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Channel: 流石埜魚水の【特選映画】、★映画のMIKATA★映画をMITAKA・・・
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10月中旬特選映画【24】★映画のMIKATA「グッドモーニングショー」★映画をMITAKA

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スウェーデン・アカデミーは10月13日に、2016年ノーベル文学賞を米国のシンガー・ソングライター、ボブ・ディランさん(75才)に授与すると発表した。授賞の理由は「米国の歌の伝統において新たな詩的表現を創造した」という。村上春樹氏(67才)は、2006年にノーベル賞の登竜門とされていた「フランツ・カフカ賞」を受賞して以来、毎年、有力候補に挙がっていたが、期待されながらも、今年もまたノーベル文学賞を逃した。私は村上春樹の小説は、そんな好きではありませんが、まあ、受賞が決まっても「ノーベル賞なんて要らないよ…」って辞退した方が、却ってカッコいいよーね。フォークシンガーがノーベル文学賞を受賞するならば、映画監督もこの次はノーベル平和賞かなんか授与させたいよね。「言葉を越えた感動的な映像で、世界中の平和を願う市民の心に、平和の意味を覚醒させた…」という理由でさ。!!!貴方なら、どんな監督のなんという作品に「ノーベル平和賞」をあげたいですか???






10月中旬の特選映画をアップロードします。今回4本を映画館で観賞、今月10月は通算で、『真田十勇士』、『好きにならずにいられない 、『ハドソン川の奇跡』、『リトル・ボーイ 小さなボクと戦争』、『ジェイソン・ボーン』、『グッドモーニングショー』、『SCOOP!』、『淵に立つ』・・・の8本を観賞しました。選んだ特選映画1本は、君塚良一監督の『グッドモーニングショー』でした。


SCOOP!』の捨て身でダーティー役を見事演じた福山雅治も良かったが、あと三本でこんな汚れ役、悪者役、ヤクザ役の映画の主演で喝采を浴びたら、「おやおやへえー、もうアイドルは捨てたかな…」と信じてやれそうです。それまでは「いつまで格好つけて、アイドルやってんだよ・・・!!!」と、嘲り罵りたい私です。

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記憶を失った暗殺者ジェイソン・ボーン(マット・デイモン)主役のスパイアクションシリーズが再び公開されました。いつまで続くのかと呆れる程長いシリーズ第5弾『ジェイソン・ボーン』(2016年、ポール・グリーングラス監督、脚本: ポール・グリーングラス&クリストファー・ラ渦 )でした。シリーズが余りに長いと、ストーリは伏線に次ぐ複線、登場人物も次々に増えて変わるので、段々に複雑怪奇になってくるものです。まあこのシリーズの場合、ジェイソン・ボーン役のマット・デイモンが一貫して主役なので、混乱はあまりありませんーね。


第1弾『ボーン・アイデンティティー( 2003年公開、ダグ・リーマン監督、脚本:トニー・ギルロイ&ウィリアム・ブレイク・ヘロン )、第2弾『ボーン・アルティメイタム』(2007年、ポール・グリーングラス監督、脚本: トニー・ギルロイ &ブライアン・ヘルゲランド )、第3弾『ボーン・スプレマシー』(2004年、ポール・グリーングラス監、脚本: トニー・ギルロイ &スコット・Z・バーンズ&ジョージ・ノルフィ )までは、ロバート・ラドラム原作のCIA暗殺者のスパイサスペンス&アクション3部作で、同じポール・グリーングラス監督でした。第4弾『ボーン・レガシー』(2012年、トニー・ギルロイ監督、脚本: トニー・ギルロイ&ダン・ギルロイ)で、これまで脚本を書いていたトニー・ギルロイが監督を務めている。シリーズ第5弾の『ジェイソン・ボーン』では、ポール・グリーングラス監督が脚本も書いて、マット・デイモンとコンビが復活してます。


映画のストーリは、主役に絡む女を押さえろ、すっきりするぜ…が、私のシネマセオリーです。CIAの元同僚だったニッキー(ジュリア・スタイルズ)が、ジェイソン・ボーンに接近する。CIAが世界中を監視・操作するため、大手コンピュータ開発会社のCEOを恫喝協力させて、市民を監視するプログラムを立ち上げという極秘作戦計画のことと、それに。ボーン自身も依然記憶の中で謎のままで苦悩している過去の真実を告げるー。そこに、再びCIAの情報担当官の新任女性・CIAエージェントのリー(アリシア・ヴィキャンデル)が、ジェイソン・ボーンに接近する。

それにもう一人、CIA長官を演じるロバートデューイ役のトミー・リー・ジョーンズがこの映画の曲者でした。この4人で映画のストーリは動いていました。娯楽アクション&スパイ映画としては、極めて面白かったです。マット・デイモンが好きならば、観たらどう・・・。

その作品全貌を知りたい映画ファンは、第一作目からDVDを是非鑑賞してください。そうそう、10/11~13にテレビ東京でもシリーズ第一弾「ボーン・アイデンティティー」から3部作すべてを放映していましたーね。あれはもう見ましたか???


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「グッドモーニングショー」のメインキャスター澄田真吾(中井貴一)は、朝のワイドショーを放送中、都内のカフェで人質立てこもり事件が発生、早速ワイドショーも事件の生放送を開始する。がなんと驚くことに、ほどなくして散弾銃と爆弾を持った立てこもり犯・西谷颯太(濱田岳)から「澄田を呼べ…」と要求されていると知らされる。2本目は、番組の女子アナ・小川圭子(長澤まさみ)からは不倫をばらすと囁かれ、プロデューサー(時任三)からは番組降板を告げられたるなど、民放ワイドショーの内幕と制作秘話をとことん喜劇化した『グッドモーニングショー』(2016年、君塚良一監督)でした。


初めは、先日公開されてこの映画ブログでもコメントを載せたジョディ・フォスター監督の『ネーモンスター』の二番煎かなと思いました。リー・ゲイツ役のジョージ・クルーニーが生放送で放送スタジオの立て

こもり犯をインタビューするという設定は、「グッドモーニングショー」の発想そのものでしたから。二枚目の俳優なのに何故か、中井貴一独特の喜劇的雰囲気と演技は彼の持ち味ですーね。君塚監督のヒット作です。


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3本目は、福山雅治が都城静という借金まみれで、遊び人芸能人のスキャンダルをお金のために追いかける「中年パパラッチ」役で大衆週刊誌「SCOOP」のフリーカメラマンを果敢に演じる『SCOOP!』(2016年、大根仁監督)でした。


言わずと知れた大根仁監督の「モテキ」ー、女にもてない冴えない男が突然に女を惹きつけて持てる男になる恋愛ドラマ「モテキ」…、今や若者たちの人気職業に数えられる漫画家の裏方助手ー、明日はヒット漫画家としてデビューする夢を抱く漫画家のアシスタントを描いた「バクモン」…、大根仁が選んだ男の世界は、どれもこれも、若者たちが会社勤めのサラリーマンになって結婚して家庭を持って、定年退職までコツコツ働いて老いてゆくか、それとも丁半博打のように一攫千金の成功者か、それとも夢破れて借金の末に自殺するか公園の茂みでホームレスになって野倒れ死になるか、恰も人生の賭博場のように夢に掛けるかどうか…。大根仁が描く夢の世界は、子供たちが憧れる将来就きたい職業の中の一つではないのかな…。例えば「漫画家」、「サッカー選手」、「医者」、「プロゴルーファー」、「落語家」、「パティシエ」、「モデル」、「俳優」、「小説家」…などです。大根仁が身を置いている映画監督などもその一つです。大学のサークル活動の「映画部」でエンジョイした体験が忘れられず、長い下積みの助監督で脱落する人も多い職業です。「プロカメラマン」なども、初めは自分のカメラを買って自分のアルバムに張っていた趣味の世界から、カメラの専門学校に入学して、プロカメラマンの小間使いのような助手の貧しい生活で脱落するセミプロも数多くいます。ある意味厳しい世界であり、成功して世に出るか、失敗して世間の脱落者になるかー、人生のサイコロゲームですーネ。今回の大根仁が描く、生きる意義を見つけるたるに足掻きもがくバクチの舞台は、週刊誌の編集部のプロカメラマンでした。出版業界もまた泥臭く、売り上げ部数の競争と売り上げ利益が支配する世界です。芸能人や政治家などのゴシップを執拗に追いかける嫌われモノの世界です。でも、非情に面白かったです!!!


ただ私は最近福山雅治に「嫌悪」してます、何故か。彼のマンションにファンが合いカギを使って侵入して、彼の愛用のギターを弄っていた(盗もうとした?)時、発見され住居侵入罪に問われた中年女性の宮本万里子被告(48才)の事件です…。しかもそのマンションのコンシェルジュでしたので、余計に芸能ニュースで騒がれました。熱狂的なファンの衝動的な犯行ですから、普通ならば単に罰金刑ですよー。だが、検事席では懲役1年を求刑しています。既に初公判が終わり結審を待つばかりです。執行猶予付きの懲役なのかなー。彼のコメントは、「きちんと懲役刑を受けてほしい…」でした。ファンに対して、それは非情な態度だろうーヨ!!!。


でも、よりによって自堕落で女好きな中年パパラッチ役にー、女が抱かれたい俳優、コンサートはいつも満員、ヒット曲を連発しているフォークシンガー、リスナーも多い人気深夜放送のパーソナリティー、福山雅治がカメラ好きなのもまた有名ですが、彼をこのダーティーな作品の主役に抜擢するなんで、驚きました。180度のイメージ転換ですーね。でもね、もういい歳なんだからアイドルから卒業して、吹石の産んだ嬰児を抱いた時に、その哀れな独身女性の私生活を心配しろよ・・・ナ!!!


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静岡の郊外で小さな金属ブレス工場を営む、鈴岡利雄(古舘寛治)とカソリック教徒の妻・章江(筒井真理子)と、オルガンを習う10歳の娘・蛍(篠川桃音)の3人で穏やかに暮らす家族に、ある日、利雄の古い知り合い、実は服役していて刑務所帰りの草太郎(浅野忠信)が現れる。殺人の共犯仲間・利雄のことを隠してすべての罪を背負った草太郎に対して、罪悪感なのか、利雄は彼を工場で雇い自宅の空室に下宿させるなどの世話をする。


が、何があったか分からないが、妻・章江との不倫を拒まれた草太郎は、こともあろうに愛娘の蛍を障害の残る致命的な怪我を頭にさせる…。簡単に言えば、平凡な夫婦の家庭を崩壊させた前科者の謎めいて衝動的な復讐劇の犯罪映画『淵に立つ』(2016年、深田晃司監督&脚本)でした。


「歓待」「ほとりの朔子」などでの深田晃司監督の作品は観ていないのですが、原作脚本も深田晃司のようですーね。ただね、敬虔なキリスト教徒の妻・章江の不倫めいたキスや抱擁が変だよー。それに娘・蛍への暴力に辻褄が合わないですーよ。


もともと俳優としての浅野忠信の演技の嫌いな私は、今回の作品もまた、ゲスの極みの犯罪者・草太郎を、時に激情的で時に紳士的な役柄と演技を上手に演じていたのだが、やはり浅野を好きになれないーナ。恐らく、彼の演技を引き出すいい脚本と映画監督が彼を中々見出してくれないのではないのかな。


尚、 誤字脱字その他のために、アップした後で文章の校正をする時があります。予告なしに突然補筆訂正することがありますが、ご容赦ください…












10月下旬特選映画【25】★映画のMIKATA「永い言い訳」★映画をMITAKA

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10月下旬の特選映画をアップロードします。今回5本を映画館で観賞、今月10月は通算で、『真田十勇士』、『好きにならずにいられない 、★『ハドソン川の奇跡』、『リトル・ボーイ 小さなボクと戦争』、『ジェイソン・ボーン』、★『グッドモーニングショー』、『SCOOP!』、『淵に立つ』、『はじまりはヒップホップ 』、『ロング・トレイル!』、『人間の値打ち』、『ミモザの島に消えた母』、★『永い言い訳』・・・13本を観賞しました。私はつまらないと思う映画を決してオベンチャラで「面白かった」とは褒めません。また、観なかった映画をストーリだけを恰も観たかのようには決して書きません…。その中で私が選んだ特選映画1本は、西川美和監督の『永い言い訳』でした。高齢者がラスベガスで開かれる世界のヒップホップダンス選手権に挑戦するという、いかにも高齢化社会の中で「生き甲斐とは何か?」という現代的なテーマを提示した『はじまりはヒップホップ 』も捨てがたい魅力がありました。でも、最近手を抜いた下らない映画が多い日本映画の中で、『永い言い訳』は、しばし私を考えさせる秀作でした。トラック運転手の大宮陽一役の竹原ピストルは、絶妙な抜擢ですが、一言、蛇足のコメントを加えるならば、主演の小説家・津村啓役は、本木雅弘でない方がよかったです・・・ネネ!!!


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ニュージーランドのワイヘキ島に在住する平均年齢83歳、最高年齢94歳のダンスグループの≪ヒップ・オペレーション・クルー≫が、アメリカ・ラスベガスで行われるヒップホップダンス世界選手権に出場する荒唐無稽なドキュメンタリー風ダンス映画です。1本目は、衰えた手と足と腰の筋肉をまるで太極拳のように動かし、静かにビートするリズムに乗って心を震わせる、ヒップホップダンスを楽しむ老人たちのチームと、激しいリズムと音楽に体をビートする若者たちのヒップホップダンスチームとのコミュニケーションする姿を生き生きと描く痛快無比なダンス映画『はじまりはヒップホップ 』(2014年、ブリン・エヴァンズ監督)でした。


 ヒップホップ (hip hop)とは。「hip」はスラングでかっこいいの意味、「hop」はぴょんびょんと跳ぶという意味で、1970年代のアメリカ・ニューヨークのブロンクス区で、アフロ・アメリカンやカリビアン・アメリカン、ヒスパニック系の住民のコミュニティで行われていた野外のお祭りで、音楽やダンスのみならず、ファッションやアートを含めた「黒人の弾ける文化」という意味を込めてヒップホップと呼んだそうです。


今にも心筋梗塞で倒れそうな高齢者、ちょっと無理をしてコケレバ骨折しそうな老体を、しかも、94歳の元スターダンサー、杖がなければ歩けない元軍人、太平洋での核実験に反対した元平和活動家等々、老人老女たちのプロフィールは、豊かな経験と、新しいことにチャレンジする若々しい精神の持ち主ばかりです…。観ている私たちも心が踊り、老いてもなお輝いて生きるヒントをこの映画から頂いたように思いますーね。スコブル楽しい映画でした。


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アメリカには豊かな自然の景観を楽しめる自然をつなげた代表的な自然遊歩道「ロングトレイル」が3コースあります。一つは、東海岸をジョージア州からメイ-ン州まで14の州を2,160マイル続く「アパラチアン・トレイル」(AT)。一つは、西海岸の3つの州、カリフォルニア、オレゴン、ワシントンをメキシコからカナダまでつながる2,650マイル続く「パシフィック・クレスト・トレイル」 (PCT)。一つは、ロッキー山脈を南北に走り、大陸をまっぷたつに割る全長3,100マイルにもおよぶメキシコからカナダへ続く「コンティネンタル・ディバイド・トレイル」 (CDT)があります。


2本目の『ロング・トレイル!』(2015年、ケン・クワピス監督)は、作家のビル(ロバート・レッドフォード)と、酒好きで型破りな旧友カッツ(ニック・ノルティ)を旅の相棒に、老人二人が「アパラチアン・トレイル」の踏破する険しい自然を歩く冒険映画とも言って良い作品です。実際に、紀行作家ビル・ブライソンの実話を基にした著書が原作のようです。


ロングトレイルがテーマの映画は、この映画ブログでも紹介した『わたしに会うまでの1600キロ』(2014年、ジャン=マルク・ヴァレ監督 )という作品がありました。メキシコ国境からカナダ国境まで、アメリカ西海岸を縦断する「パシフィック・クレスト・トレイル」を3カ月間かけて総距離1600kmをたった一人で歩いた女性シェリル・ストレイドが主人公でした。この映画『ロング・トレイル!』を駄作とは言わないが、私はどちらかというと、こちらの作品『わたしに会うまでの1600キロ』の方が面白かったです・・・ネ。


日本にもこんな自然遊歩道「ロングトレイ」コースがあるのでしょうかーね。日本ロングトレイル協会(http://longtrail.jp/ )があって、40年以上前に厚生省の提言によって、長距離自然歩道の整備が全国に、東海自然歩道、近畿自然歩道、九州自然歩道、中国自然歩道等々のコースが作られたようです。


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3本目は、クリスマスイヴ前夜、イタリア・ミラノ郊外で起こったひき逃げ事故、ホテルでクリスマスパーティーの後始末をして自転車で帰る従業員を跳ね飛ばして、救護活動もせずにひき逃げして死亡させる交通事故をきっかけに、経済格差のある3つの家族と家庭に隠されたトラブルと秘密があばかれてゆくイタリア映画『人間の値打ち』 (2013年、パオロ・ヴィルズィ監督&脚本)でした。


不動産店経営のディーノ(ファブリッツィオ・ベンティヴォリオ)の娘・セ

レーナ(マティルデ・ジョリ)と、投資ファンド会社でして成功している父親で、富豪のジョヴァンニ(ファブリツィオ・ジフーニ)の息子・青年マッシミリアーノとは交際していた。二人は、金持ちの子女が集まる高校に通う同級生で、元々は愛し合っているボーイフレンドの間柄でした。卒業祝いのパーティーで、ある夜マッシは酩酊し意識がもうろうとした状態なので、セレーナを携帯で呼び出し、邸宅までの送迎を依頼する。セレーナは仕方なく、マッシの酔いつぶれる会場まで自分の赤い自動車で迎えに行く。マッシを乗せて、狭い深夜の道を送っていく。その途中で交通事故が起こる…。マッシのいつも乗り回す愛車は、ジョヴァンニの妻カルラの名義で、車には事故の傷ついた痕跡があった。警察は、事故車をこの車と特定してひき逃げ犯を捜査する…。街の名士なのでマスコミは騒ぐ、世間の注目を浴びる。でも実際は、青年マッシの愛車を運転していたのは、その夜にセレーナと愛し合っていた不思議な絵を描く逮捕歴のある彼女の恋人であった。更に、一攫千金を目論んだセレーナの父親・ディーノは、欲を張りよりによって銀行から70万ユーロもの大金を借り、ジョヴァンニのファンドに投資する。


ジョヴァンニとディーノ、・セレーナとマッシミリアーノ、それにもう一組、ジョヴァンニの妻・カルラと、老朽化の街の劇場を再建の出資を夫に頼み、劇作家や評論家を集めて運営委員会を立ち上げるカルラが、その一人の劇作家と不倫する。 原作はスティーヴン・アミドン「Human Capital」。イタリアのアカデミー賞といわれるダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞の7部門で受賞したパオロ・ヴィルズィ監督の、ややサスペンス風の作品です。「人間の価値」という題名に初め、私は哲学的な内容を想像していたが、ストーリは事故死した中年に与えられた保険金の「お金」のことを意味していた。一人の人間の命の値段は、保険金であるーということです。でも、何故ここまでの人気を博し評価をイタリアで得たのか?そこには、リーマン・ショック以降、イタリアでも経済が落ち込み、銀行の不良債権と国の借金によって、国内全体の経済も雇用状況冷え込んでいたという社会背景があったからです。投資ファンドを経営するジョヴァンニの会社が破産のもこれが原因です…。


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4本目は、30年前にフランス大西洋にある島「ノアールムーティエ島」の、冬にミモザが咲くことから別名「ミモザの島」の海上の道「パサージュ・デュ・ゴワ」の満ち潮に、自動車の中で溺死した母親の事件の謎を、幼いころに経験して40歳になっても引きずっていた息子のアントワン(ロラン・ラフィット)の記憶は、当時の状況と事情を口を頑なに閉ざしたまま、父も祖母も誰も明かそうとはしない母の死の真実と謎を執拗に調べるフランス映画『ミモザの島に消えた母』(2015年、フランソワ・ファヴラ監督&脚本)でした。いやや、いかにもフランス映画の雰囲気ですよ・・・。


今、DVD特選映画で«ナチズムとホロコースト»でとりあげる『サラの鍵』の原作者タチアナ・ド・ロネの著書を基に、フランソワ・ファヴラ監督が映画化した。ヒューマンサスペンス風で探偵小説のような作品ですが、「フランス映画祭2016」にも上映された「愛」を追求したイイ雰囲気の映画です。特に登場する女性俳優たちが美しいです。謎を明かしてしまえば、30年前の母のもう一つの顔は、若いころに絵を習っていた美しい女性画家の同性の恋人と駆け落ちしようと追いかける悲しい禁断の愛の秘密があった。それを一緒に暮らしていた祖母は無理矢理に離別させたのであつた…。


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妻をバス転落事故で突然亡くした小説家・津村啓、本名衣笠幸夫(本木雅弘)は、妻・夏子(深津絵里)が他界したものの、少しも泣けない。同じバス事故で命を落とした妻の親しかった遺族家族と、トラック運転手の夫・大宮陽一(竹原ピストル)と会い、以来、大宮の団地に通い、覚めた愛情しか残ってなかった罪滅ぼしのために、幼い子供たちの世話をすることになる。5本目は、喪の途上にある作家の懺悔の時間を描いた『永い言い訳』(2016年、西川美和監督)でした。


『蛇イチゴ』『ゆれる』『ディア・ドクター』『夢売るふたり』…第5作目となる「永い言い訳」ですが、笑福亭鶴瓶が無医村に赴負かした医師を演じた「ディア・ドクター」(2009年)、松たか子と阿部サダヲが結婚詐欺に手を染めると「夢売るふたり」(2012年)は、未だに私の記憶には、これは傑作だな…と想う作品でした。


私はしばらく考えたのですが、何か一貫した監督のテーマがここにあるのかな??? 「医師」免許はないが、山奥の無医村の村人から親しまれた伊野治(笑福亭鶴瓶の魅力で)を通して、医師とは何かを描いたこの作品は確かに面白かったな…、小料理屋を営む夫婦が火事で全てを失ったことから始めた結婚詐欺で、詐欺に引っ掛かりでお金を騙された女を通して、複雑怪奇な男と女の関係を描き出したこの作品も確かに面白かったな…。また、敢えて仮面夫婦の「愛」を偽装した幸夫の結婚生活や、亡き妻への喪失感を引きずるトラックドライバーの大宮の家族と子供たちをとことん描き、「家族」について考えさせる不思議な雰囲気を持ってる作品だよな…。そこにあるのは、大きな災害で突然家族を失った人の悲しみの「喪失感」はどのようにして癒されるのか・・・???、阪神淡路大震災、東北大震災、熊本地震など、大きな自然災害が昨今続いてますが、観光バスで高速道路で崖へ転落したという事故も近頃目立って連続してましたーね。いわば現代ならでは交通事故ではないのかな、と思いました。敢えて共通のテーマは、人間の中で個人を支えている不動で堅固な価値観の突然の消滅、夫婦の絆と信頼、医師と患者の依存と信頼などが突然に崩壊する時、喪失を癒やすものは「何か?」…が一貫してるテーマなのかな・・・???丁度、私の本棚の見えるところに心理学者の野田正彰氏の『喪の途上にて/大事故遺族の悲哀の研究という昔読んだ本がありましたー。もう一度読みたい題名の本ですーね。


原作、脚本、監督まで自分がすべて手掛けている西川美和監督なので、流石に無駄なシーンがなくて、どのシーンも計算された文脈の中で映像を作っているなーという感想を持ちました。がけれども、妻が亡くなった後、髪ボウボウの長髪を、葬儀の時に幸夫の不倫と情のなさ愛情のなさを攻めた妻の美容院の女性のお店に、伸びた髪をカットしてもらうシーンは、何の意味があるのかな???と胡乱に思いました。私はてっきり新しい愛人かなーと想っていたのですがーネ。


もう一つ。トラック運転手の大宮陽一役の竹原ピストルは、役者の絶妙な抜擢ですが、一言だけおまけのコメントを加えるならば、主演の小説家・津村啓役は、本木雅弘でない方がよかったです・・・!!!彼は独特の「好青年」のイメージが固定している。剽軽で誠実で知的な俳優は、もっとぴったりの男優がいるよーね。


蛇足をもう一つ。初めに「永い言い訳」の結末は何かなーと期待していたのだけれども、まさかそれが小説家・津村啓がスランプの末の書いた新しい小説の、今の自分が遭遇した苦難を乗り越えた小説の題名だとは想像しませんでした…。私はてっきり、愛情のない結婚と不倫していた時の亡くなった妻への罪悪感から逃れるために、バス事故にあった遺族の家庭を援助している一連の事なのかな、と思っていました。それが小説の新刊本の題名かよ…と、些か興ざめでした…!!!


