離れ夫とも別れて、杉崎尚人(平山浩行)が経営するレストランで見習い調理師として働く…。3本目は、ある日もはや記憶から忘れかけていた紗和の前に、公民館で蛍の講演に来た北野と再会、肉体の疼きと喜びが再燃する、TVドラマの続編で、不倫映画の代名詞のような『昼顔』(2017年年、西谷弘監督、井上由美脚本)でした。
私は正直言って、2014年7月17日~9月25日まで、フジテレビ系で放送されたTVドラマ『昼顔〜平日午後3時の恋人たち〜』(西谷弘演出、井上由美脚本、プロデューサー:三竿玲子、清水一幸、)を一度も見たことがなかったです。ひょっとしたら、人妻になった上戸彩のベットシーンと露骨な濡れ場が見れるのかな…といやらしい好奇心で見たのですが、二人の肉体が絡み合ったベットシーンは一回だけでした。映画は、TVドラマ11話で離婚した笹本紗和のその後のストーリから始まる。紗和も教師の北野裕一郎も同じ配役で、監督脚本も同じスタッフなので、TVドラマの続編であり、結末でもありました。エンディングストーリは、二人の不倫がめでたく結婚寸前へと近づいた時、裕一郎は、離婚届を手にして妻・乃里子(伊藤歩)と自動車ごと崖下へ転落して、紗和のいる白浜の盆踊りの夜に亡くなる…。
この映画を見ると「私も不倫したい!!!」と願望する男は多いかもしれませんーネ。危ないあぶない。これを読んでいる方に、今、人妻と不倫している男性はいますか???或は、一回の不倫で、その妻子ある男性を忘れられずに、思い出し疼き、体を熱くしている女性はいますか…???でもねこの映画は、不倫の末の幸福の刹那と、不幸な悲劇の終焉…、不倫は結局に悲劇の破綻で終わる、と言う教訓めいた戒めの結末を演出していましたーネ。
晴れ舞台から落下する負傷事故で、大事な足に後遺症の残る怪我をして、今は足を引きずり酒におぼれる日々を送っていた、落ちぶれたが、しかし元は天才タップダンサーの渡真二郎(水谷豊)は、負債を抱えた旧い劇場支配人の毛利(岸部一徳)から「最後に最高のショー」を演出してくれと依頼された。4本目は、異色のタップダンス映画〚TAP THE LAST SHOW』(2017年年、水谷豊監督、両沢和幸 脚本、HIDEBOHダンス監修)でした。
最早『相棒』シリーズの杉下右京役に飽き飽きした私は、水谷豊が初監督と主演を務めた映画が公開されたというので、早速に見に行きました。どんな作品で水谷豊かなどんな役柄でどんな演技をするのかな…と、興味津々でした。
タップダンスをテーマにショウビジネス界の華やかさと厳しさ、それでもダンスに生活と生き甲斐と運命を賭ける若いダンサーたちの姿を描いた作品で、水谷自らが零落した天才タップダンサーを演じています。ただーネ、酒浸りになって「ジャックダニエル」の酒瓶をラッパ飲みする姿を、何度も何度も繰り返し映していたが、チョットあのシーンは余りに過剰でなかたかな…。でも、映画のラスト場面でのタップショーは、迫力のある舞台でした。あの数分間のタップショ―だけでも見る価値が有りました。でもね、ラストショーの後で一人劇場から外へ歩き、ベンチで劇場支配人の毛利と幻想的な会話を交わす一シーンは、やや演出し過ぎているのではないかな…。映画コンテでは、最後の一枚は絵になるのですが、映像にすると蛇足のように映りました。
あるインタビューで、映画にしたいと構想を長い間温めていたタップにひかれた理由について「…人をそこまで(魅了)させるものを持っているんです。普通、タップというと足の動きを想像されると思うのですが、この映画のように、あらゆる曲に対応できる動きがあり、別世界に連れて行かれてしまうようなショーにもなる。この作品でタップのイメージを変えられたら…」と、抱負を答えています。私も懐かしいジーン・ケリーとスタンリー・ドーネン監督によるミュージカル映画タップダンス映画の代表作『雨に唄えば』をもう一度見たくなりました。
この映画「TAP THE LAST SHOW」のロケ地は、東京・鶯谷にある「ダンスホール新世紀」の可能性が高いそうです。このホールは、1996年の映画「Shall we ダンス?」の舞台モデルになったロケ地だそうです。
下記addressは、毎週木曜日の夜20:30~20:56にひっそりと開かれる映画批評シアター、沖縄・那覇からFM電波で放送される「なーりーの星空シアター」のサイトです。映画で毎日の生活がよりキラキラと楽しいものになすように・・・と願いを込めた映画情報で、ポッドキャストでも聴けます。短い時間なので、ほっと一息する仕事の合間、休憩時間にスマホで聴くのにイイです…よ。
次回6/29は、太平洋戦争の沖縄戦、浦添城址の南東にある「前田高地」と呼ばれた日本軍陣地を題名とする映画『ハクソー・リッジ』のコメントが放送されます。残念ですが、この放送もこの回が最終回だそうです。沖縄の放送局らしい、しかも最終回らしい映画です。私は、映画の情報番組としてはイイトークだな…と思て応援していたのですが、重ね重ね残念ですーネ。もしも、「もっと放送を続けて…!!!」という声がメールでeiga@fmnaha.jp 宛にたくさん届いたら、継続されるかもしれませんよ。
http://www.fmnaha.jp/podcast_detail.php?program_id=68
(尚、 誤字脱字その他のために、アップした後で文章の校正をする時があります。予告なしに突然補筆訂正することがありますが、ご容赦ください…)