スウェーデン・アカデミーは10月13日に、2016年ノーベル文学賞を米国のシンガー・ソングライター、ボブ・ディランさん(75才)に授与すると発表した。授賞の理由は「米国の歌の伝統において新たな詩的表現を創造した」という。村上春樹氏(67才)は、2006年にノーベル賞の登竜門とされていた「フランツ・カフカ賞」を受賞して以来、毎年、有力候補に挙がっていたが、期待されながらも、今年もまたノーベル文学賞を逃した。私は村上春樹の小説は、そんな好きではありませんが、まあ、受賞が決まっても「ノーベル賞なんて要らないよ…」って辞退した方が、却ってカッコいいよーね。フォークシンガーがノーベル文学賞を受賞するならば、映画監督もこの次はノーベル平和賞かなんか授与させたいよね。「言葉を越えた感動的な映像で、世界中の平和を願う市民の心に、平和の意味を覚醒させた…」という理由でさ。!!!貴方なら、どんな監督のなんという作品に「ノーベル平和賞」をあげたいですか???
10月中旬の特選映画をアップロードします。今回4本を映画館で観賞、今月10月は通算で、『真田十勇士』、『好きにならずにいられない』 、『ハドソン川の奇跡』、『リトル・ボーイ 小さなボクと戦争』、『ジェイソン・ボーン』、『グッドモーニングショー』、『SCOOP!』、『淵に立つ』・・・の8本を観賞しました。選んだ特選映画1本は、君塚良一監督の『グッドモーニングショー』でした。
『SCOOP!』の捨て身でダーティー役を見事演じた福山雅治も良かったが、あと三本でこんな汚れ役、悪者役、ヤクザ役の映画の主演で喝采を浴びたら、「おやおやへえー、もうアイドルは捨てたかな…」と信じてやれそうです。それまでは「いつまで格好つけて、アイドルやってんだよ・・・!!!」と、嘲り罵りたい私です。
記憶を失った暗殺者ジェイソン・ボーン(マット・デイモン)主役のスパイアクションシリーズが再び公開されました。いつまで続くのかと呆れる程長いシリーズ第5弾『ジェイソン・ボーン』(2016年、ポール・グリーングラス監督、脚本: ポール・グリーングラス&クリストファー・ラ渦 )でした。シリーズが余りに長いと、ストーリは伏線に次ぐ複線、登場人物も次々に増えて変わるので、段々に複雑怪奇になってくるものです。まあこのシリーズの場合、ジェイソン・ボーン役のマット・デイモンが一貫して主役なので、混乱はあまりありませんーね。
第1弾『ボーン・アイデンティティー』( 2003年公開、ダグ・リーマン監督、脚本:トニー・ギルロイ&ウィリアム・ブレイク・ヘロン )、第2弾『ボーン・アルティメイタム』(2007年、ポール・グリーングラス監督、脚本: トニー・ギルロイ &ブライアン・ヘルゲランド )、第3弾『ボーン・スプレマシー』(2004年、ポール・グリーングラス監、脚本: トニー・ギルロイ &スコット・Z・バーンズ&ジョージ・ノルフィ )までは、ロバート・ラドラム原作のCIA暗殺者のスパイサスペンス&アクション3部作で、同じポール・グリーングラス監督でした。第4弾『ボーン・レガシー』(2012年、トニー・ギルロイ監督、脚本: トニー・ギルロイ&ダン・ギルロイ)で、これまで脚本を書いていたトニー・ギルロイが監督を務めている。シリーズ第5弾の『ジェイソン・ボーン』では、ポール・グリーングラス監督が脚本も書いて、マット・デイモンとコンビが復活してます。
映画のストーリは、主役に絡む女を押さえろ、すっきりするぜ…が、私のシネマセオリーです。CIAの元同僚だったニッキー(ジュリア・スタイルズ)が、ジェイソン・ボーンに接近する。CIAが世界中を監視・操作するため、大手コンピュータ開発会社のCEOを恫喝協力させて、市民を監視するプログラムを立ち上げという極秘作戦計画のことと、それに。ボーン自身も依然記憶の中で謎のままで苦悩している過去の真実を告げるー。そこに、再びCIAの情報担当官の新任女性・CIAエージェントのリー(アリシア・ヴィキャンデル)が、ジェイソン・ボーンに接近する。
それにもう一人、CIA長官を演じるロバートデューイ役のトミー・リー・ジョーンズがこの映画の曲者でした。この4人で映画のストーリは動いていました。娯楽アクション&スパイ映画としては、極めて面白かったです。マット・デイモンが好きならば、観たらどう・・・。
その作品全貌を知りたい映画ファンは、第一作目からDVDを是非鑑賞してください。そうそう、10/11~13にテレビ東京でもシリーズ第一弾「ボーン・アイデンティティー」から3部作すべてを放映していましたーね。あれはもう見ましたか???