尚、 誤字脱字その他のために、アップした後で文章の校正をする時があります。予告なしに突然補筆訂正することがありますが、ご容赦ください…







10月DVD特選映画【26】★映画のMIKATA「ソフィーの選択」★映画をMITAKA

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DVD特選映画のテーマ「ナチズムとホロコースト」を暫く休憩してましたが、時間の余裕のある時には、DVDを頻繁に見ています。まあ、およそほとんどのホロコースト関係のDVDは観たかな・・・という所まで鑑賞しました。

アイヒマン・ショー 歴史を映した男たち」(2015年公開、ポール・アンドリュー・ウィリアムズ監督)と、「ソフィーの選択」(1982年公開、アラン・J・パクラ監督&脚本)の2本が、嬉しいことにレンタルビデオとしてリリースされましたーネ。特に「ソフィーの選択」は観たくてももDVDがずっと廃版となってました。勿論、私はさっそく借りて観ました、期待通りの名作でした。


ナチスのユダヤ人収容所・アウシュヴィッツにいた経験がある一人の女性・ソフィー (メリル・ストリープ) の悲劇を描く、ホロコーストを題材に取った作品です。二人の子供と共に彼女は収容所に送られるが、その時、小さい妹と長男のどちらかの命を助けてやるから、一人を選べと、ドイツ軍将校から言われる。彼女は泣き叫ぶ妹をガス室に送った…。収容所の所長は、彼女の美貌と才能にほだされて自宅内の執務室で秘書を命じる。子供の命を捨てたことが、ソフィーのトラウマとなっていた。これがこの映画の主旋律です。さて、もう一人作家になることを夢見て乏しいお金をもって、故郷の南部の田舎からニューヨークのブルックリンに辿り着き、「ピンク・パレス」と呼ばれる壁から天井まで何かもピンク一色に塗られたアパートに荷を解いたスティンゴ(ピーター・マクニコル) という青年がいた。そこで成熟したソフィー と、彼女と同棲しているネイサン (ケヴィン・クライン) と出逢う。後々、スティンゴはソフィー と共に故里の農場で結婚して、子供を作って一緒に生活しようと誘うのだが…。「私は母親にはなれない」と言って、ネイサンの元に戻るのだが、彼のベットの中で心を病んだネイサンと共に心中自殺する…悲しい結末で終わるのだった。私は『愛を読む人』とともに、«ナチズムとホロコースト≫の名作の一本と見ています。


学生時代に観て忘れられない名作があと一本、「ナチズムとホロコースト」関連の映画で、既にこれも絶版となっていて、観たくてもなかなか観れない映画がありました。ストーリは、ナチ残党の追及を逃れて、身を隠す為にホテルの夜番のフロント係として働く元ナチス親衛隊マックス(ダーク・ボガード)の前に、今は著名な指揮者の妻となって現われるユダヤ少女ルチア(シャーロット・ランプリング)と偶然再会するのだが、収容所での恐怖心よりも、残党として捕縛される危険があるのに、ルチアは陶酔し、マックスはその成熟した性の虜に再びなる「愛の嵐」(1973年公、リリアーナ・カヴァーニ監督) という作品です…。最近、ブルーレイ版が10/28にリリースされるという情報を見ました。これも私は楽しみに待っています…。








 




11月上旬特選映画【27】★映画のMIKATA「奇蹟がくれた数式」★映画をMITAKA

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11月上旬の特選映画をアップロードします。今回11月は『スター・トレック/BEYOND』、『われらが背きし者』、『奇蹟がくれた数式』、『何者』…通算で4本を観賞しました。名作傑作映画が押し競饅頭状態で、実りの多い霜月です。頬をなでる朝の風が急に寒くなりました。私の「休業」はいつ終わるのかな…?。再び、横浜地下鉄・坂東橋で降りて、南区役所の防災センターに帰る日は何時なのかな???次第に映画館「ジャック&ベティ―」から足が遠ざかりました…!!!今月も「ジャック&ベティ―」で観たい作品がたくさんあります。「ダゲレオタイプの女」「だれかの木琴」「ソング・オブ・ラホール」は、必見カナ。邦画も洋画も、そろそろアカデミー賞狙いの映画が公開され」る時期デスーね。私が選んだ特選映画1本は、『奇蹟がくれた数式』でした。


最近映画のおしゃべりが聞きたくてfm那覇78.0mhzの「なーりーの星空シアター」という番組を聞いてます。この番組で『沖縄を変えた男』という沖縄の高校野球の映画なんだけれども、初めて知りました。ガレッジセール・ゴリさんが主演しています。ただ、上映館を調べて見ると神奈川県内ではやってないんだよね・・・。女性のパーソナリティーが映画についての話題を毎週木曜日20:30-20:56にオンエアしてます。もうちょっと長く1時間ぐらいは聞きたいよね!。ポッドキャストでも聴けます…、一度お立ち寄りのうえ耳を傾けてください。本当は≪ジャック&ベティ―」≫か≪チネチッタ≫か≪川崎アートセンター≫で上映してほしいですーネ。そろそろ沖縄の作家か監督が、沖縄と米軍基地を小説か映画にして、沖縄から「本土」に発信してほしいです…。放送の感想メールを届けると喜ぶかもしれません。下記アドレスをご参照ください。

http://www.fmnaha.jp/podcast_detail.php?program_id=68













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本目は、≪パワーストーン≫をめぐり、ジェームズ・T・カーク達はエイリアンたちに襲撃され、エンタープライズ号は破壊され、避難のためにカプセルで脱出する向った先は、宇宙基地≪ヨークタウン≫であった。この宇宙基地でエイリアンに対して逆襲する『スター・トレック/BEYOND』(2016年、ジャスティン・リン監督、原作:ジーン・ロッデンベリー、脚本:サイモン・ペッグ他)でした。

 

新シリーズの今作第3弾では、前2作のJ・J・エイブラムス監督は製作側に回り、監督は『ワイルド・スピード』などの製作でメガホンをとったジャスティン・リンが務めた。正直言って、余りに長いシリーズなので、私はこういう作品は嫌いです・・・。だってね、もはや、ブラックボックスとか銀河系とかビックバンに関する宇宙論は、いまだ神秘の謎に包まれてはいるが、「ロマン」のままで「無限の宇宙」の前に科学は躊躇して平伏している訳ではありませんから。常に科学の解明は進んでいます。でも、昨今の「スタートレック」の宇宙論は、この「無限の宇宙のロマン」のままで、科学は「神」に跪ずいてる気がしました・・・。「スタートレック」も「スターウォーズ」も、最早、陳腐な宇宙の冒険ロマンしか残っていないのではないのか・・・ナ?アメリカの天文学者、SF作家であり、コーネル大学教授としてNASAの惑星探査の指導者であったカール・エドワード・セーガンが、『コスモス(COSMOS)』(1978年~1979年にKCETが制作放送)や『コンタクト』(1997年公開、ロバート・ゼメキス監督、マイケル・ゴールデンバグ 脚本)の製作に参加したように、ノーベル賞クラスの天文学者や物理学者が参加したSF映画を制作すべきではないのかな…!!!


全編を詳しくもう一度見ないと、私は今作は・・・となんか書こうとすると、言葉が詰まってしまいます。昔々は欠かさずにTVでウィリアム・シャトナーの「スタートレック」を見てましたよ。あの頃のTV版は見るのが楽しかったです。でもね、シリーズが長くなると、ストーリが複雑になり、ゴチャゴチャして来る。しかもクルーの俳優が多くなって、ストーリがコンガラガッテ来るんですーヨ。それが嫌いなんです。勿論、J・J・エイブラムス監督の第一弾『スター・トレック」(2009年公開)、第2弾『スター・トレック イントゥ・ダークネス』(2013年公開)は観ましたよ…。デモなんか、レナード・ニモイ監督が懐かしい、カーク船長役の若いクリス・パインが未だにどうしても馴染めないのですーよ。


2

イギリスで「詩」を教えている大学教授ペリー(ユアン・マクレガー)と、その妻で敏腕の「弁護士」ゲイル(ナオミ・ハリス)は、不倫の末の険悪な夫婦仲を修復しようと、モロッコでバカンスを楽しんでいたのだが、その夜に立ち寄ったバーで、ロシアンマフィアのディマ(ステラン・スカルスガルド)と偶然知り合いう。2本目は、初対面のディマからその夜のパーティ―に付き合えーと誘われ、やがて彼から、マフィア組織の資金洗浄をめぐる情報の入ったUSBメモリーをイギリスの空港に到着した時にMI6に渡してほしいと、危険で無謀な依頼を受けるスパイ映画『われらが背きし者』(2016年、スザンナ・ホワイト監督、 原作:ル・カレ)でした。


ジョン・ル・カレといえば、英国の秘密情報に勤務して、後に作家となった経歴ゆえに、その稀有な本格的諜報活動のキャリアと経験から、スパイ小説を次々に書いた作家です。『寒い国から帰ってきたスパイ』(1963年刊行)は、マーティン・リット監督によってス映画化され、私も以前DVDを観賞しました。

 

イギリスの下院議員を何人も抱き込み、国益を左右する銀行さえも組織の末端として捲き込む巨額の汚れたロシアンマフィアの資金洗浄のストーリは、ストーリそのもので魅了するスパイ小説でした。ただ、米ソの冷戦時代も終わった21世紀は、「スパイ活動」という国際舞台の魅力が半減した。『れらが背きし者』もまた、『寒い国から帰ってきたスパイ』程の手に汗握るハラハラがあまりなかったです。まあ、エドワード・ジョセフ・スノーデンが、日本やフランスなど同盟国を含む38カ国の在米大使館や代表部を米国家安全保障局が盗聴してきたことを暴露した「スノーデン事件」は、スノーデンが国外へ亡命するなど時の国際ニュースになった。やはり古臭いスパイ合戦だな…と感じる時代ですからーね。もしもスパイ合戦によりリアリティーを着色するスパイ映画ならば、やはり中国共産党中央委員会総書記の習近平や、北朝鮮の最高指導者「金 正恩(キム・ジョンウン)」や東南アジア、特に話題の多いフィリピンのドゥテルテ大統領や、未だ軍事政権の強いミャンマー連邦共和国のトップを盗聴をしないとね…。いやや、アメリカはひょっとすると彼らの寝室にもう既に盗聴器を隠しているかもしれませんーね。


3


イギリスの植民地だったインドの極貧のバラモン階級の家庭に生まれ、独学で数学の難問を研究した数学の天才といわれたインド人青年・シュリニヴァーサ・ラマヌジャン(デヴ・パテル)は、ケンブリッジ大学のイギリス人数学者G・H・ハーディ(ジェレミー・アイアンズ)に自分の数学論文の片鱗を手紙に書いて届けた。後々、数学者G・H・ハーディは、ラマヌジャンの、驚異的な数学の才能を見抜き、彼をケンブリッジ大学に招聘した。3本目は、教授とインド人青年との篤い友情を描いた数学史上の秘話を映画化した『奇蹟がくれた数式』(2015年、マシュー・ブラウン監督&脚本、原作:ロバート・カニーゲル『無限の天才/夭逝の数学者・ラマヌジャン』)でした。


学位もなく社会的階級も低いインド人青年が、15歳のときにたまたま手にした数学公式集『純粋数学要覧』の古本から影響を受けて、木の棒やチョークで地面に計算式と公式を描き、イギリスの港湾事務所で帳簿つけをしながら数学の研究に没頭した。ところが、無名の青年が次々と閃き、導き出した数学的発見は、数学史上の難問と、学史上未知の「定理」を、証明さえ飛ばして奇跡的に発見した天才…。しかも、ラマヌジャンが瞬間的に閃いた定理は、マギーリ女神が教えてくれた啓示のようなものだという神秘的奇跡的なものであった。。『スラムドッグ$ミリオネア』で出演していたラマヌジャン役のデヴ・パテルが好演でした。後の数学者は彼を「数学の詩人」「インドの魔術師」と呼んだそうだ。数学史上有名なロマンチックなエピソードは、恐らく、アインシュタインを映画にするならば、自伝的なドキュメンタリー風の内容になる筈です。だが、ラマヌジャンを描くこの映画は、彼の天賦の才能と、貧困の末の数学的な「定理」の発見、病気で志半ばで倒れ夭折した光の当たらぬ境遇は、「神の恩寵」と不遇と思いたくなる・・・それくらい不思議な奇跡の物語でしたー。

今年の「アカデミー賞」にノミネートされそうな感動的な名作でした。


4


就職活動を始めた大学生が四人、部活の舞台で脚本と俳優を続け、友だち仲間をいつも冷静に分析する覚めた若者で、就活のために演劇を引退する拓人役の佐藤健、光太郎の元カノで、拓人が恋心を寄せるが一線を越えない友達付き合いの時、光太郎に先に恋人に獲られる。後に父親の不倫で夫婦別れとなり母親と暮らすようになる最も質素な良妻賢母型の女子大生・瑞月役の有村架純、拓人の部屋の上に住んでいた帰国子女で、一流企業よりも自分の能力を発揮できる企業へ就活を続けるモダン女子大生・理香役に二階堂ふみ、拓人のルームメイトで、バンド演奏でギターとボーカルに青春を燃やしたネアカな、もっとも現代大学性らしい天真爛漫な光太郎役に菅田将暉、でも就活では真っ先に内定を決めた。理香と少し前から同棲中で、大学を一年休学しつつ「個」の能力を開発したいと雑文を書いて寄稿している、就活とは距離を置いているクリエイター志望の隆良役に岡田将生、理系の大学院生で、拓人のアルバイト先の先輩でもあり、皆を客観的に見ているやや年上の山田孝之・・・。4本目は、現代大学生の就活の生態観察記であり、これから就職して企業の一歯車として働く学生の姿、社会人になる直前の複雑な意識調査でもある『何者』(2016年公開、三浦大輔監督&脚本、朝井リョウ原作、川村元気企画)でした。


早稲田大学在学中2009年に、『桐島、部活やめるってよ』で、高校生の初々しい生態を描いて、第22回小説すばる新人賞を受賞、華々しくデビューした朝井リョウです。その作品は直ぐに吉田大八監督、神木隆之介主演により映画化されました。出版社の広告塔としての並々ならぬ後ろ盾がなくては、才能以上の不可能なトントン拍子の出世だな…と、嫉妬深い私は勘繰ってしまいます。この映画は私のブログでも批判的なコメントを載せたことがありました。更に、2012年11月に刊行された『何者』(新潮社)で、平成生まれの作家・朝井リョウ(本名:佐々井 遼、27歳)は、第148回直木賞を受賞・・・、直ぐに今回、三浦大輔監督&脚本によって『何者』は、映画化されました。もはや、朝井リョウは直木賞受賞作家で、押しも押されぬ一流作家になったな…!?。私には27歳の朝井リョウの直木賞は早すぎるーナ、尚且つ、精一杯の人間観察かなーと感じました。でもねーもっとゆっくり自分を作家として、体験を積んで、才能をもっと磨いてもいいのではないのかな…。確かに、緊張した面接の風景はTVドラマでよく目にします。学生には身につまされるだろうーネ。でもね、「朝井リョウ」の世界は、限られた学生生活と、出版社内しかないのかな???小さい小さい…ヨ!!!


気になったのが大学の演劇部で拓人と一緒に活動して、就活をせずに新しい劇団を立ち上げて、一か月に一回公演している演劇仲間の烏丸の輪郭と姿が曖昧ですね。拓人がラストシーンで企業面接で志望動機を1分間で発表する中で、彼は面接官の前で幾度か途中で言い淀んだー。「すいません…彼の公演を初めて観に行きました…見ていて恥ずかしかったです…すいません1分間ではとてもまとまりません…」とつっかえて中断した。やはりその後で、彼の心にわだかまっていた心意は、「公演は自己主張の塊のような演劇でした。でも表現したい≪個性≫を持っていました、私も彼のように生きたいです…≫と、言いたかったのかな???何よりも、でも劇中の舞台に私は目を見張りました、素晴らしい前衛的肉体表現です。寧ろ、劇団演出家の三浦大輔監督の生き方と大作なのかな、という感想です。


尚、 誤字脱字その他のために、アップした後で文章の校正をする時があります。予告なしに突然補筆訂正することがありますが、ご容赦ください…





11月上旬特選映画【28】★映画のMIKATA「手紙は憶えている」★映画をMITAKA

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ここ2-3年で「ナチズㇺとホロコースト」に関する映画が多く公開されています…。私が見た映画を挙げて見ると下記のように10本近くなりました。製作年月日と公開日の日付が多少ずれていますが、海外では既に公開されているが、日本では未公開で、最近になってようやく公開された作品もありますからーネ。私が気になっている日本未公開の「ナチズㇺとホロコースト」の関連で一本是非観たいと思っている作品『The Last Days(日本未公開)1998年』があります。このドキュメンタリー映画では、スウェーデンの外交官で、外交官特権を利用して自分の事務所に逃亡して来たユダヤ人を匿い、反ナチスの地下活動を行っハンガリー系ユダヤ人でラウル・グスタフ・ワレンバーグが登場します。ワレンバーグの助力で、約10万人のユダヤ人が救出されたという。ホロコーストから生還した5人の証言者の一人が、後に米国の下院議員に選出されたトム・ラントスであった。偶然下記のサイトで知りました。是非とも日本で公開してほしい作品ですーね…!!!

http://www.strawberryplanet.net/blog/blog/2012/12/16/thelastday/


①『顔のないヒットラーたち』 (2014年公開、ジュリオ・リッチャレッリ 監督)

②『奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ』 (2014年公開、マリー=カスティーユ・マンシヨン=シャール 監督
③『あの日のように抱きしめて』 (2014年、 監督クリスティアン・ペッツォルト)

④『黄金のアデーレ 名画の帰還』(2015年公開サイモン・カーティス監督。)

⑤『杉原千畝 スギハラチウネ』 (2015年、チェリン・グラック 監督)
⑥『アイヒマン・ショー/歴史を映した男たち』 (2015年、ポール・アンドリュー・ウィリアムズ監督)

➆『ヒトラー暗殺、13分の誤算』 (2015年公開、オリヴァー・ヒルシュビーゲル監督)

⑧『帰ってきたヒトラー』(2015年公開、ダーヴィト・ヴネント監督)
⑨『栄光のランナー/1936ベルリン』(2016年公開、スティーヴン・ホプキンス 監督)


私がとり溢した作品もあるやもしれません…、そんな映画が有りましたら、教えてください?!。


そして、先日⑩
手紙は憶えている』 (2015年、アトム・エゴヤン監督)を見てきました。


ストーリは。90歳のゼヴ(クリストファー・プラマー)は、妻を亡くしたことさえ忘れるほど物忘れが進んでいた。ある日、彼に友人マックス(マーティン・ランドー)が1通の手紙を託し、家族を殺したドイツ人兵士への復讐(ふくしゅう)を依頼する。自分と同じくアウシュビッツ収容所の生き残りで体が不自由な友人のために、ゼヴは単身でリベンジを果たそうとするが……。


一番この映画を観て私が感じたことは、ホロコーストから生き残ったユダヤ人たちは、誰も彼も年老いて、その悲劇を伝える歴史の証人たちが少なくなったことです…。家族にも誰にも沈黙して、そのまま亡くなる人が多いようです。この映画の主人公も90歳です。


2016年4月9日放送のETV特集 「エヴァの長い旅 ~娘に遺(のこ)すホロコーストの記憶~」は、15歳の誕生日にナチスに逮捕され、家族と共にアウシュビッツ強制収容所へと送られ、1944年に母親とともに奇跡的に生き残った、オーストリア出身のユダヤ人女性エヴァ・シュロス、86歳の過去を娘に語るドキュメントでした。エヴァの同級生にアンネもいる。戦後、エヴァの母とアンネの父は再婚し、エヴァとアンネは時間を隔てて偶然にも「姉妹」となった。エヴァは娘のシルヴィアにも親子でありながら長い間沈黙していた、という。詳しくは下記サイトをご参照ください・・・!!!多分再放送はないと思うが、一度観賞したいと思うならば、皆さんが直にNHKに要望を伝えてください。

http://www.nhk.or.jp/hearttv-blog/700/241102.html




11月中旬特選映画【29】★映画のMIKATA「湯を沸かすほどの熱い愛」★映画をMITAKA

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10/30に「ハンス・クリスチャン・アンデルセン文学賞」の授賞式が、アンデルセンの生誕地であるデンマーク南部オーデンセで開かれました。受賞者の村上春樹氏は、スピーチで現代社会において「光」だけでなく「影」と共に生きることの必要性を強調した。アンデルセンの異色作『』を取り上げ、…アンデルセンが生きた19世紀でも、われわれの21世紀でも、必要なら影と直面し対決しなければならない…という。でもね、村上春樹さんヨ…、貴方は未だ日本の≪影≫、現代社会の≪影≫を、例えば、長崎広島の「原爆投下と戦争」「沖縄と米軍基地ついても、学校の「苛めと自殺」についても、「天皇制と靖国神社」についても、「男女の性とLGBT」についても、「貧困と格差」についても小説に書いてませんよ…ネ。タモリが「ネアカだな、ネクラだねー」と、芸能人に冗談を言って性格を冷やかしていた時に流行語のように広まりました。が、性格だけでなく、フロイトの発見した「無意識」も≪≫ですね…。社会心理学は個人の潜在意識ばかりでなく「社会的無意識」という言葉も使ってます。映画監督もまた、日本文化の≪影≫を映像化し、対決する課題がありますーね…!!!


さて前倒しで早く掲載します。11月中旬の特選映画をアップロードします。今回は5本を映画館で観賞、通算で9本を数えました。『スター・トレック/BEYOND』、『われらが背きし者』、★『奇蹟がくれた数式』、『何者』、『ソング・オブ・ラホール』、『だれかの木琴』、『インフェルノ』、★『湯を沸かすほどの熱い愛』、☆『手紙は憶えている』…通算9本を観賞しました。選んだ特選映画1本は、『湯を沸かすほどの熱い愛』でした。

1


熟練音楽家たちが伝統的な音楽を演奏する芸術の都だったパキスタン・イスラム共和国の街・ラホールが、タリバンにより音楽の演奏も楽器の所持も何もかも禁じられ。1本目は、政治にる音楽の弾圧に対して、自分たちの生活の手段でもある音楽と、生活の中で生きている伝統的な音楽を求める聴衆を取り戻すため、アメリカのジャズを民族楽器で演奏するジャズ映画『ソング・オブ・ラホール』(2015年、シャルミーン・ウベード=チナーイアンディ・ショーケン 監督)でした。


ジャンルが全く違うジャズを伝統的な楽器で演奏する「サッチャル・ジャズ・アンサンブル」がポール・デスモンド作曲、デイヴ・ブルーベック・バンドのジャズの名曲「Take Five」を演奏するプロモーション映像がインターネットで世界に流れ、膨大なアクセス数をたたき出す音楽史の奇跡です。


2

ごく普通の主婦・小夜子(常盤貴子)は、警備機器会社の営業マンの夫・光太郎(勝村政信)と娘(岸井ゆき)と共に東京郊外に引っ越し、ストーリは小夜子が初めて訪れる美容院で髪を切る。帰宅後に、小夜子の髪を担当した美容師の海斗(池松壮亮)から営業メールが届く・・・という極々、当たり前の主婦の日常の断片から始まる。初め、光太郎が「奥さん、奥さんー」と玄関からずかずか応接間のソファーに座り、小夜子を愛撫し始めるシーンでは、アー、不倫の映画かなーと錯覚しました。だが、2本目は、美容院の海斗から営業メールが届き、小夜子はそれ返信する。理容師とお客の何でもない営業メールのやり取りが、仕舞には海斗のアパートを訪ねたり、彼の恋人・唯(佐津川愛美)のロリータ専門の洋服店を訪ねたり…海斗に対する小夜子の執着が次第にエスカレートする異常心理の女性のサスペンスめいた映画『だれかの木琴』(2016年、東陽一監督&脚本、井上荒野原作)でした。


原作は読んでないので、細部の表現は分析しようがないのですか、二階の窓から聞こえる子供の叩くバラバラな音の連続は子供の心の中の不協和音と、ラストシーンで同じ窓から響いてくる美しいメロディーを弾く木琴の音は、小夜子の心の中の、いや寧ろ家族が元の穏やかなリズムに戻った、心の中の平穏を意味しているのだろうな…????東陽一脚本のセリフでもチョット映画全体を解釈するカギとなるセリフがありましたーネ。私にはやや分かり難かったです。映画の中で会社の同僚たちと光太郎と部長が酒場で飲んでいる時の談笑で、年長の部長が、「女は狂いたがる、男は女になりたがる」、と笑ってました。また、「女の狐憑き」についても部長は興味深いことを言ってましたーネ。昔、民俗学者の「狐憑き」について書かれた本読んだことありますが、狐につかれるのは女性らしいですーね。これは「女の本質」について、原作著者の視点なのかな…???