「グッドモーニングショー」のメインキャスター澄田真吾(中井貴一)は、朝のワイドショーを放送中、都内のカフェで人質立てこもり事件が発生、早速ワイドショーも事件の生放送を開始する。がなんと驚くことに、ほどなくして散弾銃と爆弾を持った立てこもり犯・西谷颯太(濱田岳)から「澄田を呼べ…」と要求されていると知らされる。2本目は、番組の女子アナ・小川圭子(長澤まさみ)からは不倫をばらすと囁かれ、プロデューサー(時任三)からは番組降板を告げられたるなど、民放ワイドショーの内幕と制作秘話をとことん喜劇化した『グッドモーニングショー』(2016年、君塚良一監督)でした。
初めは、先日公開されてこの映画ブログでもコメントを載せたジョディ・フォスター監督の『マネーモンスター』の二番煎かなと思いました。リー・ゲイツ役のジョージ・クルーニーが生放送で放送スタジオの立て
こもり犯をインタビューするという設定は、「グッドモーニングショー」の発想そのものでしたから。二枚目の俳優なのに何故か、中井貴一独特の喜劇的雰囲気と演技は彼の持ち味ですーね。君塚監督のヒット作です。
3本目は、福山雅治が都城静という借金まみれで、遊び人芸能人のスキャンダルをお金のために追いかける「中年パパラッチ」役で大衆週刊誌「SCOOP」のフリーカメラマンを果敢に演じる『SCOOP!』(2016年、大根仁監督)でした。
言わずと知れた大根仁監督の「モテキ」ー、女にもてない冴えない男が突然に女を惹きつけて持てる男になる恋愛ドラマ「モテキ」…、今や若者たちの人気職業に数えられる漫画家の裏方助手ー、明日はヒット漫画家としてデビューする夢を抱く漫画家のアシスタントを描いた「バクモン」…、大根仁が選んだ男の世界は、どれもこれも、若者たちが会社勤めのサラリーマンになって結婚して家庭を持って、定年退職までコツコツ働いて老いてゆくか、それとも丁半博打のように一攫千金の成功者か、それとも夢破れて借金の末に自殺するか公園の茂みでホームレスになって野倒れ死になるか、恰も人生の賭博場のように夢に掛けるかどうか…。大根仁が描く夢の世界は、子供たちが憧れる将来就きたい職業の中の一つではないのかな…。例えば「漫画家」、「サッカー選手」、「医者」、「プロゴルーファー」、「落語家」、「パティシエ」、「モデル」、「俳優」、「小説家」…などです。大根仁が身を置いている映画監督などもその一つです。大学のサークル活動の「映画部」でエンジョイした体験が忘れられず、長い下積みの助監督で脱落する人も多い職業です。「プロカメラマン」なども、初めは自分のカメラを買って自分のアルバムに張っていた趣味の世界から、カメラの専門学校に入学して、プロカメラマンの小間使いのような助手の貧しい生活で脱落するセミプロも数多くいます。ある意味厳しい世界であり、成功して世に出るか、失敗して世間の脱落者になるかー、人生のサイコロゲームですーネ。今回の大根仁が描く、生きる意義を見つけるたるに足掻きもがくバクチの舞台は、週刊誌の編集部のプロカメラマンでした。出版業界もまた泥臭く、売り上げ部数の競争と売り上げ利益が支配する世界です。芸能人や政治家などのゴシップを執拗に追いかける嫌われモノの世界です。でも、非情に面白かったです!!!
ただ私は最近福山雅治に「嫌悪」してます、何故か。彼のマンションにファンが合いカギを使って侵入して、彼の愛用のギターを弄っていた(盗もうとした?)時、発見され住居侵入罪に問われた中年女性の宮本万里子被告(48才)の事件です…。しかもそのマンションのコンシェルジュでしたので、余計に芸能ニュースで騒がれました。熱狂的なファンの衝動的な犯行ですから、普通ならば単に罰金刑ですよー。だが、検事席では懲役1年を求刑しています。既に初公判が終わり結審を待つばかりです。執行猶予付きの懲役なのかなー。彼のコメントは、「きちんと懲役刑を受けてほしい…」でした。ファンに対して、それは非情な態度だろうーヨ!!!。
でも、よりによって自堕落で女好きな中年パパラッチ役にー、女が抱かれたい俳優、コンサートはいつも満員、ヒット曲を連発しているフォークシンガー、リスナーも多い人気深夜放送のパーソナリティー、福山雅治がカメラ好きなのもまた有名ですが、彼をこのダーティーな作品の主役に抜擢するなんで、驚きました。180度のイメージ転換ですーね。でもね、もういい歳なんだからアイドルから卒業して、吹石の産んだ嬰児を抱いた時に、その哀れな独身女性の私生活を心配しろよ・・・ナ!!!
静岡の郊外で小さな金属ブレス工場を営む、鈴岡利雄(古舘寛治)とカソリック教徒の妻・章江(筒井真理子)と、オルガンを習う10歳の娘・蛍(篠川桃音)の3人で穏やかに暮らす家族に、ある日、利雄の古い知り合い、実は服役していて刑務所帰りの草太郎(浅野忠信)が現れる。殺人の共犯仲間・利雄のことを隠してすべての罪を背負った草太郎に対して、罪悪感なのか、利雄は彼を工場で雇い自宅の空室に下宿させるなどの世話をする。
が、何があったか分からないが、妻・章江との不倫を拒まれた草太郎は、こともあろうに愛娘の蛍を障害の残る致命的な怪我を頭にさせる…。簡単に言えば、平凡な夫婦の家庭を崩壊させた前科者の謎めいて衝動的な復讐劇の犯罪映画『淵に立つ』(2016年、深田晃司監督&脚本)でした。
「歓待」「ほとりの朔子」などでの深田晃司監督の作品は観ていないのですが、原作脚本も深田晃司のようですーね。ただね、敬虔なキリスト教徒の妻・章江の不倫めいたキスや抱擁が変だよー。それに娘・蛍への暴力に辻褄が合わないですーよ。
もともと俳優としての浅野忠信の演技の嫌いな私は、今回の作品もまた、ゲスの極みの犯罪者・草太郎を、時に激情的で時に紳士的な役柄と演技を上手に演じていたのだが、やはり浅野を好きになれないーナ。恐らく、彼の演技を引き出すいい脚本と映画監督が彼を中々見出してくれないのではないのかな。
(尚、 誤字脱字その他のために、アップした後で文章の校正をする時があります。予告なしに突然補筆訂正することがありますが、ご容赦ください…)