でもね、あの美容室に現れた3ミリカットして・・・という、後に連続放火魔で逮捕された変人の男は、何の意味があったのかな…???放火魔はよく小説の中で近代人の人間の象徴として素材になりますが、この作品では「何を?」シンボライズしているのかな。男の「影」の部分の何かのナ…破壊衝動カナ・・・変身願望カナ・・・欲求不満カナ・・・征服欲カナ・・・?村上春樹も小説「納屋を焼く」で放火魔を素材にしていますヨネ。


3


ダン・ブラウンによる『ダ・ヴィンチ・コード』及び『天使と悪魔』の続編、第三弾にあたる『インフェルノ』(ロン・ハワード監督、デヴィッド・コープ脚本)を映画化した作品です。3本目は、再び、トム・ハンクスがハーバード大学ロバート・ラングドン教授役で主演、宗教象徴学者の権威らしく詩人ダンテの叙事詩「神曲」の≪地獄篇≫に隠された陰謀・・・、生物学者ゾブリストは、毎日25万人が地球上に増え、今世紀半ばに人類の人口は90億になる・・・、人口爆発の未来を地球の地獄(インフェルノ)と予測した。それを解決するために企んだ怖ろしい策謀を・・・、人類の半分を一掃する死のウィルスを解き放ち、人口過剰の問題を解決しようとする狂ったゾブリストの計画の謎を解き、阻止しようつする『インフェルノ』でした。やはりこの作品も迫力のある謎解きを伴うアクション映画でした。


地獄篇を図像化したボッティチェッリの「地獄の見取り図」や、ダンテのデスマスクの裏に記された暗号を解読するストーリの謎ときの手法は、ダビンチとミケランジェロに絡むキリスト教の謎の『ダ・ヴィンチ・コード』及び、ガリレオに絡む謎の『天使と悪魔』の作品って同じですよね。また、謎から謎へ手がかりを求めて歴史の遺跡ー、フィレンツェ、ヴェネツィア、イスタンブールと究明の旅と冒険を続けるのは、映画の起承転結の制作方法もまた同じですーネ。ダン・ブラウンの知識にも舌を巻くが、ただ、西欧文化とキリスト教へ深い造詣と信仰がある映画ファンでればあるほど、恐らくこの映画の興味と面白さは増幅されそうです…。でも、フジテレビ系のTV放送で『ダ・ヴィンチ・コード』と『天使と悪魔』を観た人は、その文化と歴史の壮大な謎の仕掛けに圧倒されるのは私だけではないでしょうーネ。当然『インフェルノ』も観たいでしょうね。でも、退屈はしません、掛け値なしに一級の娯楽映画です。


4


銭湯「幸の湯」の主である一浩(オダギリジョー)は、チョットパチンコ屋へいてくると言って1年前にそのまま失踪、以来行方不明で、銭湯は主の蒸発によって休業になっていた。後に残された妻の幸野双葉(宮沢りえ)と、娘の安澄(杉咲花)の母娘は、表面的にはつつがなく平和な日々を送っていたが、実は、安澄は学校で同級生数人から執拗な苛めにあって、学校嫌いになっていた。双葉はパート先のパン屋で突然倒れ、精密検査の結果、余命2か月の末期ガンを宣告されてしまう。二人とも表面は何事もない平穏な生活だったが、二人とも深刻な問題を抱えていた。初め、宮沢りえの主演映画で、題名が「~熱い愛」だから、エーへ、濡れ場でもあるのかな…と多少期待して観ていたが、まるで違った。学校の苛めの悪らつな被害から始まり、失踪した夫一浩の所在を私立探偵に調査するシーン、急に末期がんの宣告、失踪先の分かった隣町のアパートに住む一浩を迎えに行く、そこには、小学生の女の子が同居していて、一緒に駆け落ちした愛人はもはや失踪していた、夫を連れ帰り休業中の銭湯を再開させ、小学生の女の子を引き取り家族にして一緒に暮らす…。4本目は、濡れ場のあるお色気いっぱいの映画ではなくて、残り少ない命を燃やす強くて情の深い母を演じる宮沢りえの熱演が見られる『湯を沸かすほどの熱い愛』(2016年公開、中野量太 監督&脚本)でした。ストーリのラストがまた泣けました。実は、幸野双葉も母親から遺棄された捨て児、安澄も一浩が若い時に結婚し、同居していた聾唖者の酒巻君江(篠原ゆき子)が捨てた子供だった。


でも、宮沢りえが第38回の日本アカデミー賞の最優秀主演女優賞を『紙の月』で受賞したのだから、もう一度この作品でオダギリジョが、その演技力を認められて、最優秀主演男優賞を頂いてもイイ俳優だよな…。私は作品賞と監督賞(西川美和)にノミネートしていいかな…と思っています。『オーバーフェンス』他で、彼の千変万化に姿を変える演技には驚いたーナ。そして、宮沢りえの納棺されて花に埋もれた死に顔もなかなか美しかったです・・・ネ。


5


介護施設で過ごす90歳のゼヴ(クリストファー・プラマー)は、妻を亡くしたことさえ忘れるほど認知症が進んでいた。彼と同じ施設に、強制収容所の生き残りで、妻と家族を殺された同じ境遇にあったマックス(マーティン・ランドー)がいた。彼は、罪を逃れて逃亡したアウシュヴッツの親衛隊を告発することをライフワークにしていた。

5本目は、体が不自由で車いすのマックスは、ゼヴに1通の手紙を託し、家族を殺したドイツ人兵・ルディ・コランダーへの復讐と殺害を依頼する。ゼヴは単身でリベンジを果たそうと施設をこっそり抜け出し、ナチズムとホロコーストのドイツ兵戦犯を探す旅に出る映画『手紙は憶えている 』(2015年、アトム・エゴヤン)でした。果たして、ディ・コランダー、本名のオリー・ワリッシュの正体は誰だったのか。ゼヴの腕が握った拳銃は4人の人探しの最後の一人に向けられていた。その時、ゼヴの腕に彫られた囚人番号「78814」と、ルディ・コランダーの腕に彫られた「78813」は何を意味するのか?最後の「エ…?ア…!」と驚くドンデン返しのラストシーンは、観てからのお楽しみで内緒にしておきます…。

尚、 誤字脱字その他のために、アップした後で文章の校正をする時があります。予告なしに突然補筆訂正することがありますが、ご容赦ください…



 

11月下旬特選映画【30】★映画のMIKATA「続・深夜食堂」★映画をMITAKA

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『相棒-劇場版-IV』が来年2/11公開されるようですーネ。私は観たくないーと思いました。というのも、既に TV版の新シーズン『相棒-season15』(脚本:山本むつみ、監督:藤岡浩二郎)第1話が10月から放映されていますが、ちっとも面白くないからです・・・!。視聴率は15パーセント前後をキープしているようですが、私には兎も角、観ていて謎解きの面白さと事件そのものの社会性とストーリ展開があ~と驚くドンデン返しの意外性が全くないからデス。監督が悪いのかな…?、犯罪と刑事ものの脚本にしては、ひねりと謎解きと伏線がないからかな…?主演俳優・水谷豊の知性と、相棒・反町隆史のアクションと行動力の対比が、際立ってないからなのかな…?それとも、もう刑事ドラマの演技の魅力が二人になくなったからなの・・・カナ?、兎も角、社会を犀利に抉った社会性だけはこのドラマから消えました。退屈なストーリが多いということは、視聴者を侮っているのではないのかな? せめて、水道事業の民営化に絡む汚職とかー、トランプ・アメリカ大統領ファミリーがお忍びで日本の観光地に遊びに来るが、その内密の目的は、大統領の娘、才色兼備と噂されるイヴァンカ・トランプさんが日本領事になるための下見で、その警護を特命が名指しで依頼されるとかー、豊洲移転直前に、関係者が自殺した、だが何者かに暗殺される殺人事件だったが、でも内閣府から捜査中止の命令が降ろされる…とかなかとか、政治色プンプンの難事件をストーリに組み込んでほしいですーネ。マンネリ化はもうお断りです。事件は脚本の中で起こされるのではないぞ、脚本のかかれる前に現場で今起こっているんだからーネ!!!


さて、11月下旬の特選映画をアップロードします。今回(№30)は、4本を映画館で観賞、通算で13本を観賞しました。掲載内訳は、『スター・トレック/BEYOND』、『われらが背きし者』、★『奇蹟がくれた数式』、『何者』、『ソング・オブ・ラホール』、『だれかの木琴』、『インフェルノ』、★『湯を沸かすほどの熱い愛』、☆『手紙は憶えている』、『ジャック・リーチャー NEVER GO BACK 』、『ボクの妻と結婚してください』、★『続・深夜食堂』、『この世界の片隅に』…通算13本を観賞しました。その中で選んだ特選映画1本は、『続・深夜食堂』でした。群衆の中の現代人の「孤独」を見事に映像化していました。戦争の悲惨さや、戦争そのものを知らない世代に語りかけているアニメ『この世界の片隅に』も素晴らしかったですーね。1959年生まれ(57歳)の、それこそ戦争も知らない戦後生まれの女性・稲田 朋美が第15代防衛大臣として、自衛隊員の前に戦闘服を着て謁見する姿に、私には平和ボケしている保守政党の世襲政治家たちの滑稽な政治権力へ、特に語りかけてほしい作品だと思いました。

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1本目は、新宿ゴールデン街を思わせるごみごみした繁華街の路地裏に、深夜12時に漸く暖簾を掛けて店の明りが灯る、常連客が自然に集まる一杯飲み屋・・・、だけれども、注文次第で簡単で美味い料理も食べさせ、ひっそと開店する小さな食堂「めしや」・・・、時々問題を抱えた都会の迷い子たちが暖簾をくぐり、そこに座っているお客たちが井戸端会議のように身の上話と身の下話まで、悩みを共有する「深夜食堂」が映画の舞台になった人情映画『続・深夜食堂』 (松岡錠司監督)でした。人情と悲哀にあふれた、市井の人間像の縮図のような何とも味のある映画ですーネ。夜も更けた深夜に今時にこんな飲み屋が実在するのかなーと、空想も交えて社会の片隅にこんな温もりのあふれた幻想的共同体の「ロマン」が現実的にあってほしいなーと思いました。勿論当然、私は映画版のpart1の「深夜食堂」も観ましたよ。当然、深夜のTV放映も観てましたよ…!!!「深夜食堂」のファンと言っては烏滸がましいが、こんな人情ロマンの横溢する世界は大好きです…。


新宿の交差点ですれ違っても、どんなに接近していても全ての人は縁もゆかりもない初対面の他人です。それが都会の群衆です。それを「孤独な群衆」などと洒落た言葉で分析する社会学者も居ました。が、昼間働き疲れ果てた遠距離通勤のサラリーマンも、スーパーのパート労働と家事労働と子育てに追われた主婦も、精一杯働き生きている限りは、そう簡単に日常を捨てられないのが都会人です。みんなみんな、もう布団に潜り込み眠りに入る深夜12時に暖簾を潜る常連たちが、ここの「深夜食堂」のカウンターに座る。その多くは、都会の日常から逸脱した都会の迷い児たち、アウトローです…カネ。続編もまたまた奇妙奇天烈で趣向を凝らした導入のエピソードです。時々現れ、毎晩消える常連たちは、自分の居場所をお店の何処かに見つけていた。ある日、何故か次々とお店にいつものお客が喪服姿で現れる。カウンターには、葬式帰りの黒い正装の人たちがずらりと偶然に並んでしまう。不幸が重なることはあるものでー、とシミジミとお隣席と故人を語り合う。part1では確か、お店に誰かが骨壺を置き忘れるエピソードから始まった…カナ。「死」はハレとケの隙間の非日常の世界、でも何気ない日常に忍び寄る。



その中にまた一人、喪服を着るのが唯一ストレスを発散する儀式だという変わった性癖を持った出版社の編集者・赤塚範子(河井青葉)がいた。喪服姿の彼女もまた常連の一人だった。担当作家の葬儀にいたチョットイイ男(佐藤浩市)にベタ惚れしたが、そいつがまた全国の葬式に出没する香典泥棒で、しかも葬式の旅に必ず新しい女を抱いていた、名うての結婚詐欺であった。幸福を掴んだと思ったとたんに騙される、本当に範子にとっても人生は晴れたり曇ったりです…。


もう一人、夜になると気まぐれに現れる常連に、近所のそば屋の息子・高木清太(池松壮亮)と、彼を女手一人で育てた母親・聖子(キムラ緑子)がいた。清太にはピンポンで仲良くなって結婚を考えている15歳年上の恋人・木村さおり(小島聖)がいた。が、母は結婚に猛反対する。「まだまだ子離れしていないーノヨ」と母は誹られる。子供は大人に成長するが、親は思い出とともに呆けて死ぬだけです…。ある日突然、深夜食堂に老婆を連れて女タクシー運転手の夕起子(渡辺美佐子)と、近くの交番の警察官・小暮 (オダギリジョー)が現れる。どうやら「オレオレ詐欺」に騙されて福岡の田舎からワザワザ、息子の窮状を電話口で訴えられ、「助けてくれー」という悲鳴に20万円携えて急いで上京、ナント息子の会社の同僚という男に現金を渡してしまう。昔に新潟から家出して、この裏路地に流れ着いて、無銭飲食して逃げようとしたが、今はマスターに助けられて老舗料亭で料理人として修行するみちる(多部未華子)は、老婆を自分のアパートに泊めて、甲斐甲斐しく世話をする。 part1もそうだったが、part2もちょっとワケありの怪しい客が現れては消える…。ヤクザもゲイもサラリーマンもOLも、みんなマスターの作る懐かし昭和の味「豚汁定食」や「焼肉定食」で胃袋を満たし、孤独を癒やし、常連客から薄明りのような希望をもらって帰っていく…。中々味のある映画ですーね。


2


かつては優秀なアメリカ軍少佐で秘密捜査官だったジャック・リーチャー(トム・クルーズ)は、、今は華々しい軍歴を持ちながらも退役して、街から街へ放浪生活を送る男であった。ある店で男2人を殴り倒して保安官に連行されそうになる。ここからった彼は、軍内部の組織と軍事産業の何かしらの陰謀に捲き込まれ始める…。元同僚で会う約束をしていたターナー少佐(コビー・スマルダーズ)を軍に訪ねるが、彼女はスパイ容疑を掛けられて逮捕されていた…。2本目は、中東の武器を搾取する陸軍の大将と、軍需産業の絡んだ巨大な陰謀に挑むアクション&ハードボイルドな映画『ジャック・リーチャー NEVER GO BACK 』(エドワード・ズウィック監督)でした。


これまでトム・クルーズのアクション&ハードボイルドな映画といえばイーサン・ハント役でシリーズ化した『ミッション:インポッシブル』(1996年、ブライアン・デ・パルマ監督)でしたが、今回のトム・クルーズ は
、リー・チャイルドの原作小説で、主人公ジャック・リーチャー役の『アウトロー』(2012年、クリストファー・マッカリー 監督)の続編と言っていいです。 リュック・ベッソン製作・脚で、ジェイソン・ステイサムが車と肉体を存分に武器にしたサスペンス・アクション映画『トランスポーター』(2002年公開)シリーズとはまた一味違ったアクションですーね…。ジャック・リーチャー役のトム・クルーズもなかなかの魅力でした、私はイイナと興奮しました。アクション映画の見せ所は、人と人が別れるときの言葉です…、「一人で寂しくないー」「時々ね」ー」
「そんな時にはどうするのー」「・・・」。自分の娘だという女の子を命がけで救った後、少女と別れるときのニクイ会話がありました。私は「シェーン~、カンバック~」と叫びたくなりました。映画の神々は、シーンの中の細部の会話に宿るーカナ。


3

3本目は、バラエティー番組専門の放送作家・三村修治(織田裕二)は、末期のすい臓がんで余命数か月を宣告を受け、仕事をすべて断り、家族のために残す「人生最期の企画」のため妻・三村彩子(吉田羊)のよき結婚相手探すことに奔走する『ボクの妻と結婚してください』。(三宅喜監督) でした。妻の結婚相手は、インテリアデザイナー会社を経営している伊東正蔵役の原田泰造。結婚相談所を営む修治の元仕事仲間の社長・知多かおり(高島礼子)が演じる。


それにしても吉田羊という女優は、近頃TVのドラマにもコマーシャルにも、映画にもよく出演するよね…。美人でスタイルも良くて、演技も素晴らしいからーといえば当たり前すぎます。この映画ブログで最近取り上げた作品だけでも福山雅治がカメラマンを演じる『SCOOP!』の芸能雑誌の編集者役、『グッドモーニングショー』の元局アナで中井貴一演じるテレビキャスターの妻役・・・。ソウソウ、TVで彼女が主演の医療ドラマの「 レディヴィンチ」がありますーね、ナンカ視聴率が落ちたとかなんかありましたが、あれはディレクターの製作手法の拙さが起因です!!!彼女のあの病死した子供の幻想を抱えた、心の「病」を早く明かすべきなんですよ・・・。でないと彼女の魅力が発揮されないでしょーヨ。この映画で放送作家・三村修治の妻役で熱演してい吉田羊の演技をジ~と観察していました。「何が?」この女優の魅力なのかな…???私の答えは、豊かな顔の表情カナ…。良妻賢母の理想的な女ではあるが、貞淑で慎ましい昔風の日本女性ではなくて、少しカラオケで遊んで少しお弁当作りに専念するため台所に立つ今流行の平成の「女」、学生時代の同級生のように家庭で付き合え、学生仲間で一番美人の「妻」というタイプなんだな…。


4


生まれ育った広島市江波から戦時中の呉市へ、18歳のすずは初対面?と同じ若者と結婚、全く知らない家へ嫁ぐ運命となった。4本目は、20キロメートルも離れた呉市の一家に嫁ぎ、戦争と時代に翻弄されるあどけない娘の運命・・・、絵を描くのが大好きで溌剌した少女「すず」を能年玲奈がゆったりのんびりした声で出演しています。瀬戸内海に浮かぶ軍艦の風景を描いていたら、憲兵隊にスパイと怪しまれる…、いよいよ戦火が激しくなり広島に原爆が投下される時局に、食べるものがなくて道のタンポポやせり、ハコベなどの野草を摘んで食膳に出す…など、戦争中独特の不条理な軍部の締め付けや、生きることに汲々していた生活のエピソード等が挿入されています。北條家の主婦として、また周作の妻として、戦禍の激しくなる海軍工廠の街・呉、戦艦大和が造船された軍港の街・呉を攻撃するアメリカ軍の爆撃や終戦後の食糧難を乗り越えて、生き抜いていく賢明な姿を描いたアニメ『この世界の片隅に』(片渕須直監督)でした。


手塚治虫か細川守のアニメ映画しか観ないと私としては、勿論、意図的に『君の名は』(新海誠監督)は観てませんが、珍しく「こうの史代」のアニメ映画のコメントを掲載します。というのも、戦争映画が市民の眼から消えそうになっている日本、まして戦争を知らない世代が多く選挙権を持つ«平成呆け≫が大半を占めている時代に…、子供には残酷だという理由で、原爆映画「はだしのゲン」が教科書から削除される風潮の日本で…、珍しく感動的な戦争映画だったこうの史代の原作アニメの映画化『夕凪の街 桜の国』 (2007年、佐々部清監督) を観て以来、チョット気になる漫画家でした。私は、一貫したテーマを持たない漫画家は嫌いです…。しかも、音楽を担当したコトリンゴのバック音楽の歌声、加藤和彦の「悲しくてやりきれない」がとてもこの映画にあっていましたーネ。私の好きなフォクソングの一曲です。一度、youtubeで聴いてください。

https://www.youtube.com/watch?v=C8IYZkoWodE


 下記addressは、毎週木曜日の夜20:30-20:56にオンエアされる沖縄・那覇からFM電波で放送される映画情報シアター「なーりーの星空シアター」のサイトです。「映画で毎日の生活がよりキラキラと楽しいものになりますように」の願いを込めた映画情報で、ポッドキャストで気楽に簡単に聴けます。11/17放送は丁度、この「続・深夜食堂」の作品紹介を熱く語っています。短い時間なので、ほっと一息の仕事の合間、休憩時間にスマホで聴くのにイイですよ…。

http://www.fmnaha.jp/podcast_detail.php?program_id=68


インフルエンザが流行し始めています。皆さん、お身体気を付けてください。「お茶」を飲んで口腔内をいつも殺菌…ム、いやや予防注射の方がいいか…。私は「パナジュウム」含有のミネラルウォータを一日2リットルをガブガブ飲んで、毎日30分のウォーキングをしてます…。大相撲九州場所も気になりますーネ、豪栄道は、遠藤は、高安の星はどうなる。白鳳はー、鶴竜の優勝はどうなる、稀勢の里はどうしたんだ…、気になることばかりデスネ!?


ナンカ、導入の「相棒」論になってしまいますが、刑事ものや、サスペンスや、事件ものの脚本に是非こんな「庶民」の心配を事件にしてほしいんです―ヨ。最近の映画を見ると、渡辺謙主演の『怒り』(2016公開、李相日監督&脚本、吉田修一原作)にしても、西島秀俊主演の『クリーピー 偽りの隣人』(黒沢清 監督)、三浦友和主演の『葛城事件』(赤堀雅秋監督&脚本)等…過去の何かの犯罪を思い浮ばせる映画が多かったです。やはり、事実は映画より奇なり、脚本の中に事件があるのではなくて、現実の中に事件はある…と言えるのではないでしょうかーね。DVD特選映画で「犯罪と映画」のテーマで連載したくなりました…!!!



 


尚、 誤字脱字その他のために、アップした後で文章の校正をする時があります。予告なしに突然補筆訂正することがありますが、ご容赦ください…


 



12月上旬特選映画【31】★映画のMIKATA「聖の青春」★映画をMITAKA

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漸く私のノートパソコンの修理が終わって、手元に戻ってきましたので、急いで原稿を書いて、12月上旬の特選映画(№31)を急いでアップロードします。今回は5本を鑑賞しました。『オーバー・フェンス』、『ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ/GENIUS』、ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』、『マダム・フローレンス! 夢見るふたり』、『の青春を観賞した中で、選んだ特選映画1本は、将棋映画の『の青春』でした。





棋士の世界を描いた映画は久しぶりに見ました。でも、私にはこの作品が関西の名人・阪田三吉を描いた名作「王将」、特に1948年制作伊藤大輔監督版、阪東妻三郎主演の「王将」を超えているんかどうかが、問題でした。レンタルショップで借りて、私はもう一度見ました。が、残念ながらモノクロの名作はいまだ不朽のオーラを放っていました。この作品を超えようとするのは無理なのかもしれませんが、村山聖という将棋しか知らない将棋一徹の昭和の将棋バカを描いたのは、チャレンジではないでしょうかーネ。松山ケンイチの熱演に拍手です…。函館3部作のもう一本の邦画『オーバー・フェンス』は、残念ながら感動がありませんでした、失敗作カナ…!? 


1


1本目は、函館職業訓練技術校に通学しながら失業保険で生活していて、子供と妻と別れて一人アパートで一日2本の缶ビールを飲み、大工の職訓に通いながら漫然と暮していたる白岩義男(オダギリジョー)が主人公の『オーバー・フェンス(山下敦弘監督、高田亮脚本、佐藤泰志原作、)でした。


出演俳優がオダギリジョー、松田翔太、蒼井優という顔ぶれを見て、先ずは随分ギャラの高い人気俳優ばかり揃えたものだな…と感じました。有名な俳優を出演させても、名作ができるとは限りませんーネ。これまでの監督の作品炭市叙景』(熊切和嘉監督、宇治田隆史脚本)とそこのみにて光輝く』(呉美保監督、高田亮脚本)と比較した時ウーン、ストーリが中途半端で、尚かつ、脚本も盛り上がりがないーよね。ハッキリ言って、役者の「演技」の良さを引き出してない下手くそな脚本とセリフだな…と思いました。特に、オダギリジョーの演技に、佐藤泰志が無念に一生を終えた茫漠感の味を引き出していないなー、ウーン、ちょっと荒削りの演出だな…と感じました!!! 


同じ訓練校の仲間の代島和之(松田翔太)と、たまたま彼に誘そわれたキャバクラで、時々遊園地でアルバイトをしながら生活しているホステス田村聡(蒼井優)と出会い、気まぐれなセックスをする。最後に、訓練校の対抗野球試合で、カッーンと青空を突き抜けて金網を越えて飛んで行った痛烈なホームランのシーンで映画は終わる。このシーンが映画のテーマそのものを表現しているのではない…カナ!。私小説的映画としか言いようがない、どうも歪んだ変てこなラブストーリ?の女性・聡を演じている蒼井優の鳥の「キィーキィー」「ギャオ―ギャオ―へ」と甲高く鳴く声と、走るまわるふざけた擬態は、名演技でした。


舞台が職業訓練技術校というのは、芥川賞を初め様々な文学賞の候補になりながらも、光を浴びることなく作家として「書くこと」に執着しなんがらも、自殺した作家・佐藤泰志らしい舞台だな…と思います。死後に周辺の函館の友人たちの支援と映画化で脚光を浴びた作家…、放っておけば時間の風化と共に忘れられてしまう作家です。国学院大学の哲学科を専攻した佐藤泰志だけあって、どの作品にも妙に「生きる目的」とか「人生の意味」という通奏低音のテーマが流れています。が、最後の最後までその答えを掴まずに終わる佐藤泰志の無念が込められていた…のカナ???私には、彼の無念と虚無感が映画から伝わらなかったです。

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2本目は、1920年代のニューヨークの敏腕編集者パーキンズ(コリン・ファース)と、彼のデスクへ無名の作家トマス・ウルフ(ジュード・ロウ)が処女長編小説「天使よ故郷を見よ」の原稿を持ち込み、出版を請われるという、アメリカ文学にとっては世紀の出会いであり、彼を世に出し一流の作家に育て上げるまでのカリスマ編集者の苦労を描いた文学映画『ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ/GENIUS』(2015年、マイケル・グランデージ監督、伝記小説家A.スコット・バーグの「名編集者パーキンズ」が原作)でした。


F・スコット・フィッツジェラルドやアーネスト・ヘミングウェイらの名作名著を世に送り出してきた編集者・パーキンズと文学者トマス・ウルフとの間は、いち早く未だ原石ではあるが、磨けば光る小説を書くトマス・ウルフの才能を発掘した、単に編集者というよりも、いやそれ以上に彼を家族の一人のように付き合う父親に近い友情関係かな…。近頃の小説の編集者に、こんな人はいるのかな…???どちらかというと、本がベストセラーになるように、TVに出演させて小説家を広告塔にして、タレントなみの人気者にする宣伝の方が盛んのようですーネ。


3


魔法動物学者ニュート・スキャマンダー(エディ・レッドメイン)が、魔法動物の調査のためニューヨークを訪れるが、到着早々、彼の魔法のトランクが、いたずら者の魔法動物によって開けられ、トランクから外界の街へ逃げ出してしまう。銀行に融資の相談に来たパン屋さんの鞄と取り違え、もっともっと大変なことには、魔法動物たちが人間世界を自由に動き始め、人間に魔法の世界と魔法使いの存在を知らせてしまったことでした。


3本目は、街に逃亡した魔法動物を捕まえようと騒動する『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』 (2016年、デヴィッド・イェーツ監督)でした。『ハリー・ポッター』シリーズに≪ホグワーツ魔法魔術学校≫で、魔法生物に関する知識や、約80種の魔法生物の生態と危険度を示した教科書が登場する。いわばこの映画は、この書物がもとになっている『ハリー・ポッター』シリーズの続編のようなものです。


ハリー・ポッター』シリーズの原作者J・K・ローリングが脚本を書いたとすれば、魔法使いと妖術、人間界と大騒動のてんやわんやという、およそのストーリは想像できてしまう映画なので、公開されても今まで直ぐには映画館に行かなかったです…。でも観賞した結果、想像以上の映画ではないし、想像していた通りの凡作でしたーネ。私はもう、魔法使いのワンパターンのシネマは飽き飽きうんざりです…ネ。


4


4本目は、ニューヨーク社交界で上流階級の金持ちの紳士淑女たちと華やかな毎日を送るフローレンス・フォスター・ジェンキンス(メリル・ストリープ)と、夫・シンクレア(ヒュー・グラント)のエピソードの実話を描いたコメディー映画『マダム・フローレンス! 夢見るふたり(2016年、スティーヴン・フリアーズ監督)でした。


フローレンスは若い頃より、親の反対を押し切ってまでもソプラノ歌手を目指して活動、今もその希望を持っていた。しかし、その歌唱力は音痴というしかないレベルであった。ある日、戦争にアメリカが参戦したと聞き、兵士を激励するために自分のオペラをLPレコードに録音して、社交界を初めあちこちの陸海軍などの軍事施設に贈呈した…。そんな中、フローレンスがカーネギーホールで歌いたいと7月25日の会場日程まで予約して、リサイタルに兵士を招待した…。フローレンスの音痴なオペラを聞いた兵士はゲラゲラ笑い、会場は騒然となった…。「ニューヨークタイムズ」の新聞評は、 最悪の酷評であった。夫のシンクレアは、その紙面が目に触れないように、とマスコミを買収したり、

翌日の新聞を買い占めた。


5


5本目は、5歳の時に罹った腎臓の難病「ネフローゼ症候群」によって29歳の若さでこの世を去った天才棋士・村山聖(松山ケンイチ)が、当時の同世代棋士で、対戦相手を破り将棋のタイトルを欲しいままに獲得した羽生善治と間に激しいライバル意識を抱き、最後の最後の対局で羽生との一手で「7-2歩」で村山棋士の勝ちですかーネという、一手で勝利を目前にして負けた将棋映画『の青春』(2016年、森義隆監督)でした。


将棋の映画は珍しいですね、でもやはり将棋映画と言えば私たちにはすぐに、明治から昭和初期にかけて活動した将棋棋士・阪田三吉の「銀が泣いている」の名言を直ぐに浮かべます。字も書けない無学文盲で将棋しかできない将棋極道・阪田三吉でしたが、死後に、名人・王将位をおくられた伝説の棋士です。1948年の阪東妻三郎版、1955年の辰巳柳太郎版、1962年の三国連太郎版と、伊藤大輔監督が主人公の阪田三吉の主演俳優を変えて三回も映画化した名作を思い出します…。村田英雄が歌った「王将」、吹けば飛ぶような将棋の駒に、かけた命―を笑わば笑え…と阪田三吉と、極貧に耐える妻の小春との将棋人生を謡った演歌は懐かしいですーネ。私はもう一度モノクロの阪東妻三郎版見たくなりました…。


松山ケンイチが村山聖により近づくために可なりフックラした体型にまで肥っていた役作りと熱演は光っていました。 「あんたに勝ってもただの一勝だが、羽生に勝つことは20勝にも相当するんだー」と、将棋仲間と喧嘩する聖の勝負魂を、これまでの二枚目俳優を捨てて体当たりで演じていました。見応えがありました。


村山聖も同世代棋士として将棋のタイトルを欲しいままに獲得した羽生善治と間に激しいライバル意識を抱き、目標にしていた。映画の最後の最後のシーンは、1997年のNHK杯戦でした。村山聖の対局は決勝まで勝ち上がり、決勝の相手は羽生であったであった。村山優勢で進み、「7-2歩」で村山棋士の勝ちですかーネという、後一手の勝利を目前にしながら、なんとなんと、術後で体調がすぐれず意識がもうろうとした中、時間切れの秒読みに追われてミス、68手目「7六角」をして優勝を逃がし…というドラマチックなシーンでした。


蛇足ですが、私もへぼ乍ら将棋を指すのが好きなので、同時代の将棋界の話題は、「えー、そうそう、そんなことがあったあったー」と共感するシーンが多かったです。映画の中で、1996年に羽生がアイドル女優の畠田理恵と結婚したニュースは、私も衝撃を受けた記憶があります。


漫画を次々に読み耽る村山聖ですが、新しいマンガを買いに頻繁に書店に立ち寄る聖でしたが、その店の娘とちらりと目を合わせるだけで、大胆に愛情を告白することがなかったーナ。それでいながら、聖は死ぬまでに一回でも女性を抱きたかったーと感嘆し、確か、酒の席で羽生善治にソット打ち明けたシーンがあったな。いかにも女に奥手な若者らしい純情でしたーネ。

 




下記addressは、毎週木曜日の夜20:30-20:56にオンエアされる沖縄・那覇からFM電波で放送される映画情報シアター「なーりーの星空シアター」のサイトです。「映画で毎日の生活がよりキラキラと楽しいものになすように」の願いを込めた映画情報で、ポッドキャストでも、勿論リアルタイムでも聴けます。短い時間なので、ほっと一息の仕事の合間、休憩時間にスマホで聴くのにイイですよ…。12/1の映画の日の放送は、えーえーえヘーびっくり、『この世界の片隅に』でした。


http://www.fmnaha.jp/podcast_detail.php?program_id=68  




尚、 誤字脱字その他のために、アップした後で文章の校正をする時があります。予告なしに突然補筆訂正することがありますが、ご容赦ください…

 



12月DVD特選映画【32】★映画のMIKATA「ナチズムとホロコースト」★映画をMITAKA

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この映画のアンジェイ・ワイダ監督が先日10月9日に死去しました、90歳でした。監督のご冥福をお祈りいたします。第2次大戦中には、侵攻したナチス・ドイツに対する抵抗運動に参加、その後も映画を通して抵抗運動を続けたと言って良いです。晩年まで創作意欲は衰えず、ここ紹介した「カティンの森」、13年には「ワレサ 連帯の男」で再びポーランドの民主化への歩みをとりあげました。


の生涯は骨太の「抵抗」の人でした。1981年には民主化を率いた自主管理労組「連帯」を取り上げた「鉄の男」で、連帯支持を表明、この作品でパルムドール賞を獲得。ポーランドの民主化運動当時は、上院議員を務め、連帯議長から大統領に就任したワレサ氏の諮問機関「文化評議会」の議長にも就いた。アンジェイ・ワイダ監督の「レジスタンスの映画」を引き継ぐ者はポーランドにいるのかな…???


これまでDVD特選映画の「ナチズムとホロコースト」関連のテーマで、過去公開映画をDVDで見た時、或は、新作を映画館で観賞し、既に特選映画としてブログにコメントを載せたものを、以下の作品群に掲載しました。簡単な内容紹介を並べても、一作一作の作品の価値と、ホロコーストでの意味を説明したことにはならないので、可能ならば一つのまとまったテーマとストーリの中で、複数作品をコメントしたいです。今回は「ナチズムとホロコースト」を一度整理するため、映画の題名と監督名と公開年月を資料として併記列挙するだけにとどめました。私自身も、これまで次々に見た映画を忘れてしまいそうです。私自身のためのメモでもあります。


(赤文字は既に映画館で鑑賞した作品と映画ブログで紹介した作品です)

①『ミケランジェロの暗号』(2011年公開、ヴォルフガング・ムルンベルガー 監督)
②『黄金のアデーレ 名画の帰還』(サイモン・カーティス監督、2015年公開)
③『ミケランジェロ・プロジェクト』(2013年公開、ジョージ・クルーニー監督。)
④『アドルフの画集』 (2002年公開、 メノ・メイエス監督)
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⑤「顔のないヒットラーたち」 (2014年公開、ジュリオ・リッチャレッリ 監督)
⑥「スベャリスト/自覚なき殺戮者」(1999年公開、エイアル・シヴァン監督)
➆『アイヒマン・ショー 歴史を映した男たち』(2015年公開、ポール・アンドリュー・ウィリアムズ監督)
⑧『愛を読むひと』(2008年公開、スティーヴン・ダルドリー監督、ベルンハルト・シュリンク『朗読者』が原作。デヴットヘア脚本)
⑨『ハンナアレント』(2012年公開、マルガレーテ・フォン・トロッタ監督)

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⑩「黄色い星の子供たち」 (2010年公開、ローズ・ボッシュ監督)
⑪「サラの鍵」(2010年公開、ジル・パケ=ブランネール監督)

⑫「ライフ・イズ・ビューティフル」(1998年、ロベルト・ベニーニ監督)
⑬「縞模様のパジャマの少年」(2008年、マーク・ハーマン監督)
⑭「さよなら、アドルフ」 (2012年公開、ケイト・ショートランド監督)
⑮「悪童日記」 (2013年、ヤーノシュ・サース監督)
⑯「バティニョールおじさん」 (2002年公開、ジェラール・ジュニョー 監督)

⑰『ソハの地下道』(2011年公開、アグニェシュカ・ホランド監督)

⑱「あの日のように抱きしめて」 (2014年、クリスティアン・ペッツォルト監督)

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⑲「シンドラーのリスト」 (1993年公開、スティーヴン・スピルバーグ 監督)

⑳「アンナとロッテ」 (2002年公開、ベン・ソムボハールト監督)

㉑「ヒトラーの贋札」 (2007年公開、ステファン・ルツォヴィツキー
監督)

㉒「ホロコースト -アドルフ・ヒトラーの洗礼- (2002年公開、コスタ=ガヴラス監督)

㉓『ワルキューレ』(2008年公開、ブライアン・シンガー
監督)

㉔『杉原千畝 スギハラチウネ』 (2015年公開、チェリン・グラック 監督)

㉕『ヒトラー暗殺、13分の誤算』 (2015年公開、オリヴァー・ヒルシュビーゲル監督)

㉖『帰ってきたヒトラー』 (2015年公開、ダーヴィト・ヴネント監督)

㉗『奇跡の教室/受け継ぐ者たちへ』 (2014年公開、マリー=カスティーユ・マンシヨン=シャール 監督)
㉘『栄光のランナー/1936ベルリン』(2016年公開、スティーヴン・ホプキンス 監督

㉙『ソフィーの選択』(1982年公開、アラン・J・パクラ監督)

㉚『手紙は憶えている』 (2015年公開、アトム・エゴヤン監督)

㉛「わが教え子ヒトラー」(2007年公開、ダニー・レヴィ 監督)

㉜「ディファイアン」(2008年公開、エドワード・ズウィック 監督)
㉝「アイアン・スカイ」( 2012年公開、ティモ・ヴオレンソラ監督)

㉝「善き人」(2008年公開、ヴィセンテ・アモリン監督)

㉞「サウルの息子」 (2015年公開、ネメシュ・ラースロー監督)
㉟『戦場のピアニス2002年公開、ロマン・ポランスキー監督)
㊱『夜と霧』(1955年公開、アラン・レネ 監督)
㊲「灰の記憶」(2002年公開、ティム・ブレイク・ネルソン 監督)

㊳「謀議」 (2001年公開、フランク・ピアソン監督) 

㊴「ナチスが最も恐れた男」(2008年公開、エスペン・サンドベリヨアヒム・ローニング 監督)

㊵「囚われのサーカス」(2008年公開、ポール・シュレイダー監督)

㊷「アウシュヴッツ行最終列車~第三帝国ホロコースト」(2006年公開、 ダーナ・ヴァヴロヴァ、 ヨゼフ・フィルスマイアー監督)

㊸「消えたその声が、その名を呼ぶ」(2015年公開、ファティ・アキン 監督)
㊹『白バラの祈り』(2005年公開、マルク・ローテムント監督)

㊺「エリート養成機関 ナボラ」(2004年公開、デニス・ガンゼル監督)

㊻「ヒットラー最後の12日間」(2004年公開、オリヴァー・ヒルシュビーゲル 監督)

㊼「カティンの森」(2007年公開、アンジェイ・ワイダ監督)

㊽「あの日あの時愛の記憶」(2011年、アンナ・ジャスティス監督)

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今回のDVD特選映画は「カティンの森」(2007年公開、アンジェイ・ワイダ監督)をとりあげます。


この映画は、直接に「ナチズムとホロコースト」には関係ないのですが、第二次大戦にまつわるナチズムと関係があり、同じ虐殺行為という点では、ホロコーストと勝るとも劣らぬ残虐さであります。この映画の存在は、≪人と映画のタペストリー≫というブログの情報・コメントから知りました。興味のある方は、下記アドレスを開いて一度閲覧してください。なかなか読みごたえがあります。映画についても現代史に関しても知性のキラメキを感じる映画ブログです。
http://www.strawberryplanet.net/blog/blog/2012/10/22/katyn/

尚、「カティンの森事件」に関して詳しい解説は下記サイトの「ウィキペディア」を閲覧してください。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%81%AE%E6%A3%AE%E4%BA%8B%E4%BB%B6



1939年9月、 ドイツがポーランドに侵攻し第二次大戦が勃発した。ナチス・ドイツとソ連の両国によってポーランドは攻撃された。ソ連はポーランドの東部に侵攻し、秘密裏に独ソ不可侵条約が結ばれた。その結果、ポーランドは、ドイツとソ連に分割占領されることになった。ポーランド軍人はソ連軍に降伏、武装解除されたポーランドの将校はソ連の捕虜となって強制収容所へ囚われた。「カティンの森虐殺事件」は、第二次世界大戦中にソ連のグニェズドヴォ近郊の森で約22,000人のポーランド軍将校などが、スターリン共産党書記長とソビエト内務人民委員部ベリヤ(NKVD)が虐殺の命令書に署名、銃殺された事件でした。映画「カティンの森」のアンジェイ・ワイダ監督はポーランド出身で、彼の父親もこの事件で殺された将校でした。この作品はいろいろな意味で問題作です。


1943年に、ソ連領に侵攻したドイツ軍は、カティンの森で、2万人以上のポーランド兵士の死体を発見した。ドイツ軍は、ソ連軍の犯行であることをその時公表した。第二次世界大戦が連合軍によって終結した1945年以後、ポーランドはソ連の支配下に置かれた。ソ連は、ポーランド兵の惨殺死体が埋められたカティンの森の虐殺事件をナチズム軍の行為と潔白をあくまでも主張した。尚且つ、ソ連支配下のポーランド人がカティンの森の虐殺の真相を調査し、事件に触れることさえ政治的圧力で沈黙させた。


1944年、「カティンの森事件」を聞いたアメリカ大統領フランクリン・ルーズベルトは、カティンの森事件の情報を収集するために、ジョージ・アール大尉をヨーロッパに派遣した。アール大尉は枢軸国のブルガリアとルーマニアから情報収集し、ポランド兵士虐殺はソ連の手でなされたと判断した。が、ルーズベルトはこの結論を、現代史の闇に隠蔽した。


アンジェイ・ワイダ監督、カティンの森事件の真相を伝える映画化を50年以上に渡って構想していたが、ソ連の圧力によって、或は東西ドイツの冷戦時代の社会背景では、ソ連批判の映画の公開はそれが難しかった。


ソ連の歴史の隠蔽が解禁されたのは、1990年、ミハイル・ゴルバチョフが大統領に就任し、ソ連の最高指導者となりた時、ソ連共産党のペレストロイカ(改革)とグラスノスチ(情報公開)を断行した。ミハイル・ゴルバチョフは、ソ連の内務人民委員部がポーランド人を殺害したことを認め、1992年のソビエト連邦崩壊後にロシア政府は漸くカティンの森事件の公文書を公にした。


問題点は、大国の政治力によって、史実が歪められ隠蔽される暴挙が、依然行われる可能性が多分にあることです。例えば、中国共産党の習近平党総書記以前から、或は、ソ連のプーチン大統領就任以来、周辺諸民族と小国への弾圧と武力介入は、平然と行なわれています。が、世界のパワーバランスから、国連もアメリカもヨーロッパも介入と批判を黙し、尚かつ、政治的にニュース報道から隠蔽・削除されることもあります…。


で、2007年に映画が制作・公開された時、彼は既に80歳でありました。この映像にはアンジェイ・ワイダ監督の戦争を憎む心と、父親の死の真相を暴くための怨念と、スターリン体制下のソ連共産主義の歴史的誤謬を現代史に明々白々に伝えるという彼の長い間の執念が表現

されていました・・・。やはりこの事件も現代史の「負」の原点です。是非一度観賞してください…!!!


映画のストーリは・・・。ポーランド軍将校のアンジェイ大尉(アルトゥー・ジミエウスキー)は、妻アンナ(マヤ・オスタシャースカ)と娘の行方を捜査する目前で、ソ連軍によって連行されていく。アンナは夫の両親の家に戻るが、大学教授の義父はドイツ軍に逮捕され収容所に送られ病死する。残された家族はアンジェイの帰還を待ち続けるのだが…。西からドイツ軍に追われた人々と、東からソ連軍に追われた人々が、途中ポーランド東部のブク川で相互に出会う。ソ連軍から逃げる人は西に戻れと言い、ドイツ軍から逃げて来た人は、反対に帰れと言う。当時のポーランド人が右往左往する混乱から映画は始まります。


映画に映し出される惨殺の現場は、youtubeで見れます。下記アドレス以外にも多数あります。一度検索してください…。


https://www.youtube.com/watch?v=1o6yWgR2at8

https://www.youtube.com/watch?v=H3vC90d7GWo

https://www.youtube.com/watch?v=sb4NKu_uL6A

https://www.youtube.com/watch?v=1V2QBNoUOik




ホートランドというと、私は先ずは、ジョンバエズが歌う「ポートランドタウン」を口ずさみたくなります。

https://www.youtube.com/watch?v=9BPoAZL8irw



一度、youtubeで生のジョンバエズJoanBaezの歌うポートランドタウン「portland town」を聴いてみてください。詞を書いたのは、アメリカでは有名な作詞家ジョン・スチュワートです。詩の内容はたいへん単調です。私はポートランドの街に生まれた。子供を戦争に送ったが、帰ってこなかったという、大変シンプルな反戦歌ですが、とても悲し気な曲調です。  ひょっとしたら、ジョン・スチュワート の家系を辿ると、国家そのものが歴史の激動にさらされて、国土と国民はいくたびも分断されているポーランドなのかもしれません。私は、ジョンバエズのこの曲を聴くと、やはり映画「カティンの森」を連想します。


I was born in Portland town
I was born in Portland town
Yes I was, yes I was,
I was born in Portland town,
Got married in Portland town,
Yes I did, yes I did,
Yes, I did.
Got married in Portland town,
Had children one, two, three,
Yes I did, yes I did,
Yes, I did.


クリスマスに欲しいもの

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私もそろそろ65歳に近付きました。10年前に心臓のバイパス手術をして、そろそろその術後の心臓も手当が必要になりました。川崎市立病院を理不尽にも追い払われた今、後は、聖路加病院に頼.るほかはないかな…???だから、私が今一番欲しいものは、丈夫で健康な「心臓」です・・・。その心臓で是非90歳まで生きたいです・・・!!!まだまだ、やりたいこと、やり残したことが片手ほどあります・・・。その一つは、是非ぜひ「アウシュヴッツ」の収容所を見たいです。観光見物ではないです。うーんなぜか・・・、そこで「生」を只管懇願する人たちの歴史の声を聴きたいのです。もう一つは、関東大震災のことを小説にしたいです。

12月中旬特選映画【33】★映画のMIKATA「弁護人」★映画をMITAKA

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12月中旬の特選映画をアップロードします。今回4本を映画館で観賞、今月12月は、『オーバー・フェンス』、『ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ/GENIUS』、ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』、マダム・フローレンス! 夢見るふたり』、『の青春』、弁護人』、『海賊とよばれた男』、『疾風ロンド』、『君の名は。』…、通算で9本を観賞しました。選んだ特選映画1本は、韓国映画の『弁護人』でした。韓国内ではすでに1000万人の観客が劇場で観賞しているヒット作のようです。私もとうとう話題のアニメ映画「君の名は。」を見ました。これだけ興業収益と観客動員数を増やしている作品だから、世間の話題に遅れるという負い目がー、映画批評をするからには見逃すわけにはいかないなー、作品のどこにそんなに人を惹きつける魅力があるのかなー、いろいろな疑問がありますが、取りあえずは年末の映画の見納めとして観ないとーと思いました。ただ、特選映画の一本には選びませんでした。もう一点、「海賊とよばれた男」も、このブログでは敢えて否定的な批判ばかり書きました。何故ならば、百田尚樹も川村元気も、人の心を掌で弄んで、団塊の世代と平成生まれのティーンエイジャーや若年層の心をどうすればグラグラ揺さぶり、「感動」のエクスタシーに導けるかを、いい意味でも悪い意味でも計算してストーリを構成しているからだよ。「心の錬金術師め、憎いな!」と、軽い憎悪と嫉妬を感じるからです。チョット、辛口すぎたかな。



1


1本目は、全斗煥独裁政権に反対する民主勢力を抹殺するために、1981年、社会科学書籍を勉強した釜山地域の学生と会社員など19人を逮捕し拘束した≪釜林事件(プリム事件) ≫があった。これを映像化した裁判映画の傑作といってよい、社会派ヒューマンドラマ『弁護人/THE ATTORNEY  』(2013年、ヤン・ウソク監督)でした。


この映画は、弁護士時代のノ・ムヒョン元大統領(2003年~2006年就任の第16代大統領)が弁護を担当し、政治家転身のきっかけとなった冤罪事件がモチーフになっているようです。



今年韓国で観客動員数1000万人を突破した映画は、「国際市場で逢いましょう」、「暗殺」、「ベテラン」等の4本があったそうです。「暗殺」は観たいと思いつつ、見逃した映画でした。韓国で観客動員数1000万人超のヒットを記録したこの『弁護人/THE ATTORNEY  』は、その4作品目になるようです。「プリム事件」で大きく活躍した弁護士時代の故ノ・ムヒョン元大統領役を熱演したソン・ガンホは、ヒットの要員を、「元大統領の政治家としての姿を語る映画ではない・・・圧力があった時代に真剣に人生と向き合い、献身する姿が描かれている。そこが現代を生きる人々の気持ちを揺るがしたのではないか・・・」と話しました。


ストーリは、大学を卒業していないが、独学で司法試験を合格した秀才、商人のように法律で金儲けする税務弁護士ソン・ウソク(ソン・ガンホ)は、苦学していた昔に食べ逃げしたクッパ店の息子ジヌが国家保安法違反容疑で逮捕され、家族でさえ面会を許可されない、冤罪をはらしてもらう弁護をソン・ウソクに頼る・・・。裁判を控えているが、法廷で闘う相手は全斗煥独裁政権と警察組織なので、拷問と暴力による自白で、有罪は決まったようなもの、だから弁護する弁護人さえいなかった…。


今、朴槿恵大統領の弾劾裁判に関して韓国は激しく揺れています。韓国市民の政治的関心は異常に「熱い」な・・・と思います。現在の韓国の政情は、やはり過去にこれだけの政治的弾圧と圧政を受けた怨念が蓄積しているのだなーと感じました。パク・クネ(朴槿恵)大統領の弾劾裁判の場合、12月9日の本会議で、賛成234票、反対56票、無標7票、棄権2票で弾劾訴追案は憲法第65条2項によって可決されました。ノ・ムヒョン大統領の場合は、不正資金疑惑が浮上、イラクに韓国軍を派遣したことが支持者離れを引き起こし、2004年3月、大統領の弾劾訴追案が可決され、大統領職務を停止されました。でもね・・・どうしてなんのかな・・・?、原発稼働の再開、自衛隊の海外派遣、カジノ法案、沖縄の基地問題、年金カット等々、安倍政権の政治的暴挙への国民の反対の声は、この韓国映画のようにもっともっと激しく熱くなっていい筈なのですがーネ。デモクラシーの揺籃期と、長い自民党支配の日本政治の退廃期の違いなのかな…。独裁政治の暴力と圧政はないが、一党独裁の数の独裁と、マスコミを使った世論操作が巧みなのかな…?何せ、「連合」さえも取り込もうとしているのですから、呆れますーネ。今の韓国政治と日本にジャストフィットした映画です。



2

2本目は、敗戦後の1945年、東京がメインの舞台です。石油会社・国岡商店を率いる国岡鐵造(岡田准一)を主人公に、欧米の石油メジャーに対抗してイギリスによって経済封鎖されていたイランの石油輸入航路から自分の石油タンカー「日章丸」で日本に原油を運搬する国岡鐡造・・・、映画のモデルは出光石油の出光佐三の青年期から老年期までの生涯を描いた百田尚樹原作の映画『海賊とよばれた男』(2016年、山崎貴 監督)でした。


立志伝中の財界人の成功談や英雄伝は数々あります…、幕末から明治維新の新しい時代への変動、太平洋戦争から戦後の混乱期に、日本にも数々の財閥や経済人や政治家や、はてまたアウトローや右翼フィクサーや博徒ヤクザ達が隠れた闇に蠢いています…。それを得意分野としている作家もいますーネ。それが時代への変動期や動乱期の中で語られると、黒い醜聞の絡む成功談やヤクザな英雄も歴史の主人公として輝き始めます。脚本家の演出と俳優の演技でスポットライトとバックの音楽に合わせて踊る主役のステージや映画のシーンでは、戦争の悲惨な殺し合いも、張った切った騙し騙され合うマネー戦争も、ドラマチックに見えるものですーネ。平成の今は、真実が脚色される「post-truth」の時代ですーネです。私は、この映画もそんな作品の一作だと思っています…。
 

「海賊と呼ばれた男」と同じ山崎貴監督と岡田准一主演で、昨年既に公開された「第38回日本アカデミー賞」で最優秀作品賞、最優秀監督賞、最優秀主演男優賞など8つの最優秀賞を受賞した『永遠の0』に対して、今更駄作呼ばわりするのは「失礼」と思いますが、私にはアメリカの戦争「コンバット」と同様に戦争を家族愛のオブラートに包んで美化しているとしか思えないのデスが・・・!。確かに愛国心にあふれる特定の人には、ゼロ戦に乗った「特攻隊員」も美談にはなるのだが・・・。原作の百田尚樹氏はそんなことを映画にしたかったのだろうか…ナ、山崎貴監督は「特攻隊員」を美談にし日本人の愛国心を盛り上げようとしたのだろうかーナ。私は、『海賊とよばれた男』でも同じような疑問を抱きました。敗戦の混乱期でも一人として社員を解雇しなかったという経営者の美談の裏に、「死んでも仕事に喰らいつけ・・・」という、自殺者を出した電通の「鬼10則」と同じモーレツ社員を称賛し、ブラック企業の体質を美化している、日本的企業体質の原型を見るようではないですか?!私には、そんな映画としか見えなかったです…。皆さんはどう思いましたか???


3

大学の医科学研究所施設から違法生物兵器「K-55」が所内の研究員によって盗まれ、細菌の行方を身代金に3億円を払えという脅迫メールが届く。3本目は、スキー場に隠された科学兵器にもなる細菌を雪山の中の樹木に留められた熊の人形を目印に、4日間のうちに探す主任研究員の栗林和幸(阿部寛)のドタバタ喜劇映画『疾風ロンド』(2016年、吉田照幸監督)でした。


阿部寛は昨今、TVドラマや映画によく出演するね・・・。特に、東野圭吾原作の映画は頻繁に出演しますーネ。でも、素顔で剽軽で打ち解けた如才ない雰囲気を持つ阿部寛の人柄であるから、従来からチョットずっこける役柄でよく出演するのだけれども、この映画は、それが少しワザトらしく見えました。今回の作品はミスキャストだと思いました。


4

4本目は、東京の四ツ谷と飛騨の山奥にある糸守町に暮らす見知らぬ者同士の少年・立花瀧と少女・宮水三葉、二人の見知らぬ高校生の男女が夢の中で入れ替わるファンタジックなアニメ映画『君の名は。YOUR NAME』 (2016年、新海誠監督) でした。


東宝が5日に発表した『君の名は。』の興業収入は、12月4日までに199億円、動員数は1532万人となった。これは今までの興業収益「歴代ランキング」では、歴代トップは『千と千尋の神隠し』の308億円、2位は同監督の『ハウルの動く城』の196億円、3位は『もののけ姫』の193億円であった。いずれも宮崎駿監督作品がトップ3を独占してきたが、「君の名は。」はついにそれを塗り替えて、『ハウルの動く城』を超えて日本映画の歴代2位となったようです…。凄い!・・・、私は遂に「アニメは絶対観ないー」という私の主義を破って、「君の名は。」と「この世界の片隅に」を、流行に乗り遅れないようにと見ましたー。ちなみに、「この世界の片隅に」の興行収入は現在の所、観客動員数32万人、4.5億円を記録、公開連続4週で数字を伸ばしているという。アニメ映画にしては、これも凄いですーネ。


アニメは多くのスタッフが参加しています。勿論、新海誠監督&脚本も大きな功績です。脚色はできても、ただそれだけではヒット作は生まれない…。作画監督の安藤雅司も、キャラクターデザインの田中将賀、企画とプロデュースの川村元気も、皆、ヒット製造メーカが顔をそろえています。アニメのテーマソングと挿入歌を歌ってる音楽の「RADWIMPS」も、アニメをよりドラマチックに演出し、ヒットの大きな追い風になっていますーネ。


ただーネ、アニメのストーリ設定をどんなに分析しても、ヒットの構成要因の一つにすぎないのです。1,000年に1度のすい星が、1か月後に日本の糸守町に迫り、湖の天空から落下する天変地異の災害ー。3・11の地震と津波によってある日突然「世界」が消滅してしまう私たちの恐怖の経験と重なりますー、これもまた凄い・・・。神社の家系に生まれた宮水三葉、彼女の口で噛んで発酵させた古来日本から伝わる「口噛み酒」の風習と、山上にある宮水神社の御神体に祀られたその口噛み酒を飲んだ立花瀧・・・。女と男の別人の身体が入れ替わる物語は、これまでアニメにも映画にもなっています。が、原初の神話的物語が随所に織り込まれる、これは企画プロデュースの川村元気の仕掛けなのだろう・・・カナ。分析しがいのあるアニメ映画でした。寧ろ、「スターウォーズ」をエンドレスストーリにしてしまうデズニー映画の愚作「ローグ・ワン」なんかよりも、余程出来がよいアニメ映画でした。


 



記addressは、毎週木曜日の夜20:30-20:56にオンエアされる沖縄・那覇からFM電波で放送される映画情報シアター「なーりーの星空シアター」のサイトです。「映画で毎日の生活がよりキラキラと楽しいものになすように」の願いを込めた映画情報で、ポッドキャストでも、勿論、リアルタイムでも聴けます。30分足らずの短い時間なので、ほっと一息の仕事の合間や休憩時間にスマホでそっと聴くのにイイですよ。        http://www.fmnaha.jp/podcast_detail.php?program_id=68















尚、 誤字脱字その他のために、アップした後で文章の校正をする時があります。予告なしに突然補筆訂正することがありますが、私の稚拙な文章力故ですが、ご容赦ください…

12月下旬特選映画【34】映画のMIKATA「2016年邦画秀作ベストテン」★映画をMITAKA

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漸く、「2016年邦画ベストテン」を年内にアップできました。10本を選ぶのに中々に、迷いに迷い呻吟しました。どれもこれも記憶の中に今だに映像と声が響いている印象的な秀作ばかりなので・・・。本当は、邦画と同じボリュームを外国作品にも相当な観賞時間を費やしているので、「洋画ベストテン」もアップしたいのですが、毎年オスカーの作品賞、監督賞などの発表を見ると、多くがまだ日本未公開作品が多く含まれています。最悪の場合は、ノミネートされた映画タイトルを見ても、全く知らない作品が多くあったりしました。ので最近は、外国作品は手に余る・・・ナと諦めました。それでも私が今まで見た外国作品の中で印象深い作品は『手紙は憶えている』 (2015年、アトム・エゴヤン監督)です。ただーネ、これから来春に掛けてどんどん新作が公開されてくるので、どんな名作が登場するか、未知数ですーヨ、予告編に注目です。やはり、町山智浩さんのようにアメリカに住んでないとハリウッドの最新作をリアルタイムに批評するのは無理ですかーネ。


日本アカデミー賞の公式ページの中にある日本映画一覧から、今まで私が映画館で観た作品を抽出して、下記に列記しました。これを基に、邦画秀作品と、更にその中から優秀作品ベストテンを選びました。「泣いた笑ったとめいたベスト3」は、あくまでも私の「好み」から選びました。また、忙しくてタイミングが合わずに見逃した作品も数多ありました。例えば、「アズミ・ハルコは行方不明」「ぼくのおじさん」「火 Hee」「二重生活」「月光」「高台家の人々」「つむぐもの」「リップヴァンウィンクルの花嫁」「女が眠る時」etc・・・などです。が後日近近、レンタルショップのDVDで観賞したいです。でもここでは、映画館のスクリーンで観なかった作品は、選択から外しました…。また、故意に「淵に立つ」「怒り」を外しました、何故ならば私は俳優・渡辺謙と浅野忠信が嫌いだからです…!チョット辛辣だったかな。



ドキドキ王冠1ベル➡泣いた笑ったときめき映画ベスト3

王冠1ベル➡優秀作映画ベスト10

ベル➡邦画秀作



ベル・2016-12-10  海賊とよばれた男
・2016-11-26  疾風ロンド
王冠1ベル・2016-11-19  聖の青春
王冠1ベル・2016-11-12  この世界の片隅に
・2016-11-12  ミュージアム
ベル・2016-11-05  続・深夜食堂
・2016-11-05  ボクの妻と結婚してください。
ドキドキ王冠1ベル・2016-10-29  湯を沸かすほどの熱い愛
・2016-10-15  何者
・2016-10-14  永い言い訳
ベル・2016-10-08  グッドモーニングショー
・2016-10-08  淵に立つ
ベル・2016-10-01  SCOOP!
・2016-09-22  真田十勇士
ベル・2016-09-17  怒り
・2016-09-17  オーバー・フェンス
ベル・2016-09-10  だれかの木琴
ドキドキ王冠1ベル・2016-08-27  後妻業の女
王冠1ベル・2016-08-26  君の名は。
・2016-08-06  秘密 THE TOP SECRET

ベル・2016-06-18  葛城事件
・2016-08-06  秘密 THE TOP SECRET

王冠1ベル・2016-06-18  クリーピー 偽りの隣人
・2016-06-04  探偵ミタライの事件簿 星籠(せいろ)の海
・2016-05-07  ヒーローマニア-生活-

ベル・2016-05-28  ヒメアノ~ル
・2016-05-21  海よりもまだ深く
・2016-05-14  世界から猫が消えたなら
ベル・2016-05-07  64 ロクヨン 前編
・2016-05-07  64 ロクヨン 後編 
・2016-04-29  スキャナー 記憶のカケラをよむ男
・2016-04-29  テラフォーマーズ
・2016-04-02  のぞきめ
王冠1ベル・2016-04-01  蜜のあわれ
ベル・2016-03-19  ちはやふる -上の句-
ベル・2016-03-19  ちはやふる-下の句-
・2016-03-19  僕だけがいない街
・2016-03-12  エヴェレスト 神々の山嶺
王冠1ベル・2016-03-12  家族はつらいよ
・2016-01-30  さらば あぶない刑事

・2016-01-16  の・ようなもの のようなもの
・2016-01-09  人生の約束
ドキドキ王冠1ベル・2015-12-19  はなちゃんのみそ汁

 


ブログ後記:気が付いたら、今年はベストテンの中に「時代劇」がなかったです。今までの「鞍馬天狗」や「新選組」や「忠臣蔵」のような武家社会とチャンバラ時代劇から忘れられた時代劇シーン、例えば、「武士の家計簿」や「殿、利息でござる!」の原作者でよく知られている磯田道史のような侍の「お金」と経済など、新しい視点で武家社会を描いた映画が新鮮になっていますーネ。時代劇の好きな私としては寂しいです…。唯一私がこれからの時代劇に求めるのは、日活ポルノよりも刺激的な、「春画」を映画にした時代劇版性を映画化してほしいな…。何やら「春画」の絵画展に女性が押し寄せる風潮に、時代劇ポルノもあっていいよナ。


尚、 誤字脱字その他のために、アップした後で文章の校正をする時があります。予告なしに突然補筆訂正することがあります、ご容赦ください…。是非ぜひ、感想をコメント欄にお寄せください…。

12月DVD特選映画【35】★映画のMIKATA「ナチズムとホロコースト」★映画をMITAKA

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DVD特選映画≪ナチズムとホロコースト≫のテーマで、これまで私が観賞した映画です。ホロコースト関連の映画は次々と新作が公開されて、累積しています。




(赤文字は既に映画館で鑑賞した作品と映画ブログで紹介した作品です)

①『ミケランジェロの暗号』(2011年公開、ヴォルフガング・ムルンベルガー 監督)
②『黄金のアデーレ 名画の帰還』(サイモン・カーティス監督、2015年公開)
③『ミケランジェロ・プロジェクト』(2013年公開、ジョージ・クルーニー監督。)
④『アドルフの画集』 (2002年公開、 メノ・メイエス監督)
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⑤「顔のないヒットラーたち」 (2014年公開、ジュリオ・リッチャレッリ 監督)
⑥「スベャリスト/自覚なき殺戮者」(1999年公開、エイアル・シヴァン監督)
➆『アイヒマン・ショー 歴史を映した男たち』(2015年公開、ポール・アンドリュー・ウィリアムズ監督)
⑧『愛を読むひと』(2008年公開、スティーヴン・ダルドリー監督、ベルンハルト・シュリンク原作。デヴットヘア脚本)
⑨『ハンナアレント』(2012年公開、マルガレーテ・フォン・トロッタ監督)

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⑩「黄色い星の子供たち」 (2010年公開、ローズ・ボッシュ監督)
⑪「サラの鍵」(2010年公開、ジル・パケ=ブランネール監督)

⑫「ライフ・イズ・ビューティフル」(1998年、ロベルト・ベニーニ監督)
⑬「縞模様のパジャマの少年」(2008年、マーク・ハーマン監督)
⑭「さよなら、アドルフ」 (2012年公開、ケイト・ショートランド監督)
⑮「悪童日記」 (2013年、ヤーノシュ・サース監督)
⑯「バティニョールおじさん」 (2002年公開、ジェラール・ジュニョー 監督)

⑰『ソハの地下道』(2011年公開、アグニェシュカ・ホランド監督)

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⑱「あの日のように抱きしめて」 (2014年、クリスティアン・ペッツォルト監督)

⑲「シンドラーのリスト」 (1993年公開、スティーヴン・スピルバーグ 監督)

⑳「アンナとロッテ」 (2002年公開、ベン・ソムボハールト監督)

㉑「ヒトラーの贋札」 (2007年公開、ステファン・ルツォヴィツキー 監督)

㉒「ホロコースト -アドルフ・ヒトラーの洗礼- (2002年公開、コスタ=ガヴラス監督)

㉓『ワルキューレ』(2008年公開、ブライアン・シンガー監督)

㉔『杉原千畝 スギハラチウネ』 (2015年公開、チェリン・グラック 監督)

㉕『ヒトラー暗殺、13分の誤算』 (2015年公開、オリヴァー・ヒルシュビーゲル監督)

㉖『帰ってきたヒトラー』 (2015年公開、ダーヴィト・ヴネント監督)

㉗『奇跡の教室/受け継ぐ者たちへ』 (2014年公開、マリー=カスティーユ・マンシヨン=シャール 監督)
㉘『栄光のランナー/1936ベルリン』(2016年公開、スティーヴン・ホプキンス 監督

㉙『ソフィーの選択』(1982年公開、アラン・J・パクラ監督)

㉚『手紙は憶えている』 (2015年公開、アトム・エゴヤン監督)

㉛「わが教え子ヒトラー」(2007年公開、ダニー・レヴィ 監督)

㉜「ディファイアン」(2008年公開、エドワード・ズウィック 監督)
㉝「アイアン・スカイ」( 2012年公開、ティモ・ヴオレンソラ監督)

㉝「善き人」(2008年公開、ヴィセンテ・アモリン監督)

㉞「サウルの息子」 (2015年公開、ネメシュ・ラースロー監督)
㉟『戦場のピアニス2002年公開、ロマン・ポランスキー監督)
㊱『夜と霧』(1955年公開、アラン・レネ 監督)
㊲「灰の記憶」(2002年公開、ティム・ブレイク・ネルソン 監督)

㊳「謀議」 (2001年公開、フランク・ピアソン監督) 

㊴「ナチスが最も恐れた男」(2008年公開、エスペン・サンドベリヨアヒム・ローニング 監督)

㊵「囚われのサーカス」(2008年公開、ポール・シュレイダー監督)

㊷「アウシュヴッツ行最終列車~第三帝国ホロコースト」(2006年公開、 ダーナ・ヴァヴロヴァ、ヨゼフ・フィルスマイアー監督)

㊸「消えたその声が、その名を呼ぶ」(2015年公開、ファティ・アキン 監督)
㊹『白バラの祈り』(2005年公開、マルク・ローテムント監督)

㊺「エリート養成機関 ナボラ」(2004年公開、デニス・ガンゼル監督)

㊻「ヒットラー最後の12日間」(2004年公開、オリヴァー・ヒルシュビーゲル 監督)

㊼「カティンの森」(2007年公開、アンジェイ・ワイダ監督)

㊽「あの日あの時愛の記憶」(2011年、アンナ・ジャスティス監督)

㊾「誰がために」(2008年公開、オーレ・クリスチャン・マセン 監督


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今回のDVD特選映画≪ナチズムとホロコースト≫は、子供たちが主役級で登場する映画を「アウシュヴッツ」という視点で選択しました。つまり、ナチズムの時代の子供たちはどのように危機の時代を生き抜いたかを映像化した作品8本をまとめてみました。


⑩「黄色い星の子供たち」 (2010年公開、ローズ・ボッシュ監督)
⑪「サラの鍵」(2010年公開、ジル・パケ=ブランネール監督)

⑫「ライフ・イズ・ビューティフル」(1998年、ロベルト・ベニーニ監督)
⑬「縞模様のパジャマの少年」( 2008年、マーク・ハーマン監督)
⑭「
さよなら、アドルフ」 (2012年公開、ケイト・ショートランド監督)
⑮「悪童日記」 (2013年、ヤーノシュ・サース監督)
⑯「バティニョールおじさん」 (2002年公開、ジェラール・ジュニョー 監督)

⑰『ソハの地下道』(2011年公開、アグニェシュカ・ホランド監督)

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⑩~⑰の作品は、どれもこれも子供を主人公にした作品です、がそれら名作秀作での中でも、マーク・ハーマン監督の 「縞模様のパジャマの少年」を特に代表作として1本に選びました。あの困難で息苦しい時代を、子供ながらも生き抜いたーというよりも、子供のあどけない純真さが却って、命の脆さと愛おしさと、時代の残酷さに悲しみを誘う作品でした。


ナチス将校を父親に持つドイツ人少年8歳の少年ブルーノは、ナチス将校の父の出世でベルリン郊外に引っ越すことになる。そのドイツ軍将校の豪邸の裏庭の森の奥には、鉄条網で覆われた強制収容所内があった。ジョン・ボイン原作の「縞模様のパジャマの少年」を、私は最も子供のあどけない純真さと、それに反してユダヤ人の迫害という残酷さを、あの刺々しい鉄条網が良く表現しているな…と思いました。二人の子供の間に張りめぐされたバラ線は、ドイツ人もユダヤ人も差別しなかった。友だちもいないいだずらっ子のブルーノは、好奇心に負けて、親が行ってはいけないと止めていた窓の先の裏庭を冒険する。森の奥には鉄条網で覆われた広場があり、その先には縞模様のパジャマを着た少年シュムエルがいた。二人は、コッソリたびたび鉄条網を挟んで遊んでいた。いつの間にか二人は友情を育み、ある日ブルーノは招きに応じて柵を越えて、シュムエルと共に中に侵入し、二人で危険な遊びに夢中になている間に、大人たちの行列に交じって一緒に歩き、シャワー室の中に入ってしまう…。そこは毒ガスの部屋だった。まさか、我が子がガス室の中に紛れ込んでいるとは思いたくないが、強制収容所の所長である父親は、息子の失踪を知り、慌てて所内を探すが、ブルーノは既にガス室の中に入っていた…。純真であどけないだけに、幼い二人の少年の結末は尚更に幼気ない悲劇でした。


「ホロコースト」の通常の迫害関係では、ユダヤ人が被害者ですが、さよなら、アドルフ」では、ナチス親衛隊高官の父に持つ家族が、終戦直後に、唯一の保護者であった母でさえ、ハンブルクの祖母の家へ行きなさいーとち言い残して消えてしまう。14歳の少女ローレ(ザスキア・ローゼンダール)は、妹と弟と共に南ドイツから900キロ離れたお婆さんを頼って、子供だけで旅をすることになる…。途中、ドイツ人というだけで逆に様々な偏見と迫害にさらされるという映画でした。


黄色い星の子供たち」 と「サラの鍵」の2作はー。2作品ともドイツ占領下のフランスが舞台となっています。タチアナ・ド・ロネ原作の「サラの鍵」では、フランス・ヴィシー政権時代にヴェルディヴ競輪場に検挙され連れてこられ収容されたユダヤ系フランス人の中に、10才の少女サラの家族がいた。サラは収容される直前、警察の目を逃れて弟ミシェルを物置の納戸の奥に隠し、姉が帰るまで絶対外に出てはならないと言い残して検挙された。それから60年後。、パリに暮らすアメリカ人ジャーナリストのジュリアは、アウシュヴィッツに送られた家族を取材するうちに、その当時サラが住んでいたアパートの金庫から、サラの手紙を発見し、収容所から生き残ったサラと納戸に隠したミシェルの存在を調べるうちに、納戸の穴倉の中でじっとしたままで飢え死にした、当時幼い弟の悲劇を知ることとなる・・・。


1942年7月16日、ドイツ・ナチス占領下にあったヴィシー政権時代のフランスで起こったユダヤ人迫害を映画化してる2作品は、フランスのこの時代をとりあげる時に、必ず登場する映画です。1942年7月16日、フランス国籍を持ち長年フランスに住んでいるユダヤ人や、フランス国内で生まれたその子供たちでさえも、公園やレストランなどへの立ち入りを排斥され、味方であるはずのフランス警察によってユダヤ人約1万3000人が胸に黄色い星の布どりをした洋服を強制されて、自宅から一斉検挙された。一度冬季競輪場「ヴェロドローム・ディヴェール」に強制的に押し込まれ、各地の強制収容所へ送られた。ドイツ軍のユダヤ人虐殺に協力したフランスのホロコースト政治を描いたディヴェール事件を映画化したものです。長い間フランス国内では、、「ヴェロドローム・ディヴェール大量検挙事件」に触れることはタブーとされていました。「黄色い星の子供たち」のボシュ監督自身の家族もユダヤ人であり、劇中のウェイスマン一家の近所に居住していた。この映画も当時の生き残った人たちを取材して製作した。最近日本で公開の『奇跡の教室/受け継ぐ者たちへ』 (2014年公開、マリー=カスティーユ・マンシヨン=シャール 監督)は、ユダヤ人の迫害と、その子供たちの悲惨なありさまを調べて、作文コンクールの題材にしているフランスの学校が舞台でした。


ライフ・イズ・ビューティフル」は、ユダヤ系イタリア人の親子グイドとドーラとジョズエは、北イタリアに駐留してきたナチス・ドイツによって、強制収容所に送られてしまう。母と離れ離れで不安がる愛息ジョズエに対し、父・グイドは「これはゲームなんだ。泣いたり、ママに会いたがったりしたら減点。いい子にしていれば点数がもらえて、1000点とったら、本物の戦車に乗っておうちに帰れるんだ・・・」と、慰めの嘘をつく。絶望的で危険な収容所の生活は、子供心には楽しい収容所ゲームに変わった。子供たちは毒ガスで殺されるシャワー室送りの時、ある子は便器の中にもぐり、ある子は塀の板を外した穴に隠れ、ジョズエもベッドに隠れてガス室を逃れた。子供のサバイバル能力がこの映画ではいかんなく発揮されていました。ナチス撤退後の朝、収容所に連合軍の戦車が現われ、若い兵士が、父の言う通りゲームの勝者のご褒美としてジョズエを戦車に乗せた・・・。最後のシーンは、父・グイドの言う通りであった。



バティニョールおじさん」では、ナチス占領下のパリで肉屋のバティニョールがユダヤ人の子どもを匿い、スイス領に逃亡させる映画です。『ソハの地下道』は、ナチス・ドイツに支配されたポーラン国内の村で、網の目のようにはりめぐされた地下水道の作業者・ソハが、街のユダヤ人家族たちを地下道の奥底に隠すという映画でした。ユダヤ人を密告したものには、報奨金が支給されるイタリアもポーランドもフランスも、ドイツに侵略された国で、そこに住んでいるユダヤ系 市民もまたドイツ軍に支配迫害されていました。そんな中で、いずれもユダヤ人を匿うことで自分の命の危険さえ冒してユダヤ人を保護するストーリです。


ドイツ軍に媚を売り、地位や身分や命の安全を求めるもの、お金に目がくらんでユダヤ人を密告するもの、ナチズムの占領支配の戦争の最中ゆえ、人間の「善と悪」がハッキリ見える映画です。再び、人間を「善」と「悪」に分けるものは何なのだろうか…ナ、という難問が待ち構えています。それを単純に「倫理」と「宗教」の答えで解決してしまっては、社会科学などあってなきものだろうーネ。少なくても、Ⅿ・ウェーバーは、ナチズムの軍隊に対して「形式的合理」と「官僚制」という答えを出しているが、これは市民社会には当てはまらないだろうーナ。皆さんはどう思いますか…?ハンナ・アレントは、アイヒマンをただ単なる小役人と喝破して、「悪の凡庸さ」と言った。人間の「脳」は恐竜から進化したホモサピエンスの筈だが、ただ「脳」はその残酷と獰猛さを体内に残していたのかーナ?


1月上旬の特選映画【1】映画のMIKATA「ヒトラーの忘れもの」★映画をMITAKA

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明けましておめでとうございます。2017年になって正月も三が日も過ぎて、七草粥を食べる日も、成人式も過ぎて、のんびりしていると節分も通り過ぎてしまう、バタバタと慌しい酉年の新年です。「酉」急ぎ、映画ブログをアップいたします。本年も、宜しくご愛読お願いします…。私は褒められるよりも、「批判」される方が好きなので、確かに…なるほど・・・と頷ける批判的価値のある感想を是非コメント欄にお寄せください…!!!「ニュースの後に映画を見よう・・・、現実が判らなくなったら映画を見よう・・・



1月上旬の特選映画をアップロードします。今回4本を映画館で観賞、その中で選んだ特選映画1本は、『ヒトラーの忘れもの』でした。犯罪&サイコパス映画の『ドント・ブリーズ』もハラハラする秀作でした。ほとんどの日本映画は12月に見ましたので、残念ながら女子高校生向けの「love in action」の作品は、私の観賞から削除しました。アイドル達のほんのりホンワカの恋心とラブシーンだけの駄作はいい加減に止めてほしいな…。それよりも、日活ポルノでも見たほうが、まともで面白いですーネ。残念ながら、今回は邦画はありませんでした…。どちらかと言うと日本の監督は、TVドラマの方に力を注いでいるようですーネ。ギャラも人気も高いのだろうーネ。


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1本目は、ミラ・ジョヴォヴィッチが主演のヒロイン・アリスに扮し、人類とゾンビの激しいサバイバルを繰り広げるアクション映画、シリーズの第6作最終章の依然アクションの魅力を放っている『バイオハザード:ザ・ファイナル 』(ポール・W・S・アンダーソン 監督)でした。


”ファイナル”とサブタイトルを銘打っているだけあって、これまでのストーリを冒頭で総括して、バイオハザードを初めて見る人にも分かりやすかったですーネ、流石です。この辺りの製作の姿勢は、枝葉のようにストーリを延ばして延ばして複雑で迷路のような解り難さにつながっている駄作の「スター・ウォーズ」との大きな違いがありました…。


アンブレラ社との最後の戦いは、Tウィルスを無効にする特効薬がラクーンシティのハイブを奪い潰そう潜入する・・・のがメインストーリです。シリーズ最後の総集編らしく、「アンブレラ社の陰謀」や「Tウィルスの謎」や「アリスの誕生」の秘密まで導入で語られるので『バイオハザード』シリーズ全体が大変分かりやすかったです。特に、メーキャップして年老いたアリスの貌と車椅子の姿と、アンブレラ社の地下都市の心臓部を操作するコンピュータのAIが投影する3Ð画像の少女の姿をした「レッド」を味方につけた戦いは、迫力がありました。見て損のない映画でした。


2

2本目は、これまで登場することがなかった名もなき戦士・ジン(フェリシティ・ジョーンズ)が反乱軍に加わり、彼女を主人公に、帝国軍の誇る究極兵器デス・スターの設計図を奪うために帝国軍の本拠地の要塞を攻撃、侵入する無謀なミッションを描いたスターウォーズ、大筋からは離れたアナザーストーリ『ログ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(ギャレス・エドワーズ監督)でした。時代は、ダスべーダーの誕生期「エピソード3」の続編、「エピソード4」の直前の原点にあたるドラマでだそうです。私には、最後に数秒登場する黒いマント姿の暗黒のヒーロー、ダス・ベーダ―しか親しみが感じられなかったです…。

私は「スター・ウォーズ」オタクではないので、全編にさほど精細に記憶していないので、「EP3」「EP4」のエピソードなど忘れましたよ…、だから、映画そのものも退屈でたまらなかったです。


帝国と反乱軍の戦いを描いた1977年の第1作「スター・ウォーズ」は、ジョージ・ルーカス監督&脚本の初めての作品です。帝国に捕らえられた反乱軍のリーダー・レイア姫を救出する為に、C-3POとR2-D2のロボット、少年ルーク・スカイウォーカーなどと共に攻撃要塞デス・スターの破壊へと旅立つストーリまでは、銀河のロマンがありました。が私の率直な感想としては、エピソードを重さねるごとに分かり難くなりました。まして、「スターウォーズ」の製作が、ジョージ・ルーカス制作の第6作『スター・ウォーズ/ジェダイの復讐』(リチャード・マーカンド監督、1983年)から、第7作『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(J・J・エイブラムス監督、2015年)になると制作プロダクションがディズニーに移転することとなり、尚更にストーリが分かり難くなりました。「スターウォーズ」はとうとう金儲けのための「打出の小槌」、宇宙のロマンをディズニーは金儲けの道具として、エンドレス・ストーリにしました…。もはや、ミッキーマウスを創作したウォルト・ディズニーのアニメ世界とは遠く離れて言っているのではないのかな…!私はもうこんな「スター・ウォーズ」シリーズは二度と見たくないです。


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自動車の街で景気の良かったかつてのデトロイトも今は自働車不況と経済破綻のためにゴーストタウン化した。その町から妹と共に逃げ出したい街の不良少女・ロッキーは、必要なお金を得るために警報システムに強いマニーと、悪のアレックスと共に、寂びれた街の一角で交通事故で死んだ子供の賠償金を溜め込んでいる盲目の老人(スティーヴン・ラング)が一人孤独に住んでいる屋敷に強盗に入る…。ところが、簡単に強奪できると思っていた老人宅の現金は、中東戦争の爆弾の破片で目を負傷した盲目の退役軍人でしたが、しかし、元軍人なので戦闘能力には若者を制圧する位に勝っていたー。


家に侵入して現金を盗もうとする強盗を逆に驚くべき格闘技で、二人を拳銃で殺し、撃退する。3本目は、聴覚を武器にアレックス、マニーと、三人の若者を暗やみに追い詰め、閉じ込めて次々に殺害していく。彼の地下室には、娘を交通事故で事故死させ、裁判で補償金だけで罪を免れた少女を誘拐、監禁していた。そのうえ、拘束しながら無理矢理少女の膣に自分の精液を挿入して、妊娠させようとまでしていた…。まあー、ホラー映画、というよりもむしろシリアルな犯罪&異常心理のサイコパス映画に近い『ドント・ブリーズ』(フェデ・アルバレス監督)でした。


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4本目は、デンマークの海岸にドイツ軍が海岸線に埋めた150万個もの地雷地雷を撤去するため、10代のドイツ少年兵の捕虜が投入される『ヒトラーの忘れもの』( マーチン・サントフリート 監督)でした。少年兵たちは撤去作業のミスで次々と命を落とし、14人いた少年たちは、撤去の最後にはたった4人しか生き残らなかった、太平洋戦争直後のデンマークの戦争処理についての映画です。が、これまでヒトラーとドナチズムとドイツ軍の戦争映画は、もっぱらホロコーストとアウシュヴッツとドイツに占領されたヨーロッパ諸国の悲惨さの視点で描かれてきたが、この 映画は少し違っていますーネ。私はこの作品を、DVD特選映画「ホロコースト」には入れなかったです。寧ろ、デンマーク人にとっては、自国の負の歴史、歴史の闇に埋もれていた影なのかもしれませんね…。これはフランス人のユダヤ人迫害と同じ歴史なのかもしません。


たとえ14歳の少年兵といえども、銃で「敵」を殺したとしてもだろう、たとえドイツの国旗に宣誓をして「ハイルヒトラー・・・!」叫びながら、大砲の先にいる「敵」を吹き飛ばしたとしても、戦争の殺戮に加担していたかもしれません、がただ、この映画ではどちらかというと、もう一つのナチズムによる戦争の「被害者」、ドイツ軍に招集された罪のない少年兵、ヒトラーの犠牲者として描かれています。敢えて言えば、もう一人のナチズムの犠牲という裏の視点でクローズアップしているのカナ・・・


ドイツ軍を憎み、「敵」であるドイツの少年兵達の命などどうでもいいと思っていた涙も情けもない冷淡な鬼のデンマーク軍曹ラスムスン(ローランド・ムーラー)は、次々と命を落とし、生き残った少年達に最後には祖国へ帰れると少年たちに約束をした。しかし作業の終了時に、再び地雷処理のために別の作業命令を指令され、地雷処理に強制されると知ったときに、生き残った4人の少年をトラックから逃がすシーンがありました。だが、あの軍曹は、その後どうなったのだろうか…ナ?


私はこの映画を防衛大臣の稲田朋美さんに是非見てほしいです。ドイツの「敵」兵にさえ、最後には情を示したラスムスン軍曹です、稲田朋美さんには、女性の持つ「母性」を…、少年達が命を落とした「戦争」への恐怖を覚醒してほしいです…ネ!



 

下記addressは、毎週木曜日の夜20:30-20:56にオンエアされる沖縄・那覇からFM電波で放送される映画情報シアター「なーりーの星空シアター」のサイトです。「映画で毎日の生活がよりキラキラと楽しいものになるように」の願いを込めた映画情報番組で、いつでもポッドキャストで聴けます。短い時間なので、ほっと一息の合間、仕事の休憩時間にスマホで聴くのもイイですネ…。1/5の放送は「海賊とよばれた男」でした。ニュースの後で映画を見よう、現実が分からなくなったら映画を見よう…!

http://www.fmnaha.jp/podcast_detail.php?program_id=68


尚、 誤字脱字その他のために、アップした後で文章の校正をする時があります。予告なしに突然補筆訂正することがありますが、ご容赦ください…)



1月中旬特選映画【2】★映画のMIKATA「ニコラス・ウィントンと669人」★映画をMITAKA

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豊洲新市場の地下水からから標準値の79倍の濃度の有毒ベンゼンが検出されたことも、ソウルの日本大使館前や新たに釜山の総領事館前にも慰安婦の少女像が設置されたこともまた、フランスばかりでなくイギリスもオランダもEUを離脱しそうです、これもヨーロッパばかりでなく、世界の基盤を揺るがす大きな二ュースです。さらに何よりも、トランプ次期米大統領の就任式が1月20日の間近に迫ってきたということも重大なニュースですね。誰がデモクラシーとグローバリズムを根底から崩壊させるアンナデタラメナ大統領を選んだのかーナ???アメリカと日本の政治と外交と経済は如何なってしまうのか・・・どれもこれも世界の危機が到来しそうだという「心配」が付きまとう由々しきニュースですーネ。…!!!「ニュースの後に映画を見よう・・・、現実が不可思議に見えたら映画を見よう・・・


明日の就任式でトランプは、ケネディー大統領就任の演説をもじって、キットきっとこんな演説をするだろうーと預言します。


…今日のこの日を、「共和党」の勝利ではなく、「アメリカファースト」を讃える機会として祝福しましょう。これは落ち込んだアメリカ経済の終わりと始まりの象徴であり、「白人低所得層」の再生と「外国人移民に占領された合衆国」の変革の兆しです。…そして、同胞であるアメリカ市民の皆さん、トランブの政治と経済があなた「個人」ために何をしてくれるかではなく、あなたがトランブのためにどんな「支援」ができるかを考えようではありませんか。…


8日夜のゴールデン・グローブ賞授賞式でハリウッドの女優メリル・ストリープが、トランプに対して、2015年の選挙集会で、手や腕をけいれんさせるように動かしながら身体障害のある米紙記者をあざけるような言動を見せたことを念頭に 、「この国で最も尊敬される座に就こうとしている人物が障害のある記者の物まねをした」と批判した。トランプはそれに抗弁して、9日に「ハリウッドで最も過大評価された女優の一人」と、ツイッターでやり返し、「私を知りもしないで攻撃した」「身体障害者の記者をばかになどしていない」と抗弁し、民主党のヒラリー・クリントン氏を応援したストリープを揶揄して、「惨敗したヒラリーの腰巾着」と誹謗した。ストリープは就任前のトランプの度重なる暴言に対して、授賞式の挨拶で、移民に対して差別的な姿勢を、「軽蔑は軽蔑を呼び、暴力は暴力を生む」と戒めました。もう少しストリープの発言を詳しく掲載しておきます。


…ハリウッドにはアウトサイダーたちと外国人たちがそこらじゅうにいます。もし彼らを追い出そうとしたならば、フットボールと総合格闘技(マーシャルアーツ)の試合ぐらいしか見るものがなくなってしまうでしょう。残念ながらそれらは芸術(アーツ)ではありません。もう時間がないみたいなんですけど続けますね。俳優にとってただひとつの仕事とは、自分たちとは違う人々の人生を生き、それがどんな感じなのか見る人々に感じてもらう、それだけなのです。そして今年は、本当にその仕事をした、息をのむような力強いパフォーマンスが沢山生まれました。 今年、あるひとつのパフォーマンスに私は呆然としました。そのパフォーマンスは私の心に沈み込み、とりついて離れませんでした。それが良かったからではありません。そのパフォーマンスに良かった点などひとつもありません。ですが、それは非常に効果的で、とくにこの仕事に対して影響を及ぼしました。そのパフォーマンスは意図的に観衆を歯を見せて笑わせるように作られていました。それはある人物が(何かの障害で)不自由なレポーターに取って代わり、彼が自分の特権や力において遥かに勝り、その

相手に対して戦いを挑むことにも勝っていると思っている人物がこの国で最も尊敬されるべき椅子に座るように言われた瞬間です。それを見た瞬間、私の心の中で何か壊れたような気がしました。そのことは未だに私の頭から離れません。何故なら、それは映画の中でなく、現実世界で起こったことだからです。そしてこの、人に屈辱を与えるという本能、それは公的な立場で非常に強大な力を持つ人物によって行使された時に、すべての人の人生に影響を及ぼします。なぜなら、それは権力者がそうすることによって、他のひとたちも同じ事をしてもいいという許可を与えるようなものだからです。人を軽視し、無礼なふるまいは同じことを招きます。暴力は暴力のを招きます。もし権力者たちがその地位を使って弱いものいじめをするなら、私たちは皆負けるのです。…


日本の一流俳優に時の政治権力者に対して、公の場でこんな政治家の理非曲直を問うような演説をする勇気ある人がいるだろうかな…???恐らく「俳優ごとき存在で、そんな横柄なことを言ってはファンを失いますよー」と言うぐらいか関の山かも知れませんーネ。高々、政治家の選挙演説とか有権者向けの講演会にチョット顔を出して、一言二言喋って高額な謝礼金を手にするのが当たり前の姿勢だろうーネ。メリル・ストリープに拍手を送りたいです…!!!


確かに、アメリカという国家は、アフリカからガレー船に黒人を閉じ込め、奴隷として鎖に繋げて労働を強制させた南部の歴史もあります。メキシコだけでなくスペインからも中東からも東南アジアからもたくさんの人種が移住民として今も働いています。その人間の多様性がアメリカ文化の原動力と経済発展のエネルギーの源泉なのかもしれませんよ。その良さを否定することは、その多様性を許容するアメリカの良さと寛容さを否定するようなものですーネ。そもそもトランプさんの祖先だって、その家系は、ドイツからの移民ではなかったかな…。因みに、彼女の2016年に出演した作品に、このブログでも載せた『マダム・フローレンス! 夢見るふたり』がありました。そうそう、アウシュビッツから生き延びたポーランド人女性ソフィーを演じた『ソフィーの選択』(1982年公開、アラン・J・パクラ監督 )も掲載しました。


さてさて、1月中旬の特選映画をアップロードします。今月初旬はヒトラーの忘れもの』、『ドント・ブリーズ』、『バイオハザード:ザ・ファイナル 』、『ログ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』、中旬では『忍性』、ニコラス・ウィントンと669人の子どもたち』、『アイ・イン・ザ・スカイ/世界一安全な戦場』、『ダーティ・グランパ』の4本を見ました。結局、通算で8本を映画館で観賞、その中から選んだ特選映画1本は、『ニコラス・ウィントンと669人の子どもたち/NICKY'S FAMILY』でした。ドローンを使った戦争の新しい局面を描いたアイ・イン・ザ・スカイ/世界一安全な戦場』も、手に汗を握る緊張感がありました。ただ、ドローンを使ったアメリカ軍の軍事作戦はすでに、兵士の戦死を減らす為に中東で使っていた戦闘行動の一つであり、現実化した戦争でした。

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1本目は、文殊菩薩信仰にもとづき、非人やライ病患者を救済、大飢饉で飢えや寒さに苦しむ衆生に粥や衣服を与え、橋や道や病院や井戸を築く活動に励んだ鎌倉時代の律宗の僧・良観房忍性忍性(和泉元彌)の生涯を描い時代劇&宗教映画『忍性』(2016年公開、秋原北胤監督)でした。


「忍性」が生涯で草創した伽藍83ヶ所(三村寺・多宝寺・極楽寺・称名寺など)、供養した堂154ヶ所、結界した寺院79ヶ所、建立した塔婆20基、供養した塔婆25基、書写させた一切経14蔵、図絵した地蔵菩薩1355図、中国から取り寄せた律三大部186組、僧尼に与えた戒本3360巻、非人(ハンセン氏病患者など)に与えた衣服33000領、架橋した橋189所、修築した道71所、掘った井戸33所、築造した浴室・病屋・非人所5所にのぼるとされている。忍性の師「叡尊エイソン」は仏教の使命を初めて非人救済に専念した僧侶でした。


今でいう病者・貧者・乞食・非人などの救済する社会奉仕活動のため、三村寺・多宝寺・極楽寺称名寺など建て、病者に薬を施す施薬院、病者を収容し病気を治療する療病院、身寄りのない者や年老いた者を収容する悲田院などを運営して、経済的な側面でも民衆の救済を「僧侶」の使命として生涯をささげた「忍性」であったが、その彼の救済活動に対して、当時の宗教家・日蓮は、関米徴収権や木戸銭徴収権を獲得した「経済活動」に対して非難を浴びた。


丁度、「ジャック&ベティ―」でこの映画を上映後に秋原北胤監督の挨拶がありました。監督はこれまで「一遍上人」などの他の宗教家の映画も制作しています。可能ならば監督に是非、…そもそも、今どうして僧侶を映画にするのですか?…忍性への関心は何処にあるのですか?…などを質問したかったのですが、残念ながらそのチャンスがありませんでした。私の率直な感想としては、僧・良観房忍性を充分に描き切っていないーナと思いました…!鎌倉時代は、民衆救済のための新興宗教、同じ「仏教」の系譜とは言いながら独特の新しい宗派が戦乱の後に雨後の筍のように、例えば浄土宗(法然)、浄土真宗(親鸞)、時宗(一遍)、日蓮宗(日蓮)、臨済宗(栄西)、曹洞宗(道元)…etcが布教活動を始めました。そして、これら偉大な宗教家と比較した時に、特別なぜ「忍性」にどんな魅力を持ったのか…?日蓮が批判した忍性の経済活動に関して、結局、宗教による経済的利益を民衆の救済のために還元するのは、逸脱でしょうか…?私は宗教映画に対してはついつい熱くなってします…。こうした一連の質問を監督にしたかったです…!!!]


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2本目は、第2次世界大戦開戦前、ユダヤ人強制収容所へ送られ虐殺されそうな運命にある669人のユダヤ人の子供たちをチェコスロバキアから救い出し、アメリカ人家庭の里子として移住させた、ニコラス・ウィントン氏の人間愛の「偉業」を描いた≪キンダートランスポート≫のドキュメンタリー映画『ニコラス・ウィントンと669人の子どもたち/NICKY'S FAMILY』(2011年公開、マテイ・ミナーチュ監督)でした。≪ナチズムとホロコースト≫の映画としては、『シンドラーのリスト』 (1993年公開、スティーヴン・スピルバーグ 監督) と『杉原千畝 スギハラチウネ』 (2015年公開、チェリン・グラック 監督)と同じ、ファシズムの時代にホ

ロコーストからユダヤ人を守った作品です。1938年12月、証券会社のサラリーマンであったニコラス・ウィントン宛に、ユダヤ人難民の支援活動をしている友人が電話で、ナチスに迫害され、過酷な状況にあるチェコのユダヤ人難民の子供たちだけでも、せめて救いたいと支援を始めた…。


映画ではニコラス・ウィントンが救った子供たちの、その子供や孫までが登場し、当時の苛酷で危険な状況が映像化されています。彼に救われた親族たちは、ニコラス・ウィントンへの感謝として、困った人がいれば私たちはニコラス・ウィントンが私たちの命を救ってくれたように、世界の困った人を進んで救います…」と、インタビューに答えていました。時代の死の泥沼に飲まれようとした幼い子供たちに、救済の一石を投じた彼の人間愛は、一見表面上は平和な時代ではあっても、戦乱と戦争が絶えない現代にまで波紋は広がっているんだなーといやや、感動でした。


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3本目は、元特殊工作員だった退役軍人の、少しはみ出し屋のアウトローの祖父・ディック役にロバート・デ・ニーロが演じ、もう一人は、父親の押し付けた職場結婚を1週間後に控えた糞真面目なカタブツ弁護士ジェイソン役の若手俳優ザック・エフロンが孫を演じる、二人の痛快なハチャメチャドタバタ&コメディー映画ダーティ・グランパ 』(2016年公開、ダン・メイザー監督)でした。ただ普通のお笑いムービーと違う点は、爺さんと孫が演じるダーティーなグランドパパのコメディーという所です。


ロバート・デ・ニーロが演じる退役軍人と孫が演じるダーティーなグランドパパ
の映画もマアマアのコメディーで、笑えました。しかし、私には邦画の菅原文太の遺作『わたしのグランパ』(筒井康隆原作、東陽一監督&脚本、2003年 」を懐かしく、最高の傑作映画として思い起こします。街のヤクザを殺害して服役してた五代謙三役の菅原文太が祖父にあたり、学校で不遼グループからイジメを受けていた孫の五代珠子役に石原さとみが演じている東映映画でした。彼が街に戻ってきた事から始まった映画でした…。この邦画と比較した時に、『ダーティ・グランパ』はお色気たっぷりの三流B級娯楽映画に思えました。





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ケニア・ナイロビに潜伏している国際指名手配されている危険なテロリストがアジトの潜伏先で今、自爆テロの準備を進めているリアルな映像をドローンで監視、、遠いロンドンの作戦会議室からアメリカとの合同軍事作戦を指揮している。4本目は、ナイロビの市街地に潜伏しているテロリストたちに対して、イギリス人とアメリカ人の凶悪なテロリストを初めは捕する作戦でした。がところが、途中で作戦は自爆テロを完全に殲滅するため、イギリス軍事用の偵察用ドローン(無人戦闘機)で今まさに搭載ミサイルで遠隔攻撃するかどうかの決定的瞬間を映画化した、21世紀の戦争を描いた軍事映画&サスペンス映画『アイ・イン・ザ・スカイ/世界一安全な戦場』(2015年公開、ギャヴィン・フッド監督)でした。


朝鮮戦争、ベトナム戦争、中東戦争…と、アメリカが関与した戦争の苛烈な戦場風景のニュース映像は、未だ鮮明に私たち日本人の脳裏にさえも残っています。恐らく、兵士として夫や父親や親族を喪ったアメリカ人にとっては、より残酷な記憶に違いないです。米軍発表の資料などを調べて見ますと、朝鮮戦争では米軍の戦死者3万3629名、負傷10万3284名、行方不明・捕虜5178名。ベトナム戦争では、戦死者4万6370名、負傷30万以上、戦闘以外の死者が1万人以上。イラクでの米軍の死傷者数は、概算で1万5000人超、負傷者は2万7000人を超えたと言われています…。(米軍の公式発表はもっと少ないです。)中東では意外と少ないですが、これも近代戦争のドローンなどの無人ミサイル攻撃等の成果だと言えますかーネ。


ここ数年、特に中東戦争でのアメリカ軍の主力攻撃兵器となりつつある、前線で兵士が死と隣り合わせの敵と衝突する戦争から、遠隔操作で前線から遠く離れた作戦室でコンピュータと映像でミサイルボタンを押す戦争がすでに始まっています。もう既に、現実の戦争の姿になっています…。

寧ろ私は、ドローンと同時に火器を持った戦闘ロボットを登場させてほしかったです。映画ではもう類似の作品が既に公開されていますーネ。決して今更あたらしい軍事計画とは決して言えず、イギリスよりもアメリカ軍が実際の戦闘行為に使用していました。もはや現実は映画に先行していました…。それではダメなんです!!!


(尚、 誤字脱字その他のために、アップした後で文章の校正をする時があります。予告なしに突然補筆訂正することがありますが、ご容赦ください…)








1月特選映画【3】映画のMIKATA「2016年邦画の総括№1」★映画をMITAKA

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私が2016年に見逃した映画を急いでレンタルショップで借りて観賞いたしました。全部で10本まとめて観賞しまして、その感想コメントを掲載して、評価しました。合わせて、昨年ブログ編集後記で書いた時代劇について、私なりのコメントを掲載しました・・・。2016年の映画の私なりの総括と言えます。


その総括に関して、私は二つの問題とテーマを設定しました。①はどうして、邦画から「時代劇」の映画が無くなったのだろうか・・・というテーマであり、その問題を私なりに答えを見いだしたいなー、見つける必要があるーなと思いました。2016年の唯一の時代劇は『殿、利息でござる!』と『真田十勇士』でした。②は、2016年に見逃した映画、まあ…駄作は放っておいてもいいのだろうが、特に映画ファンたちが2016年の話題作として挙げているものは、自分なりに検証しておかないといけないな・・・と思いました。問題の解決策として、DVDによる後追いでも、自分なりに映画を観賞してみて評価を下しました。それは、★の数でランク付けしました。★★★が優秀作品、王冠1マークが名作傑作にあたります。

気が付いたら、今年はベストテンの中に「時代劇」がなかったですーネ。今までの「鞍馬天狗」や「新選組」や「忠臣蔵」や「遠山の金四郎」、市川雷蔵の「眠狂四郎」や大川橋蔵の「銭形平次」や東野英治郎の「水戸黄門」のような武家社会とチャンバラ時代劇から忘れられた懐かしい勧善懲悪の時代劇シーンの数々はもはや、昭和の懐かしの映画となってしまったのか…。それに対して現在は、例えば、『武士の家計簿』や『殿、利息でござる!』の原作者でよく知られている磯田道史の描く侍社会は、「お金」と経済が絡む、従来の時代劇ではスポットライトが当てられていなかった側面でした。それ故に、新しい視点で武家社会を描いた映画が新鮮になっていますーネ。ただね、時代劇の好きな私としては寂しい限りです…。寧ろ、チャンバラの時代劇をそのまま復活させたいということではないが、迫力のある大スペクタクルの大河時代劇も含めて、もっともっとチャンバラの傑作名作を復活させたいものですーネ。


昨年2015年の私のブログ≪第39回 日本アカデミー賞 「2015年に私が選んだ邦画ベスト10」 ≫を振り返ってもアニメの時代劇その他『駆込み女と駆出し男』『百日紅 Miss HOKUSAI 』…etcが数本挙げているだけです、侘しい限りです…。ただ、本格的な時代劇の少なさは例年通りで、2-3年遡っても数少ないです。因みに、2013年には『武士の献立』『清須会議』『許されざる者』2014年には『蜩ノ記』『柘榴坂の仇討』『るろうに剣心』…etcがありました。ただ、目立っていることは、原作が時代小説ではなくて、劇画・アニメの原作なのです。尚更に、時代劇の危機的状況を露呈しているのではないでしょうかーネ。昨今時代劇に限らずに、恋愛ものも、探偵ものも、その原作は人気のあったアニメが増えいます。だから、この傾向は映画そのものの生き残りの窮余の一作なのかーナ。純文学、人気小説からアニメへの原作移行は、現代人の心、若者の生活観を掴んで表現しているのは、劇画になったことなのだろうーナ…。単に活字離れであるだけかな。


時代劇がTVや映画から衰退した理由は何故なのだろうか…???下記春日太一の時代劇論「なぜ時代劇は滅びるのか」にその答えを探ってみました。





時代劇の大事件といえば、松下電器提供のナショナル劇場のTV時代劇の『水戸黄門』が2011年に放送終了になったことでしょうかーね。私も「水戸黄門」ファンの一人として哀しい助限りでした。助さん格さんと光圀の三人旅で、最後に格さんが懐から葵の紋章のついた印籠を悪人たちの目の前におもむろに取り出し、「この印籠が目に入らぬか、こちらにおわすは先の副将軍、水戸光圀であらせます。控え、ひかえ」…と悪人たちの前に印籠をかざすと、エヘーと恐れ入る「ワンパターン」で幕を閉じる勧善懲悪の時代劇であった。それがいつもいつもお決まりのワンパターンの勧善懲悪で終わるのがつまらない…と言う人もいれば、反対に、その勧善懲悪で悪人たちが正義の印籠に平身低頭するワンパターンの結末に、一週間のストレスで詰っていた胸の鬱憤がスーとするという人も居ます。


私など、昔住んでいた街に映画館が二館もあり、そこでスクリーンに投影される時代劇のスターたちには、「大菩薩峠」の片岡千恵蔵、「赤穂浪士」の長谷川 一夫、「鞍馬天狗」の嵐寛寿郎、「銭形平次」の大川橋蔵、「眠狂四郎」の市川雷蔵、「大菩薩峠」の萬屋 錦之介たちが、刀を振り回していた時代劇全盛の時代であり、映画が娯楽の王様でした。この本によれば、1957年の映画館の入場者は10億人、国民か全員が年間10本以上の映画を見たことになるそうだ…。丁度、東京オリンピックが開催される1964年(昭和39年)の10月10日の開会式を家庭のテレビ受像機で見たくて、金持ちは勿論、貧乏家庭も家族団欒の中心に白黒テレビの前にこぞって座ってオリンピックを観戦した。テレビ時代の始まりの年でもある。と同時に、時代劇不振の時代の始まりでもあるようだ…。ここから急転直下時代劇の製作は、1960年代には168本、1962年には77本、1973年には年間45本にまで人気は低迷した。


娯楽としての映画そのものも低迷、テレビ時代になっても勿論テレビ画面の中には「時代劇」は生きていた。が、ストーリのワンパターン化と、時代劇の古臭さが「水戸黄門」の終了につながっていた。時代劇は古臭いが、尚それに魅かれ共感する視聴者の世代は、高齢者であり、テレビのスパンサーから商売にならないと番組提会社から敬遠された…。この視聴率低迷の裏には、視聴率の調査法が「世帯視聴率」から「個人視聴率」へと変わったことも、時代劇ファンが高齢者という数字と傾向を表面化させた…こともこの本で春日太一氏に指摘されています。


TV時代劇で私が自慢できることが一つあります。, 池波正太郎原作、゜中村吉右衛門主演の『鬼平犯科帳』は、第1シリーズから(1989年7月~)9シリーズ(~2001年5月)にフジテレビで放映されたロングランの時代劇で、それら以外に鬼平犯科帳スペシャル 、劇場版などがあり、シリーズ150本目で終了しました、で、ほとんどがDVDとしてリリースされています。私はそれらのほとんどをDVDで見ていることです。これは自慢に名はならないか…ナ。昨年12月2日、3日の連日に、これぞ最後の締めくくりとしてプレミアム「鬼平犯科帳 THE FINAL」前編「五年目の客」後編「雲竜剣」が放映されました。京都太秦津のスタジオとス、鬼平に長く携わってきた時代劇タッフたちが鬼平の思い出話と制作エピソードが、製作ドキュメント番組として放映されました。フジテレビとしては、大変な力の入れようでした。でも、池波正太郎にはもう一作、私にはお馴染みの秋山小兵衛(剣客)役に 藤田まことが演じる「剣客商売」がまだ残っています。2010年に藤田まこと亡き後に、2015年9月に北大路欣也主演で、若い妻・おはる役に貫地谷しほり、同じ剣客で息子・大治郎役に斎藤工が演じる「剣客商売」が放映されました。スタッフは、脚本:金子成人、編成企画:羽鳥健一(フジテレビ)、企画:武田功(松竹)、プロデューサー:佐生哲雄(松竹)足立弘平(松竹)、監督:山下智彦でした。私は次の北大路欣也主演の新作「剣客商売」の放映を待っているのですが、なかなか制作されませんネ、視聴率がよくなかったかな…???スポンサーが引いたかな…???


TV時代劇に関して、春日太一氏は、第3章では華のある時代劇の主役級俳優も、また主演を引き立てる脇役、特にいい悪役がいなくなったという。その原因として、時代劇の脇役の供給源であった新劇には、もともと役者を志す若者たちが入ったが、1980年代以降、小劇団や学生劇団に役者志望の若者たちが入るようになった。小沢栄太郎、東野英治郎、金子信夫、岡田映次、滝沢修などは新劇の名優であり、佐藤慶、田中邦衛、細川俊之、寺田農、橋爪功などは新劇の名脇役であり、新劇の養成所出身であったという。第4章では更に監督もいなくなったという。この本の中で一例として映画『最後の忠臣蔵』(2010年公開、池宮彰一郎原作)をとりあげています。私などこの年の日本アカデミー賞にノミネートしていた位に良い出来栄えの時代劇でした。p124…女優・桜庭ななみは、現場に入る数か月前から杉田成道監督に時代劇の芝居を徹底的に特訓されたことで、まだ十代の新人にもかかわらず主演の役所広司と堂々と渡り合ってみせた…。p127時代劇を制作する場合、スタッフの特殊技能や大がかりな装置、その他、必要となる知識や経験は現代劇よりはるかに多くなる。監督はその全てを理解した上で、自分ならではの時代劇世界を作り出さねばならない…という。私も最近この本を読んでレンタルショップの棚から借りてもう一度見ましたが、素晴らしい時代劇ですーネ。 ところが、映画界が斜陽産業となって、本来人材の育成機関であった撮影所のシステムが崩壊してしまって、時代劇を指導できる映画監督がいなくなったという。


もう一つ気になった昨今の時代劇の新しい傾向がもう一つあります。冒頭で、⓵磯田道史の描く侍社会、「お金」と経済が絡む、従来の時代劇でスポットライトが当てられていなかった側面。②時代劇映画の原作が劇画・アニメを原作する作品が増えた。③明智道秀による織田信長襲撃と、信長の不自然な死、豊臣秀吉による政権交代…歴史的にまだはっきりわかってない「歴史の謎」にスポットライトを当て、推理時代劇、ミステリー仕立ての時代劇、SF時代劇のような作品が現れました。タイムスリップした小栗旬主演の『信長協奏曲』や近頃公開されたこれも時代劇生き残りの窮余の一作かもしれません…。鈴木雅之監督の『本能寺ホテル』などは、その一作です。山本謙一原作、利休役の海老蔵主演、田中光敏監督の『利休にたずねよなどもその部類かもしれません。殺陣のない茶の湯の世界を描いた時代劇なので、歌舞伎俳優の演じる歌舞伎舞台風のギコチナイ海老蔵の所作仕草セリフは目立ちませんでした。が、先ごろ終えたテレビ東京の「石川五右衛門」は、春日太一が指摘するように、歌舞伎の伝統的な様式を逆に丸ごと演出に取り入れてしまった。がしかし、却って中途半端な時代劇で面白くなかったです。歌舞伎の様式をp141…そのまま時代劇映画・テレビでやってしまうと「行き過ぎた作りこみ」としか映らず…歌舞伎独特のセリフ回しは特に違和感が強い市川雷蔵、萬屋錦之介、中村歌右衛門、片岡仁左衛門らは、≪いい時代≫の時代劇の現場でそうした癖を抜き、≪時代劇の芝居≫を見につけていった。…という。これは括目すべき批評ですーネ。


第5章ではそのうえ、p161…時代劇の魅力を研究して自由な発想で斬新な企画を立てるプロデューサーや、自ら数々の劇団や芸能事務所に顔を出し、無名の新人を抜擢してスターに育て上げていったプロデューサーたちがいたが、それが近年、いなくなった…という。結局、時代劇から、俳優も監督もプロデューサーもいなくなったのが、時代劇の滅びた顛末であった。

私には時代劇を理解する大変見応えのある新書でした。最近の私の時代劇消滅への疑問の一端がとけたような気がしました。


尚、 誤字脱字その他のために、アップした後で文章の校正をする時があります。予告なしに突然補筆訂正することがあります、ご容赦ください…。是非ぜひ、感想をコメント欄にお寄せください…。
 


1月特選映画【4】映画のMIKATA「2016年邦画の総括№2」★映画をMITAKA

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第40回日本アカデミー賞2017年」の授賞式は、3月3日にグランドパレスホテル高輪にて、安藤サクラさん西田敏行さんの二人の司会で開催されます。放送日は日テレで21:00~22:54。ノミネート作品・優秀作品賞等についても発表されました。詳細は下記アドレス「2017年の日本アカデミー賞」の公式サイトを参考にしてください。
 http://www.japan-academy-prize.jp/prizes/40.html





私が2016年に見逃した映画を急いでレンタルショップで観賞いたしました。全部で10本まとめて観賞しまして、その感想コメントを掲載して、評価しました。合わせて、昨年ブログ編集後記で書いた時代劇について、私なりのコメントを掲載しました・・・。2016年の映画の私なりの総括と言えます。


その総括に関して、私は二つの問題とテーマを設定しました。①はどうして、邦画から「時代劇」の映画が無くなったのだろうか・・・というテーマであり、その問題を私なりに答えを見いだしたいなー、見つける必要があるーなと思いました。2016年の唯一の時代劇は『殿、利息でござる!』と『真田十勇士』でした。②は、2016年に見逃した映画、まあ…駄作は放っておいてもいいのだろうが、特に映画ファンたちが2016年の話題作として挙げているものは、自分なりに検証しておかないといけないな・・・と思いました。問題の解決策として、DVDによる後追いでも、自分なりに映画を観賞してみて評価を下しました。それは、★の数でランク付けしました。★★★が優秀作品、王冠1マークが名作傑作にあたります。



②簡単な総括のコメントと感想を書きます。


 全く面白くない駄作、観る価値なし。

★★ 見て損はしない、マアマアの作品でした。

★★★ 変面白い作品です。、

王冠1 見る価値のある名作傑作です。

1)★★二重生活』(岸善幸監督&脚本、小池真理子原作)

実を言うと小学校の頃に自宅の近くの公園の前のバス停から降りる人の後をずっと後ろから忍んで追いかけ、少年探偵団のような気持ちで追跡するゲームをしていたことが、私には懐かしい遊びの過去がありました。ただね、一人の人間を客観的に密かに観察するこの映画の主人公の女子学生の卒論は、悪いけれども哲学の論文にはならないですーヨ。まあひいき目に見て、社会学のくだらない卒論「男女関係の不倫は新しい関係と家族を形成できるのか?」程度のテーマかな…小池真理子の原作にしては脚本が拙いですーネ。


2)★★『嫌な女』(黒木瞳監督、桂望実原作

「県庁の星」と同じ小説家の原作で、ストーリは笑えました。従妹同士の二人の女性、一人は弁護士の徹子(吉田羊)と人騒がせななつこ(きむらよしの)の関係をコミカルに描いた映画です。黒木瞳がいよいよ監督を始めたかと吃驚しました。二人の個性が作品を面白くさせています。監督の次回作もあり得るのかな?監督が主役を独占せずに、監督に徹したところがいいのではないのかな…。


3)『高台家の人びと』(土方政人 監督、金子ありさ 脚本)

森本枝子の漫画が原作で、祖母と孫達が他人の心が読めるという「テレパス能力」を持つ元華族の名門家「高台家」が舞台となっている。その孫の一人・高台光正(斎藤工)と恋仲になり結婚というOL・平野木絵(綾瀬はるか)が演じるドタバタ喜劇でした。綾瀬はるかファンの一人として辛いのだが、漫画チックで駄作でした。

 

4)『HK/変態仮面 アブノーマル・クライシス』(福田雄一監督)

あんど慶周の漫画が原作で、映画化の第2弾です。鈴木亮平が演じる変態仮面は頭にパンティーを被ると不思議なパワーを発揮するエロいB級コメディーなのだが、私は第一作も観ました。バカらしいと知りながら、ついつい見たくなる魅力がありまーネ。


5)★★殿、利息でござる!』(中村義洋監督&脚本、磯田道史原作)➡江戸中期、財政難のため民衆に重税を課す仙台藩を舞台。宿場を守るために、藩に対して大金を貸し付けて利息を巻き上げるという奇策を練る町人のの秘策を映画化時代劇です…。磯田道史原作の新しい視点で描かれた士農工商の武士社会です。


6)『ディストラクション・ベイビー』(真利子哲也監督&脚本)

愛媛県の港町・三津浜の造船所に住んでいた芦原泰良(柳楽優弥)と弟の将太(村上虹郎)の二人が主人公。特にストーリらしい内容はないのですが、唯一、松山の中心街で強そうな相手を見つけては、やくざでも街のやさぐれでも、誰構わずケンカを売る泰良の、全編が暴行暴力の連続だけの映画です。良いところがカケラもない、私には最低最悪の駄作だと思いました。



7)★★★リップバンウィンクルの花嫁(岩井俊二監督&脚本&原作)

派遣の非常勤教員をしている皆川七海(黒木華)が主人公。出会い系サイトで知り合って結婚、義母の悪意のたくらみで浮気と不倫を責められ、」すぐに離婚する。夫の家を追い出される七海の苦境に、何でも屋の安室が月給100万円の住み込みメイドのアルバイトを紹介する…。そこでメイド仲間で末期がんのポルノ女優里中真白(Cocco)と知り合う。 ストーリ自体があり得ないおとぎ話のような荒唐無稽な内容です。でも、私には退屈な映画でした。 



 

8)王冠1『植物図鑑』(三木康一郎監督、 有川浩原作、渡辺千穂脚本➡突然マンションの前で行き倒れている青年・樹役として「EXILE」「三代目J Soul Brothers」のイケメンメンバー岩田剛典が登場、半年だけ居候させてくれと哀願される。毎日上司の小言に消沈する不動産会社に勤務する人気女優・高畑充希がOL・さやか役で主演を務める純愛ストーリです。最近、綾瀬はるかの次に私が好きな女優です。有川浩は心の錬金術師です、男と女の心の機微を操り糸のように言葉で刺激し、感涙のエクスタシーと、恋愛関係のカタルシスを計算した原作と映画ですーネ。私も時間を忘れてこのハッピーエンドのラブストーリを堪能しました。ラブストーリは失恋で終わるよりも、恋の成就で終わるの気分かイイね。私が失恋した時にはこの映画をもう一度の観賞します、ワハハハ…。

 

9)★★『女が眠る時』(ウェイン・ワン監督)

ある高級リゾートホテルで一週間の休暇を過ごしていた作家の夫・健二(西島秀俊)と編集者の妻・綾(小山田サユリ)は、同じホテルに滞在する、親子ほど年齢の離れたプールサイドの、ミステリアスな初老男性・佐原(ビートたけし)と美少女・美樹(忽那汐里)のカップルに魅入られる。健二は次第にこの二人の不思議な愛情関係に深い関心を持ってしまう。その内に健二は窓から彼らを覗くことが日常になっていく。一見、日本人俳優を全て抜擢した邦画のようですが、ところが、スタッフは香港生まれのハリウッド監督、原作はスペイン人作家ハビエル・マリアス。日本市場に乗り込んだ和洋折衷の輸入チャンポン映画です。が、私には日本人受けをのらった3流映画に見えました…。終盤で美樹が失踪、食事のシーンでは、スランプに悩まされ、作家の道を断念して就職を決めた健二を囲んだテーブルでは、受賞祝いのワインで乾杯していました…。良く分からない脚本ですーネ。




10)★★★『モヒカン故郷に帰る』』(沖田修一監督監督&脚本)

瀬戸内海に浮かぶ故郷・戸鼻島(とびじま)へ7年ぶりに帰郷するモヒカン頭の、売れないヘビメタバンドのボーカル。好きな音楽だが、生活は中途半端な主人公・田村永吉を松田龍平が演じる。妊娠した恋人役に前田敦子と共に帰省する。静かに流れる島の時間の中で中学校の吹奏楽の指揮者をする酒屋の父親役に柄本明、母親役にもたいまさこなど個性的なキャストが集った映画でした。父親がにわかにがんと死期の迫った時、二人の結婚式が見たい…と、にわか結婚式を望む。半分コメディーな内容ですが、「横道世之介」同様に捨てがたい魅力がありますーネ。


尚、 誤字脱字その他のために、アップした後で文章の校正をする時があります。予告なしに突然補筆訂正することがあります、ご容赦ください…。是非ぜひ、感想をコメント欄にお寄せください…。

1月下旬特選映画【5】★映画のMIKATA「恋妻家宮本」★映画をMITAKA

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1月は見たい映画が多くてとても鑑賞する時間が足りませんでした。なにせ「2016年の邦画総括」で、見逃した邦画洋画のDVDをまとめて10数本以上見てしまったので、疲れました。そこで上映中の邦画を優先させました。ア~この作品は観たいな…と魅かれる洋画は、『ドクター・ストレンジ』(スコット・デリクソン監督)『マグニフィセント・セブン』(アントワーン・フークア監督)『スノーデン』(オリヴァー・ストーン監督)『ザ・コンサルタント』(ギャヴィン・オコナー監督)…etc等があり、これは2月に残念ながら回します。特にもう既に入場者が多数来場する人気のある映画もありますーネ。オスカーのアカデミー賞作品賞が既にミュージカル『ラ・ラ・ランド』(2/24日本上映予定)ほか「ムーンライト」(公開未定)「マンチェスター・バイ・ザ・シー」(未定)「ライオン」(未定)「メッセージ」(未定)などがノミネートされています。が、外国生活のない私には、ノミネート作品の一本の観賞もありません…。


 

さてさて、1月下旬の特選映画をアップロードします。今回下期は5本を映画館で観賞、今月1月は通算で、ヒトラーの忘れもの』、『ドント・ブリーズ』、『バイオハザード:ザ・ファイナル 』、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』、忍性』、ニコラス・ウィントンと669人の子どもたち』、『アイ・イン・ザ・スカイ/世界一安全な戦場』、『ダーティ・グランパ』、『幸せなひとりぼっち』、『アラビアの女王』、『沈黙 』、恋妻家宮本』、『破門』…13本を観賞しました。選んだ特選映画1本は『恋妻家宮本』でした。愛する妻、唯一自分を理解してくれる妻を喪い、気難しい孤独な老人の余生を描いた『幸せなひとりぼっち』は、捨てがたい魅力がありますーネ。暴走老人なんてこんな人のことを言うのかな…。同じコメディー風のヤクザ映画『破門』も掛け値なしに面白かったです…ネ。


でもね、実際のヤクザは、麻薬売春や恐喝暴行傷害を手段にお金を巻き上げるもっともっと恐ろしいものですよ、とても呑気にゲラゲラ笑ってはいられません。横浜・赤レンガに賭博場「カジノ」開設に反対します。恐ろしいのは市民の陥る賭博「依存症」ではなくて、暴力団かマフィアの巣窟になるか、議員汚職の裏金か、賄賂の財布になることです…ヨ!!!トランプ大統領と同じく、政治と会社運営を同じ次元(コストパフォーマンス)で見る政治家は、儲かればいいのだ、「利益」のためには「戦争」も辞さないでしょうね。



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1本目は、愛妻に先立たれ失意のどん底にあり、人づきあいの下手な初老男オーヴェを主人公(ロルフ・ラッスゴード)、職場もクビになってしまい早く妻の元に行きたいと何度もたびたび自殺を図るが、向かいに引っ越してきたイラン出身のパルヴァネ一家の慣れないアメリカ生活の戸惑いと騒動に巻き込まれるコメディータッチのほのぼの人情映画『幸せなひとりぼっち/A MAN CALLED OVE』(2015年、ハンネス・ホルム監督)でした。パルヴァネ一家の妻の車の運転免許の練習、梯子から転落して怪我をした夫の病院送迎、看病のために小さい子供たちの子守など、一家にあれこれ関わるうちに頑固で人間嫌いないオーヴェの心が、イラン人家族に対していつしか温かい優しさ、他人を気遣う近所づきあいを持つようになる…。


一人でも一人ぼっちではない、向こう三軒両隣、地域に住む隣人は、みんな皆生きるための共同体の一員です…という、何か地域福祉の教えのような映画でした。


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2本目は、イギリス鉄鋼王の裕福な上流階級の家庭に生まれ、オックスフォード大学を卒業しながら、危険に曝されるのを承知で、イラン、ヨルダン、シリアなどアラビアの荒野と砂漠の多部族を、駱駝の背中に揺られて渡り歩き、砂漠の長老や部族長から一目置かれ、人々から砂漠の女王と慕われた冒険好きのイギリス人女性ガートルード・ベル(ニコール・キッドマン)の半生を映画化した『アラビアの女王 愛と宿命の日々』(2015年、ヴェルナー・ヘルツォーク監督&脚本)でした。


原作本が有って映画化された作品かなーと調べて見たのですが、はっきりしませんでした。監督が脚本家を兼ねているので、、ストーリも監督なのかなと推測します。部族間争いや植民地政策、石油を廻る国家戦略など、21世紀まで時代を左右させ影響を残している、この中東問題など、もう少し現代史に触れるところまで視線を広げた中東紛争を含めたドラマに描いてほしいな…と、自分の知識不足を棚上げにして、我ながら「ないものねだり」のように監督に求めたくなりました…!!!私はこの映画を見た後に、もう一度ピーター・オトゥール主演のアラビアのロレンス』(1962年公開、デヴィッド・リーン監督)を見たくなりました。ニコール・キッドマンの高貴で優雅で知的な「美しさ」も見逃せませんが、侵略と植民地支配と戦争の中東問題を理解する上で、是非見たい映画でした。

 

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3本目は、、キリスト教が禁じられ過酷なキリシタン弾圧が行われていた17世紀江戸初期に棄教したと噂され、行方が分からない宣教師、ザビエル以後に既に布教のために長崎へ上陸していたキアラン・ハインズ(リーアム・ニーソン)を追いかけて日本に渡ってきたポルトガル人の若き宣教師のロドリゴ(アンドリュー・ガーフィールド)とガルペ(アダム・ドライバー)の目を通して、信仰の深さを踏み絵によって確かめたバテレン弾圧を描いた遠藤周作の原作小説「沈黙」を外国人監督が映画化した『沈黙 -サイレンス-』(2017年、マーティン・スコセッシ監督) でした。


監督は何と、『シャッター アイランド』(2009年公開)、『ヒューゴの不思議な発明』( 2011年)でお馴染みの巨匠マーティン・スコセッシ監督が隠れキリシタンの長崎を映画化した…。エ~大丈夫なのとチョット心配でした。恐らく「製作総指揮」に多数のスタッフが登録しているので、現場での制作は巨匠の傘下にいる監督助手のような弟子たちが映画製作に携わったのだろう…ナ。いくらキリスト教とはいえ、日本に定着した土着のキリシタンは、バチカンのキリスト教ではとても理解できないだろうーヨ。仏教と同じで、キリスト教も歴史の流れによって時代によって国によって派生して分派して、個人の思想信条によって一つではないのですね。

 

マカオに漂流して帰国したがっている漁師のチジロー役の窪塚洋介、通詞役の侍に浅野忠信、イッセー尾形、塚本晋也、加瀬亮シといった日本人キャストが多数出演しています。原作が日本人作家、ロケ地は日本なので邦画かと錯覚するが、事実は洋画と邦画のチャンポンの作品です。私にはどちらかというと駄作の判定でした。宣教師にスポットを当てるのか、隠れキリシタンに焦点を当てて描くのか?遠藤周作の一貫した文学テーマ、果たして「人間の弱さ」が逆説的に「人間の強さ」なんだーという人間観が曖昧模糊としてぼやけている気がしました、私には遠藤周作の文学と同時に、日本の歴史もよく分かっているのかなー、と疑念を感じました・・・!!!脚本家にジェイコックスという名前が載っていましたが、今上映中の『ドクター・ストレンジ』の脚本家としても載っていますので実績を持っているようです。がしかし、日本文化、特に隠れキリシタンや宗教に関して未熟そうです。マーティン・スコセッシよー、この日本語の分かるスタッフと、日本の歴史抜きに「沈黙」を演出するのは無理です。この作品で人間の「何を」描きたいのか…、やはり原作の遠藤周作文学を十分咀嚼せずに脚本を書かせたなーと思いました。


マーティン・スコセッシよー、安倍公房や大江健三郎や村上春樹でも映画化した方がよかったのではないのかな…。誰がこんな「沈黙」の企画を持ち込んだのか、大胆不敵ですーネ。日本市場向けの、日本人受けする作品かなと、どうしても邪推します。外国人監督による日本市場への日本人向け邦画公開は、昨今の映画の大きな特徴です。それと、最近ますます邦画にもテレビ宣伝が多くなりましたネ…。予告編のような数秒の映像を流して関心を引く宣伝方法は、完全にハリウッドの手法ですね。これももう一つの日本映画界の目だった特徴です。

 

でも、長崎に旅行すると侘しい小さな漁村の街に立派な受難の十字架のキリスト像とステンドグラスの飾られた教会があり、大浦天主堂など大伽藍の建築物と聖母マリヤやキリスト教の壁画を見ると、ディズニーのキャラクターがアメリカヨーロパを初め、日本を含め東南アジアの仏教国等をディズニーランドが席巻したのと同じ規模で、キリスト教が何故どうして日本に浸透したのか…?私は依然として謎です。




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三人家族で平穏に暮らす宮本家で、たった一人の長男が突然結婚を宣言、独立して福島の新聞社支局へ赴任する。中学教師の陽平(阿部寛)と妻・美代子(天海祐希)が25年ぶりに二人だけの新婚家庭のように残される。4本目は、書斎の本棚「暗夜行路」に挟まった、妻の署名した記入済みの古い離婚届を発見して、何故どうしてーと困惑して、できちゃった婚の新婚時代を回想する宮本…と、料理教室に通い、いつもコンビニのメニューを手に迷う優柔不断な宮本をじれったく思う美代子の夫婦が繰り広げるドタバタコメディー風の熟年離婚の危機を描いた家族映画『恋妻家宮本』(2016年、遊川和彦監督&脚本、重松清原作)でした。


「男はつらいよ」「釣りバカ日誌」「おとうと」「東京家族」「小さいおうち」「母と暮せば」「家族はつらいよ」など、数々の家族愛の名作傑作映画とドラマと言えば、山田洋次独特の専売特許のように思っていましたが、脚本と監督も兼ねて製作する遊川和彦監督の持ち味は、何かしら創作のパターンが似てますね。テレビドラマの傑作「女王の教室」「家政婦のミタ」などの脚本を手掛けた遊川和彦流の映画は、シンミリじっとりと心を揺らしながらハートフルな脚色演出する家族愛の山田洋次流に対して、賑やかでゲラゲラ笑い、後ではればれするバラエティー風の遊川流家族映画は独特ですーネ。


最後に息子の福島の家へ家でした妻・美代子と二たび―夫婦愛を取り戻す大団円で終わる最後のコンビニシーンで、吉田拓郎のフォーク「今日までそして明日から」を合唱するフィナーレは、ナンカ宝塚歌劇の舞台を見ているようでしたーネ。あれは天海祐希を引き立てる意識しての脚色でしょうか…。ともかく面白かったです。「家政婦のミタ」で松嶋菜々子がお手伝い役を演じていた役柄をジャニーズ系のTOKIO・松岡昌宏が女装して、ゲラゲラ笑ったTVドラマでした。いやや奇抜な演出家です。がただね、宮本陽平役に阿部寛という俳優を抜てきするのは、コメディーでひょきんな演技=阿部寛というのは、やや短絡的でこの役柄で阿部寛はもういい加減あきあきだなーナと思います。

 

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5本目は、建設現場での暴力団対策の仕事を通じて二蝶会のヤクザ・桑原保彦(佐々木蔵之介)と、暴力団とつるんで交渉役で金儲けしている建設コンサルタント役の二宮啓之(横山裕)の二人が主演、映画プロデューサーの小清水(橋爪功)が持ち込む製作企画と映画製作の資金集めに便乗した二宮が、二蝶会の組長・國村隼へこの企画を仲介する。しかし企画を持ち込んだ小清水は、二蝶会が用意した出資金を持ったままマカオに逃走、マカオの賭博場まで資金回収に奔走するコメディータッチのヤクザ映画『破門 ふたりのヤクビョーガミ』(2017年、小林聖太郎監督)でした。


直木賞を取った小説としてもベストセラーの黒川博行の「破門」が原作です。私には、映画も小説もどちらも面白いが、なるべく活字でも読んでほしい作品です。漫画ばかり読んで本を読まないと、安倍晋三総理大臣のように「云々」を「デンデン」と読んで、失笑されますよ…。ア~そう言えば麻生太郎大臣も以前漢字が読めなかったことがありましたーね。国会議員の資格認定に、この次の選挙から当選確定には「漢字検定1級」の資格がない認定できない…難関を設けたらどうかな…、ワハハハ。そんな選挙映画のコメディーがあったら愉快だよな…!!!







下記addressは、毎週木曜日の夜20:30~20:56にオンエアされる沖縄・那覇からFM電波で放送される映画情報「なーりーの星空シアター」のサイトです。「映画で毎日の生活がよりキラキラと楽しいものになすように」の願いを込めた映画情報で、ポッドキャストでも聴けます。短い時間なので、ほっと一息の仕事の合間、休憩時間にスマホで聴くのにイイです…。今週の2/2は映画『沈黙』のコメントが放送されます。”倫理の鬼”のナーリーが隠れキリシタンについてどんなことを話すのか楽しみですーネ。特に沖縄の人は必聴ですよ。

http://www.fmnaha.jp/podcast_detail.php?program_id=68




尚、 誤字脱字その他のために、アップした後で文章の校正をする時があります。予告なしに突然補筆訂正することがありますが、ご容赦ください…。是非ぜひ、感想をコメント欄にお寄せください…。

2月上旬特選映画【6】★映画のMIKATA「ザ・コンサルタント」★映画をMITAKA

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2月上旬の特選映画をアップロードします。今回4本を映画館で観賞しました。2月の特選映画1本は、『ザ・コンサルタント』でした。これまでの暗殺者が狙う殺人とは一味違う、善でも悪でもない暗殺、まるで正義のために悪人を殺すような暗殺者です。主人公がアスペルガー症候群というパーソナリティーによって、大変面白いからくりのあるバイオレンスアクションになっており、見答えがありました。もう一本は、唯一の邦画「新宿スワンII」も良かったです。続編とはいえ、手抜きのないヤクザ映画、配役俳優が同じなので、分かりやすかったです。延び延びになって未だにアップできないDVD特選映画のテーマ≪ヤクザ映画≫で、是非暴力論を書きたいのですが、参考になる暴力に関する参考書がないですーネ。どれもこれも難解で良く分からない、平易で納得のゆく本はないですか…?。どなたかヒントを与えてくれる一冊を教えてください。


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1本目は、天賦の才能を持つ凄腕の脳外科医、ドクター・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)は、他の外科医では手に負えない難しい脳外科手術を成功させて名医として、その知名度も傲慢さも知られていた、医師が主人公のファンタジー&医学映画『ドクター・ストレンジ』(2016年スコット・デリクソン監督)でした。


医学界で地位も名誉も財産も手に入れていたが、治療交渉の途中で交通事故に遭遇、神の手と崇拝された医術の手腕さえ失ってしまった…。元の手と指先の機能を取り戻すため、金に糸目を付けずにリハビリを繰り返すが、元の神の手は戻らなかった…。最後に彼が望みを託したのが、どんな傷も脳神経の麻痺も手の不具合も、治せる心のリハビリと魂の治癒によって回復するのが、チベットの魔術師、エンシェント・ワンでした…。前半は医学映画なのだが、チベットの地で回復訓練としてエンシェント・ワンの弟子となった以後は、ファンタジーなのでした。


時として神秘の地として、宗教の聖地として、時としてヒマラヤ山脈への登山口として、チベットを舞台とした映画は数々数多あります。私がこれまで見た映画ですぐ思い浮かべる作品は、エディ・マーフィ 主演の『ゴールデン・チャイルド』(1986年、マイケル・リッチー監督)でしょうね…。千年に一度、この世に生を受ける神秘の子≪ゴールデン・チャイルド≫が、チベットの寺院から連れ去られてロサンゼルスに幽閉される…。そう言えば、私は以前『バレット モンク』(2003年、ポール・ハンター監督)も見たことがありました。チベット寺院に代々守られていた神秘の巻物がナチス親衛隊の襲撃によって略奪されてしまう。その巻物を追って不老不死の力を持った魔術を使う神秘的なチベット僧がニューヨークへ現れ取り返そうとする…。アイガー初登頂で知られるオーストリアの登山家ハインリヒ・ハラーが戦争中チベットで過ごした7年間の自伝を映画化した『セブン・イヤーズ・イン・チベット』(1997年、ジャン=ジャック・アノー監督)もありました。シアトルの9歳の少年の元に、突然三人のラマ僧が彼の前に現れ、少年を仏陀の生まれ変わりだと言う輪廻転生の物語『リトル・ブッダ』(1993年、ベルナルド・ベルトルッチ監督)も、私は以前観ました。こう一作一作を思い出してみると、チベトを舞台にした映画は結構ありますーネ。


でもねそれにしても、チベット一つをとりあげても『ドクター・ストレンジ』には、スコット・デリクソン監督と脚本家の怠惰で手を抜いたアイデアの乏しい作品でした。もっと悪いことは、ディズニー製作の映画が、盗作剽窃で作品を制作する創意工夫のない二番煎じの駄作が多いことです…!!!回復不能の神経麻痺のリハビリまでは医学の映画で、通り一遍のストーリですが、チベット仏教の聖地を魔術の戦いにするファンタジーの後半は誤魔化しですーネ。まるで「ハリーポッター」の続編の世界ですーネ。


もう一つだけ、苦言を呈しておきます。アメリカは、トランプ大統領が選挙によって政権を取ってからすぐに、大統領令によってアメリカ国民にとって重大な政策選択が幾つか出されました。一つは今アメリカを二分にして、。イスラム教国の国を対象にテロ撲滅テロ対策のためにーというスローガンによって中東7か国の入国禁止令ですーネ。宗教への弾圧、人権侵害としてとうとう大統領令無効の裁判まで続いています。もう一つは、「オバマケア―見直し」と呼ばれる政策です。オバマ前大統領が導入した医療保険制度の撤廃を掲げた。先進国で唯一の皆保険制度のないアメリカで、6人に1人が健康保険のない市民が、「盲腸」で入院手術した結果破産することがあるという。オバマはそれに対して、普通の市民が入手しやすい価格で、質の高い健康保険に加入できる制度改革する…施策だった。もう一つは「TPP離脱」かな…。少なくても、医療に関係のある新しい映画ならば、この、「オバマケア―見直し」の、アメリカの医療制度を問題視する映画を制作してほしいですーネ!!!
 


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2本目は、2013年6月に情報関係のCIA職員エドワード・スノーデンがアメリカ政府の国際的監視プログラムの存在を世界中に知らしめ、史上最大の醜聞を内部告発者した人間として、世界中にそのニュースが駆け巡り、歴史に名を刻んだ「スノーデン」事件をオリヴァー・ストーン監督が映画化した『スノーデン』(2016年公開、オリヴァー・ストーン監督)でした。


2004年に戦争で大怪我を負って除隊したスノーデンは、9.11テロで傷ついた祖国のために働きたいと念願し、CIAの情報部門に転職した。スイス、日本、ハワイでの情報勤務を経験していく過程で、スノーデンは2012年12月頃より、対テロ捜査の名のもとでアメリカ政府が行う情報戦略が不法行為であることを悔み、上層部の私生活の監視まで政府の干渉をしているという強迫観念に囚われる。英紙ガーディアンはスノーデンを通して様々な極秘情報や機密資料を暴露した…。例えば、国家情報長官の指示によって合衆国内で30億件/月、全世界で970億件/月のインターネットと電話回線の傍受が行なわれていたことを明らかにした。また、スノーデンによると、NSAは世界中で6万1000件以上のハッキングを行っており、そのうち数百回以上が中国大陸と香港の政治、ビジネス、学術界を目標として行われたという。例えば、NSAが日本を含めた38カ国の大使館に対しても盗聴を行っていた、特に、ロシアのメドベージェフ大統領(当時)の衛星通話の盗聴を試みていたという。


オリヴァー・ストーン監督)は、映画でこうしたスノーデンのアメリカ政府への疑惑と不信感と情報の暴露までを克明にドキュメンタリー風に映像化しています。


さて、今の彼はどうなっているのか?気になりますが。FBIは情報漏洩罪など数十の容疑で捜査に乗り出した。初めスノーデンはアイスランドへの政治亡命を希望したが、アイスランド政府は関与せずだった。2013年8月1日、スノーデンは、ロシア連邦移民局から一年間の滞在許可証が発給され、漸く空港での足止めからロシアに入国。滞在期間延長が申請され、3年間の期限付き居住権を得た。後にロシアの居住許可は2020年までに延長された。私もスノーデンを応援したいですーネ。

 




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3本目は、新宿・歌舞伎町を舞台に、繁華街で可愛い女性に声をかけてキャバレーのホステスや風俗嬢、AVガールなどのお店に女性を送り込むスカウト会社「新宿バースト」のスカウトマンで、新宿に腹ぺこ一文無しで流れ着いた白鳥龍彦(綾野剛)を主人公にしたヤクザ&バイオレンス映画『新宿スワンII』(2017年、園子温監督)でした。


part2では、新宿繁華街でライバルスカウト会社「ハーレム」と合併して平穏になったスカウト合戦に、今度は新店舗がオープンする横浜繁華街に進出する計画が持ち上がった。横浜に縄張りに勢力を大きく広げる横浜ウィザードの滝正樹(浅野忠信)が君臨していたタキと新宿バーストの白鳥が、麻薬の密売も絡んで、刑事・砂子(笹野高史)や新宿をナワバリとする暴力団・紋舞会の会長天野修善(吉田鋼太郎)も介入して、新宿バーストはピンチを迎えてしまう…。


和久井健の人気コミックを、園子温監督がpart1の「新宿スワン」を製作した、その続編なので、私はついついて観てしまいました。同じバイオレンス映画のDVD『ディストラクション・ベイビー』(真利子哲也監督)とは似て非なる作品です…。果たして、どうしてこうもやくざ映画が多いのかな…という私が以前吐露した疑問の「答え」をその内に書きたいなと思っています。「世の中からはみ出してまともなサラ―リーマンで生きていけない少年、社会からつま弾きされたグレた少年はこんなヤクザ世界でしか引き受け手はないだろうよー」と何処かのヤクザがテレビで言っていたかな…。よく永六輔がラジオで、「敗戦後間もなく、GHQが東京の繁華街にジープで乗り込み、街の商売女パンパンでない、素人の女の人に傍若無人にちょっかいを出していたのを、日本のヤクザが身を挺して守った戦後の闇市の時代のヤクザの役割と歴史を忘れてはならないよー」と言ってたことを記憶しています。もともとヤクザや露天商のルーツを中国まで遡って、この人間の「アナーキな力」の所在、暴力論を是非論じて見たいです。

 

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主人公の会計士、クリスチャン・ウルフ(ベン・アフレック)の裏の本当の顔は、実は、世界中に蔓延る極悪人たちの裏帳簿を仕切る闇の資金管理人、それていて大企業や権力者やヤクザたちの悪に鉄槌を下す正義の暗殺者でした。しかも、標的は必ず仕留める周到な殺し屋でした。ある時、彼に軍事的武器とか義腕義足など多角経営をする大手企業・リビング・ロボから内部収支決算の経理帳簿の誤魔化しを暴いてくれという財務調査の依頼が寄せられる。4~5年分の過去の財務帳簿をなんと一晩で分析するクリスチャンの驚異的な数学処理能力の結果、重大な不正のからくりを発見する。が、突然彼への依頼と調査がストップがかかる。リビング・ロボの社長ラマー(ジョン・リスゴー)が、ウルフの暗殺の最後の標的になった。


4本目は、会計士でありながら凄腕の殺し屋であるが、更にもう一つの顔は子供の時より発達障害の子どもであったというチョット変わったアクション&犯罪映画『ザ・コンサルタント/THE ACCOUNTANT』(2016年、ギャヴィン・オコナー監督)でした。

 

「月曜日に生まれ、火曜日に病気になって・・・」と古い童謡を繰り返して呟きながら人を暗殺するウルフの存在を事件捜査するFBI分析官のメリーベス(シンシア・アダイ・ロビンソン)が気づいていた。映画の初めに精神障碍者の施設へ入所させる場面から始まった…。私はつい、「これなんの映画なの」と胡乱に思いました。教師の母と離婚してた軍人の父は、幼い頃よりコーチを雇い格闘技を教え、「自分の殻を破れ・・・」とウルフの発達障害を強制する特訓をしていた。私はこれまで、アスペルガー症候群やサヴァン症候群などの自閉症の子どもや青年を主人公にした映画はたくさん見てきましたー。ダスティン・ホフマン主演の映画『レインマン』(1988年、バリー・レヴィンソン監督)、SMAPの中居正広主演の『ATARU』( 2012年~TVドラマ、2013年劇場版、木村ひさし監督 )、ジョナサン・サフラン原作トム・ハンクス主演の『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』(2011年、スティーヴン・ダルドリー監督)などがすぐに思い浮かべます。その特殊な才能を犯罪や芸術の分野で開花する作品は多数ありましたが、.ただ、今作のようにその特殊な才能を暗殺者として登場させるのは初めてです。過去にDVD特選映画のテーマで「障害者と映画」中で発達障害の映画をかなりたくさん観賞しましたが、私もストーリの持つ突飛なオリジナリティーにエ~エーエ~と意表を突かれました…。でも最後の最後に、キャンピングトレーナーで逃亡中のウルフの居た隠れ家に戻ったあの経理事務の女性・ディナは・・・どうしたのかな???





  

尚、 誤字脱字その他のために、アップした後で文章の校正をする時があります。予告なしに突然補筆訂正することがありますが、ご容赦ください…

2月中旬特選映画【7】★映画のMIKATA「マリアンヌ」★映画をMITAKA

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2月中旬の特選映画をアップロードします。今回4本「相棒-劇場版IV」「サバイバルファミリー」「マリアンヌ 」「未来を花束にして」…を映画館で観賞、今月2月は通算で8本を観賞しました。選んだ特選映画1本は、イギリスのスパイ映画&ラブストーリの『マリアンヌ』でした。スパイ映画にしては、激しいアクションも肉体の衝突も、弾丸の飛び交う凄まじい銃撃のやり取りもない、割と心がしっとりとする叙情的な作品でした、スパイ映画にしては珍しく穏やかな人間ドラマでした。


イギリスの女性参政権運動を描いた『未来を花束にして/SUFFRAGETTE』は、女性には必見だと思える映画でした。私たちが今、享受しているさまざまな「権利」は、元々あったものではなくて、血を流し命を落とした長い「権利」の要求を掲げ続けた結果、歴史の流れで漸く獲得しめたものですが…。女性の普通選挙権もその一つです。今、当たり前になている「参政権」も、歴史の中で概念的に捉えないと、私たちには「真実」は見えないのですーネ…。この映画はそんなことを私に考えさせました。

 

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7年前に駐英日本領事館内の領事の娘の誕生会で、何者かによって家族と関係者が集団毒殺された事件が起きた。今作の『相棒-劇場版IV- 首都クライシス 人質は50万人!特命係 最後の決断』(2017年、橋本一監督)は、毒殺事件から領事の娘・鷺沢瑛里佳(山口まゆ)が一人生き残り、事件に巻き込まれて国際犯罪組織に誘拐されたことから映画は始まった…。1本目の映画は、不可解で複雑で難解な謎を解く刑事ドラマというよりも、戦火の激しい戦中のトラック島で開拓民が日本軍と日本政府によって置き去りにされ見殺しにされた歴史的事実が事件の根っこにあった。その開拓民の生き残りの子供が、「日本」政府に復讐するために集団毒殺のテロを計画した…という顛末でした。無差別テロは、国際スポーツ競技大会の凱旋パレードに集まった銀座で、選手と歓迎市民50万人を狙って、国際犯罪組織バーズが有機リン酸系の新しい毒薬をパレードの上から散布する無差別の毒殺テロの計画を未然に阻止しようと、特命係の杉下右京(水谷豊)と冠城亘(反町隆史)が活躍する…ストーリでした。


 国際犯罪組織バーズを追って日本に捜査に来た国連犯罪情報事務局の元理事マーク・リュウ(鹿賀丈史)が、トラック島に遺棄され生還した少年だったという事件の謎でした、チャンチャン…。


でもね、『相棒』はTVドラマもつまらなくなったけれども、劇場版も質が落ちたね…!!!どんなに想像が貧しくてもこの劇場版を観た人は、「国際スポーツ競技大会」の凱旋パレードは2020年の東京オリンピックであり、無差別テロが起こる銀座パレードと、2020年のオリンピック選手の祝勝会を暗喩していると連想できます。無差別テロのこんな恐ろしい陰謀の恐れがありますーヨという警告のような、脅かしのような、まるで「共謀罪」はテロを未然に防ぐためには必要ですよ…と政権の広報宣伝のような映画ですーネ。私には無意識の識域に働きかけたサブリミナル効果というよりも、逆に政治の「陰謀」としか見れませんでした。CM制作するTV業界では、CMの効果を計る指標としてGAP(グロス・アテンション・ポイント)が使われています。最近のセンサー技術の進歩によって、個人の判別、目の開き方などを、画面を凝視している視線と意識と関心を毎秒で取得できるようになったという。『相棒-劇場版IV- 首都クライシス 人質は50万人!特命係 最後の決断』のGAPを測定したとするならば、サブミナル効果というよりも顕在的な効果100%です。それにさー、劇場版第1弾で既に公開された『絶体絶命!42.195km 東京ビッグシティマラソン(2008年公開、和泉聖治監督)とまるで発想と設定が同じではないですかね…。いつから刑事ドラマは政治の道具となったのだろうかーナ…!!!




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2本目は、ある朝、電気が突然原因不明で「霧消」して目覚まし時計の乾電池、水道のポンプも、電車もタクシーも全ての電化製品と電動機器が停止してしまった…人々の生活は破滅的な危機を迎えて、生存をかけて東京から鹿児島の田舎へサバイバル脱出を試みる鈴木家の家族を描いたコミカルで不条理映画サバイバルファミリー』(2017年、矢口史靖監督)でした。



ウォーターボーイズ』 (2001年公開)『スウィングガールズ』などの傑作ヒット作品を制作する矢口史靖監督にしては、今作のサバイバルファミリー』はやや雑な仕上がりだな…と感じました。何故かな…?と思案した結果、一つは、父・義之役の小日向文世、母・光恵役の深津絵里、息子・賢司役の泉澤祐希、娘・結衣役の葵わかなの4人家族が自転車で東京から鹿児島へ脱出する途中で、食糧不足水不足などの困難に遭遇した時に演じる滑稽な騒動がコメディー仕立てになっているのですが、ただね、俳優の小日向文世のズッコケた失敗が、チョット笑わせるためにわざとらしかったです…。

 

二つ目は、地球の電気が突然消失してしまい、日常生活が破壊されて、電気のない原始的な生活を余儀なくされた、地球人の生命危機さえ招いた…という不条理映画であったのだが、どうもその不条理性が、中途半端なのですーネ。


地球滅亡の映画はいろいろこれまでありました。例えば、①彗星が地球に衝突する、隕石が地球に衝突して地球が滅亡するする映画がありました。例えば『アルマゲドン』(1998年公開 、マイケル・ベイ監督) は、代表的ですね。②人類が絶滅してしまった近未来を舞台には、人が死に至る細菌テロとか疫病が地球規模で蔓延して人類が滅亡する映画も古典的ですね。地球に残った人間がサバイバルするドラマは、例えば、『ダ・ヴィンチ・コード』以来、ラングドン教授が謎ときに奔走するダン・ブラウンの近作を映画化した第3弾の『インフェルノ/Inferno』(2016年公開、ロン・ハワード監督)がありました。、「エボラ出血熱」が世界中に広がる『アウトブレイク』(1995年公開、ウォルフガング・ペーターゼン監督)は、パンデミックスの恐怖を伝える代表作でしょうーネ。③太陽は地球上の全ての生命の源である。太陽活動は、生命活動の根源ですが、その太陽が終焉するSFがあります。或は、太陽活動の異変、例えば、太陽の爆発「太陽フレア」「太陽嵐」に伴い、太陽コロナ中の物質が惑星間空間に放出され、高エネルギー荷電粒子が地球に破滅的な悪影響を与え、人類の終焉というドラマがありました。『サンシャイン2057』 (2007年公開、ダニー・ボイル監督)、や『ノウイング』(2009年公開、アレックス・プロヤス監督 )がありました。このサバイバルファミリー』は、どちらかというと『ノウイング』の二番煎じなのだろうーネ。ただね、地球滅亡の不条理に、コメディー的要素を混ぜてしまったので、深刻さ悲愴さとリアリティーが褪せてしまって、中途半端な笑いと人類の生半可な危機感しか呼び起こさなかったのですーネ…!!!④もう一つ、最近「さようなら」(深田晃司監督、 平田オリザ原作、2015年公開、) という不条理ドラマをDVDで見ましたが、日本の国民全員が放射能汚染の危機によって日本から外国に避難するという物語でした。こんな身に迫る現実的な危機感は、福島原子炉の崩壊や放射能汚染によって、意外とリアリティーを持っていました。しかも、その女性と最後の最後まで一緒に生活していたのがロボットであった―と言う設定でした。ロボットと人間が共生する近未来の時代設定もなかなか素晴らしいですーネ。女性が亡くなって、骸骨になつてベットに横たわっていても、ロボットは尚、国内に生き残って、動き回っていた…というストーリでした。


どうせならば『サバイバルファミリー』もテロによって原子力発電が爆破されて、地球の大半が汚染されたーという設定にしてほしかったな…!!!その方が矢口史靖監督らしかったです。ソ連の「チェルノブイリ」に関してはたくさんの映画が制作されていますが、日本人監督によって「長崎広島の原爆投下と福島原発と放射能汚染」という映画はもう公開されていたかな???

   

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1942年、イギリスのスパイ・マックス(ブラッド・ピット)とフランス軍のレジスタンス・マリアンヌ(マリオン・コティヤール)は、カサブランカのドイツ大使の暗殺を企て、見事に大使館内で暗殺計画に成功、イギリスに無事に帰国する。カサブランカで密命中の二人は、敵の裏をかくためマックスはフランスから愛妻マリアンヌに会うために来た鉱山技師を装うが、次第に嘘の夫婦を装う内に愛が芽生える。その後、ロンドンで再会し結婚する。そこまではスパイのありふれた恋物語なのだが、マックスとマリアンヌは熱愛の末に結婚し、ドイツ軍の空襲と爆撃と弾丸の降る襲撃の激しい病院の庭で嬰児を出産し、幸福な蜜月と育児に励む戦争中の日常を過ごすのだが…。そこまでも、ありふれた何処にでもあるイギリス軍人の夫婦の愛情物語なのだが…、3本目の『マリアンヌ(2016年、ロバート・ゼメキス監督、スティーヴン・ナイト脚本)への称賛は、マリアンヌは、実はフランスレジスタンスの戦士ではなくて、全くの別人のなりすましで、ドイツ軍の二重スパイで、秘密情報をドイツに漏らしていた…というどんでん返しが最後にあるからです。それでこそやはり、ロバート・ゼメキス監督です。マックスは、スパイのマリアンヌを殺せと上官から命令される。だが、その結末は、マリアンヌがスパイと知りながら、妻と共に飛行機で逃亡をしようとする…。だがだが、その終末は、幼い女の小を残して、夫のためわが子のために目の前で耳元に「あなた、子供を頼みますー」と言い残してピストルで自殺する。エヘヘへ~、教えちゃた。


砂漠の嵐、砂塵が車全体を包む中で抱き合う二人の交情シーンは、物凄くエロチックで、二人の喘ぎ声、体を寄せ合い抱き合い愛を貪りあうシーンは、極上のラブシーンでしたーね。このシーンがあるからこそ、最後の最後までスパイのマリアンヌを庇う愛の伏線が効果的なのかな…。『ロマンシング・ストーン 秘宝の谷』 (1984年)、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』 (1985年~)、『フォレスト・ガンプ/一期一会』(1994年)、『コンタクト』(1997年)、『フライト』(2012年)、『ザ・ウォーク』(2015年)の中で、ゼメキス監督のこれまでのどの作品にもなかった激しいラブシーンでした、ゼメキスらしかぬゼメキス映画、ゼメキスらしい人間ドラマでした、ベテランの脚本家の筋書きなのかな? 




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4本目は、イギリス・ロンドンの洗濯工場で働く女、13歳からここで働き、24歳のモード・ワッツ(キャリー・マリガン)が主人公で、夫と幼子との3人で生活している貧しい洗濯女の主婦が、婦人参政権獲得の政治運動「WSPU」(女性社会政治同盟)に参加する政治ドラマ未来を花束にして/SUFFRAGETTE』(2015年、セーラ・ガヴロン監督)でした。


ワッツが突然変わったのは、まだ幼い洗濯娘が工場責任者・ノーマン(ジェフ・ベル)の好色な手で体を撫で回すセクハラに耐えている様子を見て、自分も同じことをされた過去の強制猥褻を思い出して、体を凍り付かせたからでした。婦人参政権を主張するため議会の公聴会で洗濯工場の女の代表として発言した時に、男が19シリングなのに女は週13シリングである賃金の格差や、労働時間の男女不平等や、洗濯女の重労働は、体は痛みセキ込み、指は曲がり、工場内の蒸気ガスで頭痛がするなど体調を壊してしまう悪環境ー、母も洗濯工場で熱湯を被りまだ幼い時にヤケドで死にました…と回想しながら彼女のたどたどしく発言する姿は、議員たちの心を動かしたかに見えたが、議会では女の参政権は否決された。デモクラシーの先進国イギリスでさえ、子供の親権は女には与えられてなかった。1912年に漸く女性の30歳の制限付きで選挙権が実現した。婦人参政権を得るまでの女性たちの男に従属する家族、女は洗濯女にしか仕事がない社会の底辺で喘いでいた時代は、イギリスに限らす、どの国にもあった。この映画から奴隷のような労働環境と苦難が見にしみました・・・。:結局、ワッツの活動を不快に思う夫に家を追い出され、洗濯工場の職場もクビになり、警察からいつも弾圧を受けていた。おまけに、子供と会えない間、夫は子供の面倒が見られないと、子供のない夫婦に子供を養子に売ってしまう…。


今、国会でも女性の議員や大臣が数人います。また、会社内でも女性の役員も数多く登場しています。また、安倍自民党政権は盛んに女性の活躍の場を・・・と声高に政策のスローガンに挙げています。でも男女平等を訴える女たちがどれだけ警官のこん棒で殴られ、女性の政治参加を恐れる政府の妨害のため、どれだけの女が刑務所へ投獄弾圧を受けたか…を忘れているのではないのかな、と思いました。却って、私などこれまでの表舞台に立った「女性大臣」を見ると、悲しいことにまるで政権与党の操り「玩具」のように見えます。


結局女性の参政権は一人の活動家が国王が馬上で走るダービーの日に、疾走する馬の前に飛び出して新聞に訴える抗議活動によって、初めて世間の注目を浴び、世論を動かしたことになった。


私が最後に気になったことが一つあります。イスラム社会を最後に女性参政権の歴史を年号順にテロップで流していたのですが、とうとう「日本」の国名が登場しなかったです。日本の女性参政権は、第二次世界大戦後の1945年10月10日幣原内閣で閣議決定されました。がそれも、マッカーサーによる五大改革の指令に女性参政権による婦人の解放が盛られていたためです。やはり、封建的家族制度の中で女性はがんじがらめに長い間拘束されて、女性参政権の声が女性自身の声として上がらなかったのですーネ。日本は「議会制民主主義」の後進国なのですーヨ…!!!歴史は油断すると後戻りします、それが何時逆行するか分かりませんが…。 






 

下記addressは、毎週木曜日の夜20:30~20:56にひっそりと開かれる映画情報「なーりーの星空シアター」のサイトです。沖縄・那覇からFM電波で放送されます。「映画で毎日の生活がよりキラキラと楽しいものになすように」の願いを込めた映画情報で、ポッドキャストでも聴けます。短い時間なので、ほっと一息の仕事の合間、休憩時間にスマホで聴くのにイイです…。今週の2/23は映画『スノーデン』のコメントが放送されます。

http://www.fmnaha.jp/podcast_detail.php?program_id=68


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尚、 誤字脱字その他のために、アップした後で文章の校正をする時があります。予告なしに突然補筆訂正することがありますが、ご容赦ください…


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